カラン、カラン
朝の7時頃、自動拳銃のベレッタM92から薬莢が二つ誰もいない襲撃科の屋外射撃場の床に落ちた。すぐ後に20メートル離れている人型の的が倒れる。その差ははずか2秒だった。倒した少年は「ふー」と溜め息をつく。
俺の名前は神藤エルメス。高校二年生だ。俺はInternational Police Agency東京学園に通っている。この学園はInternational Police Agency 通称IPAの捜査員を養成するためにつくられた学園だ。IPAの本部はイギリスのロンドンにあり、日本には東京のお台場に東京支部を置いている。IPAを和訳すると「国際警察庁」といい、国をまたがるような事件を解決するために出来た組織だそうだ。最近では警察が手に負えない事件を解決させたりしているのだ。もちろん民間からの事件の依頼もしょっちゅう来る。東京支部は、北京駐在所・上海駐在所・シンガポール駐在所など東アジアや東南アジアに点々としている駐在所をまとめている。そのため、時々アジア系の留学生が来たりする。この学園は、「犯人を逮捕する」という目標のためにいろいろな学科がある。大抵みんなは自分に合う学科を選ぶことが多い。ちなみに俺が所属している襲撃科は文字どおり襲撃をして犯人を逮捕する学科だ。死亡率は学園内の学科の中で断然の1位。俺は家の関係でこの危ない学科に入らなくてはならなかった。
「ね。そこの君」
後ろから声をかけられた。後ろを振り向くと小学生ぐらいの茶髪でツインテールの茶色い瞳の少女が立っていた。ちょっとかわいい。
「何だよ。小学生は襲撃科の建物の中には入ってきちゃダメだろ」
「何、私のことを小学生と思っているのね。なら見てなさい」
と小学生みたいな少女が言ってIPA東京支部の女の子用の制服のスカートの下からシグ・ザウエルを左右の手に一丁ずつ握って、20メートル離れている人型の的を今立ち上がっている30体を8秒で全部打った。残っている的がないかを確認してから俺に向かって「ほら、すごいでしょ」といっているような顔をしてきた。目だけは俺を睨んでいる。恐ろしい。
「私ほどじゃないけど、あなたも射撃が上手だよ。ちなみに私は上條アリス、高校二年生でここ(襲撃科)だよ。あなたの名は?」
「神藤エルメス。君と同じように襲撃科だ」
バタン。屋外射撃場への扉が勢いよく開いた。そこには扉に寄りかかってハァーハァーいっている少女がいた。
「ちはるどうしたの?そんなに焦ってきて」
上條アリスは困った顔でちはるの顔を覗き込んだ。どうやらちはるに会った事があるようだ。て、さっきの恐ろしい目はどこいった。
「ハァー、エルちゃんとアリスはいるね。先程本部から緊急出動の連絡があったの」
「どんな連絡だ」
「IPAの学生寮とこの学園を結ぶ通学用のバスが乗っ取られたの。今この学園内にいる人で襲撃科に所属しているのはあなた達だけなの。だから本部からあなた達へ緊急出動をお願しているの。バスを乗っ取った人を逮捕してほしいの」
この作品はフィクションです。実在の人物・団体・地名等とは一切関係ありません。
