TBS7.22報道特集。 25分42秒です。
発信し始めた障害者たち (2017/7/22 放送)知的障害者施設「津久井やまゆり園」で19人が殺害されてから1年。障害者自身が実像を知って欲しいと映像を発信するなどの動きが出ている。偏見と差別をどう乗り越えるのか。
障害者の側から「差別との闘い」を開始している姿です。
・・・・ 「障害者は殺されて当たり前なのか??」
青い芝の会 横田弘さん(2代目会長さん)。1970年から1977年ころの取材映像。
青い芝の会(1957年発足)は、1967年8月7日の心身障害者安楽死事件を契機に、1970年ころに街頭宣伝をしているモノクロ動画が出てくる。
〇 心身障害者安楽死事件・・・・1967年8月27日、生まれてから27年間、心身障害で寝たきりの息子を父親が絞殺し、心中を図った事件があった。
一命を取り留めた父親は妻(被害者の母親)と共に自首した。メディアでは、障害者施設が無いゆえの悲劇として同情的に報じられ、身障児を持つ親の会、全国重傷心身障害児を守る会などが減刑嘆願運動を行った。その結果、父親は心身喪失を理由に無罪となった。そして社会的には、障害者施設の建設による、介護者の負担軽減が必要な事件と受け止められた。
〇青い芝の会からの主張・・・・しかし、全国青い芝の会にとっては、全く違う問題意識があった。介護疲れなどを理由に心神喪失が認められるのならば、障害者にとって生存権の危機であり、自分たちが介護者などに殺されても、当然であるかのように受け止められかねないと危惧したのである。こうして、自分たちは、健全者には「本来生まれるべきではない人間」「本来、あってはならない存在」と見られていると認識し、そうした健全者社会に対して「強烈な自己主張」を行うこととなった。
1977年ころは、路線バスが車椅子の乗車を拒否していた時代。やはり青い芝の会は実力行使を伴う活動に出たとのことである。
・・・・ 乗車拒否が相次いだことに対し、「バス闘争(川崎バス闘争)」を展開した。車椅子障害者と介護者の利用者が、幅の広い降車口[から乗車しようとして拒否された事件を引き金に、強引にバスに乗り込んだり、バスの前に座り込んで運行を止めたり、バスの中で消火液をぶちまけるなどの実力行使に出た]。この行動には大きな批判もあったが、公共交通機関における障害者利用の問題に一石を投じた。
〇津久井やまゆり園事件に対する声明
・・・・ 2016年8月17日付け見解。
事件は容疑者個人の問題ではなく、「地域社会と国の障害者に対しての分離隔離収容政策に根強く残っている優生思想こそが、この度の事件の誘発要因」との見解を示した。
その上で、
1.施設からの完全な地域移行計画と地域生活支援の飛躍的拡充
2.「殺されてよい命、死んでよかったというような命はない」との毅然としたメッセージを社会全体で(示す)ことが必要と主張した。
今日、弱肉強食をひた走る政治が現在進行形である。
弱い者をいじめ、むしり取る悪政治はやめなければならない。と同時に、社会の色んなところで弱者を支えるうねりを広げなければならないように思う。
地域社会と繋がる存在として強め、差別の根本にある優生思想を乗り越える。
この青い芝の会の臨み方に、支持の声を贈りたいと思う。