今日は、一人の患者さんを看取りました。


長い入院生活の中で、何度も山を越えて
きた方でした。
一時期は容態が悪くなり、心配な夜も
ありました。


それでも、少しずつ元気を取り戻し、
笑顔を見せてくださる日もありました。

その姿に、私たちスタッフも何度も
励まされてきました。

しかし、ここ数日で容態が再び悪化し、
娘さんとお孫さんに見守られながら、
静かに息を引き取られました。


娘さんは、母の手をそっと握りしめながら
「ありがとう」と何度もつぶやいていました。

お孫さんも、その手を優しく包み込みながら
涙を流していました。

その光景を見つめながら、胸の奥が
じんわりと温かく、
そして切なくなりました。

私たちは、生まれた瞬間から、
死に向かって歩んでいる。

年齢に関係なく、
「いつその時が訪れるのか」は、
誰にもわかりません。


だからこそ、
今日をどう生きるか。
誰とどんな時間を過ごすか。
それが、人生を豊かにしていくのだと
思います。


毎日顔を合わせる家族や仲間、
何気ない会話、
一緒に笑い合える時間
そのすべてが当たり前ではなく、
奇跡のようなものなのかもしれません。


仕事や日常に追われていると、
つい「明日がある」と思ってしまうけれど、
本当は「今」この瞬間こそが、
かけがえのない時間なのです。


今日の看取りを通して、
「生」と「死」は決して離れたものではなく、
静かに寄り添い合っているのだと感じました。


人はいつか旅立つ。
だからこそ、今を丁寧に生きたい。


大切な人に「ありがとう」と伝えながら、
一日一日を心を込めて過ごしていきたい。


当たり前のようで、奇跡のような今日を、
大切に重ねていこう。

そう胸に誓ったのです。