青い海に、緑が広がり、山には白い雲をまとったマウイ島。

何度となく、飛行機から眺めたマウイの風景。

須賀先生が、この島に魅せられてマウイに渡ってから、一緒に何度となく眺めたこの風景。

空港に降り立つと、どこか懐かしくて不思議と初めての感じはなく…。

高知の気候にそっくりだったから?

きっとそれだけではなかったと思います。

まだハイウェイも出来上がってなかったマウイ。

先生の住まいがあるクラまでは、車で1時間弱だったかな?

緑の中を車は颯爽とかけぬけ、マウイのさわやかな風に、体をまかせて

須賀先生は、思いっきり喜びの声をあげながら、マウイと一つになっていました。

ハレアカラの中腹くらい?にあるクラは、朝夕は少し肌寒いくらいの静かな村です。

朝は鳥の声でめざめ、雲が低い時は、雲を隣にながめ、サンセットは見事に美しく、

雨が降る様子も、虹がかかる様子も、夜の虹も、本当に優しく豊かな自然にあふれています。

(みなさんもご存知ですね)

そして、なんといっても須賀先生が愛した「ハレアカラ」

車で頂上にあがり、幾度となくサンセットをキャッチしました。

自然の大きさに自然と言葉を失い、ただ、ただ地球の営みに抱かれていくような不思議な時間。

とても寒くて、ダウンが必要です。

そんな寒いハレアカラでしたが、須賀先生はハレアカラの頂上で、踊りました。

白いドレスに身をつつみ、両手をなびかせながら…。光がさし、スタッフが撮影したビデオには

その光が、♡の形になって先生の胸に映っていました。

このビデオは、発表会などで上映されたのでご覧になった方もたくさんいらっしゃると思います。

あのハレアカラに、もう一度のぼりたい。

あそこに行けば、須賀先生に会えそうな気がします。(笑)

先生が、沈みゆくお日様を見つめている横顔は、

母にだかれた子どもの様に安らかでした。

この地上の不条理を許し、包み込むような優しくて深くて遠い目でした。



あの「ハレアカラ」の上で、須賀先生は誰と話しをしていたのでしょう。

この世に人生を頂いた意味も、役割も、すべて自然の中で悟っていたのでしょうか。

スタッフをしていた当時、スタジオを留守にしてマウイに通う先生の想いをあの頃、
私は本当の所では、理解はできていませんでした。

インスピレーションに正直に生きること。それは、今の社会の中の常識の枠からははずれて
しまうこともありますから、そしてその枠を外れる当然厳しいご意見も頂くわけです。

でも先生は、そんな恐れにも勇気をふるってあの満面の笑顔を私達に送ってくれました。
先生の中の真実を見いだしたあの強さは、いったいどうやって…。

先生がお星さまになってから、たくさんこんな事を考えます。

そして、先生の生き様は、言葉ではなく、形でもなく、静かに私にたくさんのメッセージをくれるのです。

「ハレアカラ」今年は、もう一度のぼってみようと思います。