新型コロナウィルスが世界的に流行しています。
 疫病との闘いは昔から繰り返されているのです。


 今日は、中世に流行したペストにまつわるお話です。


【盗賊の酢】
1630年ごろ南フランスでペストが流行しました。

 町中が死体であふれる中、4人の盗賊がペストで死んだ人の家を荒らしていました。
ペストを恐れず盗みをはたらいていた彼らも、ついに捕まります。
ペストにかかることがなかったその秘密と引き換えに、盗賊たちは死刑を免れたということです。

その秘密というのは、「ハーブの酢」

ワインビネガーにセージ、タイム、ラベンダー、ローズマリーなどを

漬けたものを口に含んだり、体に塗っていたというものでした。

セージとタイム

 

ラベンダーとローズマリー


 お酢には、細菌の増殖を抑える働きがあります。
日本でも昔からお酢を使った保存食として、酢漬け、しめ鯖、酢飯など身近に使用されています。
そのお酢の中に抗菌、殺菌作用があるハーブを漬けていたのです。
 

セージは古代から治療に使われてきたハーブで、和名はヤクヨウサルビアです。
タイムは、古代エジプトでミイラ作りの防腐剤として使用されていました。

 

 この盗賊の酢は、この後売り出されたそうです。
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 【ペストとハーブ】

 現在、 医療用マスク不足も深刻になっていますが、中世には、ペスト専門の医師がいました。
このようなをマスクをしていたとのことです。
 

香料入りのワックスを塗ったコート、ヤギ革の帽子と手袋、直接の接触をさけるための杖。
そして特徴的な鳥のようなくちばしのマスク。

マスクのくちばしの先には、ハーブが詰められていました。


アンバーグリス(龍涎香-りゅうぜんこう)※1、バームミント、ショウノウ(樟脳)、クローブ(丁子)、アヘンチンキ※2、ミルラ(没薬もつやく)、バラの花びら、エゴノキなど、といわれています。

※1 アンバーグリスはマッコウクジラの腸内に発生する結石
※2 アヘンをエタノールに浸出させたもの。モルヒネが高い濃度で含まれる

参考 National Geographic 
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/031600175/

参考メディカルアロマ辞典
https://susanblog.com/pest/2/

 

 中世のヨーロッパでは、目に見えない病とのとの闘いにハーブが活用されていたことがわかります。

 

 現代の新型コロナウィルスも、早く特効薬やワクチンができることを願っています。

 それまでは、基本の手洗い、外出自粛のときは、ストレスをためないように

好きな香りのアロマでリラックスして過ごしたいものです。