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漢文よみ手
于武陵(うぶりょう)
五言絶句〔勧酒〕
勧君金屈巵
満酌不須辞
花発多風雨
人生足別離
君に勧(すす)む
金屈巵(きんくつし)満酌
辞するを須(もち)いず
花発(ひら)いて 風雨多し
人生 別離足(た)る〕
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コノサカヅキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトエモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ
『厄除け詩集』より 井伏鱒二訳
于武陵が、親友との別離のまぎわに贈った歌。
井伏鱒二の訳は力強いけれど、原詩のしなやかな美しさが好きだ。
良い出会いは別れとなると辛くほろ苦い、
これから離れてしまうけれども
私はいつでもあなたを応援している、
だからいまは気持ちよく呑もうではないか
という想いがあますところなくつづられているように思う。
別れがあるとしても
きっとまた誰かと出会うだろう。
少し似た部分のあるかもしれない違う誰かを
応援し大切に思い…。
朝、6時ごろ目がさめて本を読んでいた。
昨日古本屋で買い求めた『ねむけ』。
犬と猫と人のおりなす物語りのオムニバスで、
アニマルミステリと銘打たれている。
人も動物達もそれぞれが、時間を経て信頼を得て
ひとつの命をいさぎよく生きていくのだった。
そのなかの一つのタイトルは死にゆく道。
ちょうどそのころ祖父の命は終りを迎えたらしい。
ああ、そうかやっぱり、と思う。昨日からどこにいても
なんとなくざわざわと落ち着かない気分は。
本はそんなふうに小さな暗示をちりばめているのだった。
母からの電話でさいごの様子を聞きながら
ようやくしんと静かな気持ちになる。
長い間おつかれさまでしたと
ちょっと祖父を送ってきます。