椅子
〜しあわせの分量〜
ささめやゆき
BL出版
2015.4.10初版

 

「Vecchia」はイタリア語で「古い」という意味のようです。

 

 

 

【 帯のことばより 】


ぼくたちには座る椅子が用意されている。

しあわせの分量もかなしみの分量も

きまっているんだ。

 

 

画家は立てかけたキャンバスに向かって、ピアニストはステージのピアノの前に、コックはキッチンのニスのはげた腰掛けに、おばあさんは籐椅子に座って一日一日を送ります。自分自身に問いかけながら、生きてきた時間を慈しみながら。喜びも悲哀も希望もやすらぎも、それぞれの人が座っている椅子の上に。

 

人生を「椅子」になぞらえて絵と文で綴った絵本。

 

 

表紙のおばあさんの画にはこんなことば

 

 

祖母の座った籐の椅子、母の座った籐の椅子、おばあさんになった私が座る。祖母のくらしたこの家に、母のくらしたこの家にに、おばあさんになった私がくらす。椅子もテーブルも壷までもそのままで、ただ人だけが、かわってゆく。

祖母がしたように

母もしたように

籐の椅子に座って

編物をするおばあさんになった私。

Swiftly flow the days

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

大人のための絵本だと思います。