今更ながら、[THE DARK KNIGHT]を観ました。
BATMAN映画は歴史が深い。
今作は、1989年公開の[BATMAN]のリメイクとも言える作品。
だが勿論、監督も俳優も一新され、ストーリーも全くと言って良いほど異る。
同じ背景でここまで違う内容でも許されるのは、BATMANというキャラクターが持ち合わせる魅力あっての事であるのだろう。(または、DORAGON BALL EVOLUTION的な、アメリカ独特の感覚なのかも…?)
[BATMAN]を観た時はまだ小学生の頃だったが、名優ジャック・ニコルソン演じるジョーカーの鬼気迫る演技、更に監督であるティム・バートンが描く、薄暗く、怪しい匂いしかしないゴッサムシティー(BATMANが住む街)の雰囲気に恐怖さえした事を未だに記憶している。
つまり、1989年公開の[BATMAN]は、間違いなく名作なのである。
その成功を元に、BATMANシリーズとして続きモノも3作品公開された。
それくらい完成された作品を、何故に今リメイクするのか?
事の発端は2005年公開の[BATMAN BEGINES]の成功にある。
渡辺謙さんが出演した事でも話題になったこの作品は、どのようにしてBATMANが生まれたかを描いたストーリーなのだが、これがすこぶる完成度が高い。
作品全体がかもし出す、シリアスで哀愁漂う雰囲気はBATMANというキャラクターそのもの。
秀逸なストーリー展開と最新の映像技術により、見事にBATMANというキャラクターが生き返ったのだ。
その『新訳BATMAN』シリーズの第二弾が[THE DARK KNIGHT]なのである。
俺が信頼を置いている映画批評サイトでも文句無しの評価を受けている今作だが、特にジョーカー役のヒース・レジャーに評価が集中している。
『あのジャック・ニコルソンのジョーカーは、どんな俳優も越えられない』
そんな、誰しもが思っていた事を覆したからだ。
ヒースの怪演たるや、まるでイカれたジョーカーそのものなのだ。
ジャック演じるジョーカーの弱点をあえて述べるならば、ティム・バートンの作り出した少し現実から離れた世界観からか、キャラクター色が強かった。
コミックが原作なのだから、それはそれで勿論問題は全く無い。
だが、ヒース演じるジョーカーは、現代社会にいても不思議ではない。
それは、[BATMAN BEGINES]からの『リアルな世界観』から来るものでもある。
そんな世界観に、ヒース演じるジョーカーは奇妙な程に似合っているのだ。
その怪演は数え切れない程の賞を獲り、遂にはアカデミー賞助演男優賞までも獲る事になる。
が、ヒース・レジャーは映画の完成を待たずして、不眠症からの薬物摂取により自宅にて死去…
あの怪演の裏には、想像もつかないような苦悩があったのだろう…
何処からとも無く現れた、謎の狂人ジョーカーの無謀ともとれる暴走は、いつしかゴッサムシティー全体を巻き込んでいく。
街の唯一の希望は、光の象徴こと新人の検事デント。
そのデントの傍らには、BATMANが愛するレイチェルの姿があった。
だが、ジョーカーの狂気は、そのデントさえも飲み込んでいく…
狂気に狂う街、愛する人、自分の在り方…
苦悩するBATMANは、そして…
[BATMAN]を凌ぐ、シリアスな展開を見せる今作。
前作の[BATMAN BEGINES]同様、決してハッピーエンドではないストーリーはもろ俺好み。
ヒーローとは、一体何なのか?
絶対的に正しい事ばかり行える程、人は強くない…
だから、犯罪は後を絶たない…
そこには、果たして絶対的なヒーローは必要なのか?
[THE DARK NIGHT]、間違いなくオススメです。
[BATMAN BEGINES]もまだ観ていないという方には、そちらから鑑賞する事を強く勧めます。
創

