これから「家」を持ちたいと思う、または大人になりたい人に、読んで欲しいと思うブログです…

 あなたの「マイホーム計画」のお役に立つために…今日のお話は…「その他の集成材」のおハナシです…!

 

 

 このブログに度々登場するキーワードが「自然」「五感」です…あなたがどんな家を作っても「自然」と共存し「五感」を豊かにすることは重要です…

 

 もともと日本各地の自然崇拝が神仏の思想になり、共存することで精神性の深みも増します…「死=終わり」を受け入れる「散る」美しさなどです…

「士農工商」の階級社会だったのに、貴族や武士の趣味や嗜好の囲い込みがなく、むしろ一般庶民が利用することでその裾野も一層広がります…

 

 「四季」の移ろいそれぞれに、桜や紅葉狩りなどを楽しみ「美しさ」を見出します…それらを楽しむ積極性の豊かさ…五感の全てが動員されます…しかも鋭敏です…!

 いわば日本の美しさは「引き算」で、飾って見せる「足し算」とは根本的に違いがあります…

そんな「引き算」「わび」「サビ」を作ったと言ってもいいでしょう…! そのいずれにも「自然」を取り込んでいます…!  

 

 

 例えば周囲の景色を取り込む「借景」…風景を借りて自分の景色を作る…「足し算」のように思えますが、実はあくまでも景色を「借りる」ことで、あえて自分の庭の小ささを際立せています…「奪う」のではなく「借りる」という考えに「自然」への深い畏敬を感じませんか…

山間なのに砂や石で、あえて海の波や岩を思わせる「石庭」は仏教の理想を表します…


 周囲を海に囲まれた小さな島国日本…「花鳥風月」が代表する日本の美は、いわば今日の「ミニマル」な暮らし方にも通じます…

 自然と共存する暮らし方の素晴らしさは、あなたたち世代がそれこそ DNA レベルで持っているものです…! 「断捨離」という禅の思想が受け入れられやすいのもこのDNAのせいかもしれません…その一方で大量に消費されるモノ至上にも飽きてきたのかもしれませんね…つまりモノに囲まれても一向に精神性が深まらないことにあなたたちは気づき始めてきたのかもしれないのです…

 

 

 人間には「五感」というものがあります…モノを見る「視覚」・音を聞く「聴覚」・匂いを嗅ぐ「嗅覚」・味わう「味覚」・触る「触覚」を人間の五感と言います…その定義があのアリストテレスだというのも習ったはずです…ギリシャ人は人間こそ至高なものと考えて、この世の中のあらゆるものを数値化して「美しさ」の概念を作りあげます…情感までが「ギリシャ悲・喜劇」として表されます…この物語性にもあなたのDNAが存在在しているとしたら…!

 

 不幸にも病理的な原因で、この五感を完全に持てない人もいます…それでも人間だけが五感を持ちます…!

不完全な「カン」は他の「五感」が補っています…人間にしかできないことです…!

庭に散る同じ月の光を眺めて、それぞれ違った印象を受け取ります…このさまざまに違う感受性こそが「個性」です…

 五感こそが「人間が全宇宙の中心である」ということの証です…この感覚さえはっきりと自覚できれば、日常で体験することのすべてが、あなたが人間であることを教えてくれるはずです…!

 

 

 

 「家」はこれらの五感の集合が作ります…「勘=カン」と言ってもいいでしょう…!

例えばあなたが他人の家を訪ねたとします…畳や壁や天井高が心地よくこの部屋はいい部屋だとあなたに囁くのもこのです…でも座って過ごすうちに天井の高さが気になりだし、部屋を狭いと感じるようになり、なんとなく居心地が悪くなるかもしれません…無意識に水平の広がり感と天井の高さ感のバランスを考えるようになります…

 「見えない=可視化」できない感覚と言ってもいいでしょう…でもこの感覚があなたを「?」にさせたり「!」にもしてくれます…こんな経験を経て五感もまた鋭く豊かになり、考えるようにもなります…

 

 今の便利さを追うばかりでなく不便さも受け入れ、100%ではなく85%の満足を…その差はあなたや家族の五感が埋めてくれるはずです…はっきりと見えない何かがです…こうやって人間らしい自信に満ちた「マイホーム」を作ってください…!

 

 

 「 AI =人工頭脳」などのテクノロジーはすべて人間を助けるようにできています…ロボットは人間に仕えるように作られます…でもその前に教科書以上に分厚い取説を読んで、すみからすみまで理解しなければなりません…それで信じられますか?…頼りますか?

 

 

 人間に「五感」がある限り僕たちは「 AI 」よりも優位にいられます…!

 

 

 ところであなたはモノの「善」を見ていますか…信号化されたデジタル音と、自然が囁くアナログ音のどちらが心地いいですか、匂いを嗅ぎ分け、味を楽しんで料理を楽しめますか…目の前のモノを触って確かめていますか…「五感」の全てが正しく働く時、あなたは自分以外の存在に敬意を感じるはずです…!

 

 例えば男性諸君もたまには台所に立って、家族の食器を洗ってみてください…すすぎの段階で食器にかすかなヌメリを指先に感じます…このヌメリが洗剤の残留物だとしたら…さらにお湯か水かでも違いますが…

このかすかなヌメリを指は感じても、機械にはわかりません…それでこのまま皿洗い機に放り込みます…脳は皿洗い機に入れたのだからと、皿洗い終了の宣言と受けとります…洗剤の量も取説通りです!

でも機械も処理できなかったヌメリという残留物が食器に残り、やがては家族の体内にキケンが蓄積されます…こんなキケンを人間の「触覚」だけが見つけます…

 

 いつの頃からか、人間は知らず知らずのうちに機械に甘え、機械信奉が始まります…!

 

 主婦の手はこんなヌメリを「触覚」で見つけます…家族の食の安全のためです…このように男にわからないことを主婦は毎日の繰り返しの中で見つけています…つまり五感の中で「触って」現実を「視覚=見て」いるのです…「理解」していると言ってもいいかもしれません…

 

 暑いか寒いか、辛子かマヨネーズかという「二局的な選択の怖さ」もあります…!

どのくらい暑くて寒いのか…いくつもの段階があるのにです…家族の個人差=個体差があり…家の構造の違いもあります…この差異ではエアコンの設定温度も違うはずです…

 また供された料理を味わう前から「私的な味覚」が優先します…もっと辛くとタバスコを振り、塩を振ります…好みだからとマヨネーズを大量にかけます…料理や調理人への敬意はハナからありません…

他人への配慮は失われ、想像力が貧しくなります…どうやら「自分らしさ」の意味を曲解しているようです…個人的にはこんな彼らを招待する気も、同じテーブルを囲む気もありませんが…

 

 こうしたことが「五感」から「工夫」や「忍耐」を奪います…「自然」拒否=嫌がる体質を作ります…こんな「自分らしさ=勝手さ」が「家」に求める「快適さ」だとしたら…快適さは自然の拒否と言ってもいいでしょう…

 

 

 日本の四季は過酷です…冬は底冷えをし、夏はうだるような蒸し暑さに苦しめられます…湿気もあります…その上吹いていた風が夕方にはぱったりと止まる凪の時もあります…こんな状況が地域に独特な「家」や「家並み」「文化」を作ってきました…

 

 例えば京都の底冷えは有名です…その京都の家には中庭といっても坪庭のような小さな庭…があります…

でも夏はこの庭の冷えた空気が暖められて上昇して…新しい空気が補充され、家の中を風がそよぎます…さらに家の中の小さな自然、木々の緑や泉水の水音が「視覚的」「涼」「聴覚的」「静けさ」を感じさせてくれます…以前に夏の京都の小料理屋さんの「清水焼」の小皿に盛られた料理が、手元に「涼」の宇宙を感じさせてくれたことを思い出します…!「視覚的」な「涼」です…

 

 すだれや風鈴の音で「聴覚」は風の存在知り、気配が「涼」を感じさせます…すだれの意匠もさまざまなら、風鈴も陶器やガラスに南部鉄まで音の違いを楽しみます…江戸の小さな家に自然を呼ぶ「朝顔」「ほおずき」軒先にぶら下げる「釣り忍」など、まさに「涼」を求めた人間の五感が作ったものです…

「盆栽」の世界観も西洋文明では、小さいけれど大きな「自然」なのかも知れません…

 

 

 近年都会の様相も変わりました…ビルのコンクリートや道路の照り返しは強くなり…エアコンが排出する熱も気温を上げます…打ち水をしてもすぐ蒸発(コンクリートの潜熱です)してしまいます…撒く水を得る井戸もなくなっています…地下に浸透するというサイクルも失われます…こんなことが世界中で起こっています…地球規模の温暖化異常気象です…砂漠に雪が降り、乾燥地帯が洪水になります…

 

 地球温暖化の問題はあなたの子供たちにも残る「負」です…自分だけなら・という勝手な考えの集合体です…

 

 私たちはいつの頃からか、便利さを手に入れて自然を失ったようです…ついでに「五感」も失いそうです…いわば人間本来の活力=生き抜く力が失われつつあります…

 

 「家」を作っても100%の快適を望むのは無理です…時代の進歩は「家」の劣化を上回ります…

その間隙を埋めるのは人間の五感です…自然を感じながら通気に心がけ、体の感じる五感を大切にしてください…すぐ「便利」さに逃げるのではなくちょっとの「辛抱」を楽しんでください…「家」は逃げ込むところではなく、楽しみのためのものです…あなたと一緒にいることを望んでいます…ペットみたいです! 「消極的」な受動ではなく「積極的」な楽しみ=能動性が家族を豊かにします…

 

 

 小さな庭先や鉢植えで花を楽しむ家族を大事にしてください…そんな人たちの指先がこの地球のいのちの生誕のや季節の移ろいのを知ります…五感にも敏感な人たちです…

 

 このように「五感」はあなたたちのDNAレベルが受け渡す、連続性のものです…日本の文化と思ってください…日本人のアイデンティティーです…

それが合理化とAI(人工頭脳)の発達に阻害されて、あなたは「自然」からますます遠ざかっていませんか…人間の五感も鈍感になってゆきます…! この「勘(カン)」は信じられます…とかく「家」を作るにはカンじることです…その後で考えることです…

 

 「自然」や「五感」を大切にすることは、いつだって身の回りにあるべきことなのだと考えます…!

 

 

 あなたや設計者のこんな鈍感「マイホーム」を作っているとしたら…「家」に頼ることばかりになり、文句も増えます…家も一生懸命頑張るしかありません… 

「積極的」な考えに「消極的」な考えが頭をもたげます…その方が楽だからです…普段からマイホームをトンカチやらなかったツケがこんな時に回ってきます…

 

 あなたのこれからの「家族」と「家」に関わるリノベーターが大切になるという根拠です…

 

 もう一度あなた自身の「五感」を確かめてください…お願いします…!

 

 

 ここまで読んでくれて、ありがとうございます! 

 

 次回の旅の続きは「サイディング?」というハナシです…! 

「家」の基本は材料の本質を知ることです…「暮らし方」はそのあとにお話しします…もう少しお付き合いください・!

 

 正しい知識さえあれば、設計士にも施工現場にもニラミを効かせられます…情報を共有してください…

この情報をもとに「マイホーム計画」が成功することを願います…!

 

 Renovationには修理や修繕の他に刷新や元気回復という意味もあります…

「家」を新しい力で元気にさせる…「リノベーター」に応しい言葉ではありませんか…!