JOKERの感想と考察

・JOKERの感想と考察です。まず言っておきますと僕はこの作品が大好きです。3回くらいは見返したかなと思っています。僕はダークナイトが一番映画の中で好きなのですがJOKERもダークナイトとは別ベクトルで面白い作品だと思います。



・本作について解説しますと、発作で笑い出してしまう病気を抱えた売れないコメディアンのアーサーがジョーカーになるまでの物語となっています。悪役の誕生というこれまでのバットマンとは独立したような作品となっています。ですがアメコミ映画と思うことなかれ。本作はどこまでも現実的でどこまでも憎悪的でどこまでも人間的な映画です。

・ゴッサムシティが舞台ではありますがバットマンは出てきません。ウエイン親子は出てきてもブルース・ウェインはほぼモブです。子供です。無力です。そしてアーサーもまた無力です。クソガキにいじめられ、同僚にはハメられ、母親には騙され、ウエインパパにも殴られ、憧れのマレー・フランクリンですらも...って感じで救いがありません。ですが人間は恐ろしい生き物です。ふとしたきっかけでアーサーはジョーカーになるのですがここからの展開は衝撃的でしかありません。見終えた後は喜劇でも言わんばかりの爽快感があります。

・この作品のテーマは価値観なのかなと僕は思います。本作はラスト20分くらいに全てが詰まっていると思います。善悪は主観、喜劇は主観...僕が善悪とはなにか、正義ってなんだっていう問いに対しての現状の最適解はこれなのかなと思います。それくらい痺れました。

・あとはこの作品の考察についてなんですけど、妄想説がとても面白いんですよね。ラストでジョーカーがジョークを思いついたと話すんですけどアーサーの物語が妄想の可能性があるんですよね。彼女の存在が妄想なのは作中で明らかなのですが、それだけでなくゲイリーやマレーなど妄想かどうか明らかになっていない人物が妄想であるという説です。もちろんウエイン親子も妄想なのでブルース・ウェインも存在しない。それどころかアーサーすら妄想の可能性もあります。つまりラストの人物≠アーサーという可能性も出てきます。じゃあ一体JOKERとは何者なのか。怖い仮説ですよね...。

・本作は見る人の価値観を狂わせるヴィラン映画です。1度見るのはもちろん2度見ても面白い。名作です。今回はここまで。

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https://wwws.warnerbros.co.jp/jokermovie/