これから「家」を持ちたいと思う、または大人になりたい人に、読んで欲しいと思うブログです…
あなたの「マイホーム計画」のお役に立つために…今日のお話は…「ベニヤ」のおハナシです…!
今回も、ムダ話から…!…ガキの頃好きだった「ボクのセンセイ」みたいになってきた…! 清志郎さん 落涙…
半世紀ほど前、当時僕が夢中だったスキーはまだ木が主流で「単板」と呼ばれていました…
それに取って代わったのが「合板」スキーです…木をスライスして貼り合わせたもので原理は「ベニヤ」と同じです…
スキーに最適だと言われたのがヒッコリーという北米産の「木」です…当時はヒッコリーは高価なもので、日本では貴重品です…トニー・ザイラー(黒い稲妻、ん〜懐かしい!)のスキーブームで関連商品の売上も半端ではなく、ヒッコリーのスキーも人気でした…ケスレーやクナイスルなど、スキーにノウハウのあるのヨーロッパ物が主流です…憧れでしたが!
そんな時に「美津濃」が売り出したのがスキー板が、ヒッコリーをスキー板の上下に貼った「ヒッコリーパック」(美津野の商標)です…芯材は国産材です…先端の厚さが数ミリというスキー板は過酷な条件下(低温で高速で運動性や復元性)でも機能することが求められます…ヒッコリーは今は主に燻製用に売られています…
つまりヒッコリーにサンドイッチされたベニヤ=スキー板が登場したわけです…もちろん売れました…
この頃も「接着剤」は身近でした…しかしこのスキーは「単板」の性能に限りなく近づけようとして、より高性能な「木」を目指した「合板=ベニヤ」です…! でもこれが身近でどこにでもある「木」の固有の「性能=能力」と「個性」のスゴさを知ることになりました…
この時代を境にスキー板は、均質に量産ができるガラス繊維やウレタン系の化学製品に変わります…
一方でアメリカのヘッドの金属製も出回ってきます…エッヂも一本通しの金属製のものを接着されて、「接着」が新しい分野を作ります…このように異種材を組み合わせて新しい強度や剛性を手に入れます…
そのいずれにも顔を出したのが「接着剤」です…モノとモノをくっ付けてきた接着剤の発展は古代の漆喰(しっくい)以来、あるいは人間が望んできたものかもしれませんね…!
「接着剤」の不思議はこんなところにもあったというだけの、ムダ話ですが…赤色でメダルのケスレーや、緑色の滑走面のクナイスルなんてムカシの憧れを思い出すのも、ムダ話好きの特権ですので…ご勘弁を!
でも、単板でも合板でも折れたスキーは町のあちこちにあった板金屋さんが器用に継いでくれました…それもブリキと釘だけで!…明らかに職人技です…あの頃は職人の技が暮らしのそばにありました…!
ところで「ベニヤ」ですが、丸太を大根の桂剥きのように薄く剥き、強度を出すために木の繊維を直行させて「接着剤=ノリ」で貼り合わせます…この段階でノリがすでに使われています…工場によっては大きなプールに丸太を浮かべて柔らかくして、桂むきします…「木」が水=湿気に弱いということです…!
このプール、ガキの頃の町外れの工場は温水で匂いは独特でした…だって丸太を煮るんですよ、どうやって食べる ⁉︎
この層のことを僕たちは「Ply=プライ」と呼んで、5層なら「5プライ」などと言い、スキーの強さに関係があると思っていたんですが、実際は樹種の組み合わせが大事だったんですね…
「ベニア板」の表面には「F」☆ マークがスタンプされています…その「ノリ」に含まれているホルマリンの放散量を表しています…つまり接着ノリのホルマリン放散程度を可視化したものです…!
F ☆が最低値で、F ☆☆☆☆ が最高値です…この表示を JAS =日本農林規格 は義務付けしています…
とは言っても最近は経済性で海外からの輸入品が大半です…このスタンプの判断を鵜呑みにするしかありません…
合板のスタンプ表示です…「F ☆」が…素人目にわかりやすく並んでいます…ちなみにイラストの ☆ 4 が最高値です…
左が「類」で右が「等級」です…
「厚さ」の表示はコンマ以下1桁まで表示します…例えば4,5ミリなどの板も使うからです…
中央の「JAS」が「日本農林規格」のお墨付きだということです!
施工現場では「ホシいくつ」とか、気取って「フォースター(四つ星)」とか言います…!
おさらいをすると、 ☆の数が多いほど(最高は ☆ 4 です)健康に良いという意味です…!
さらに「 特類、 I 類、II 類、III 類 」というのは「接着剤=ノリ」の成分を表示します…ギリシャ数字で表示されます…それぞれにフェノール系やメラミン系など、どこか遠くで聞いたことがあるという程度のもので、
なにせバケガク=化学です…理解するのも覚えるのも大変です…だから…マエ向きに忘れてイイです…!
むしろ覚えて欲しいのは、最上位の「特」から数字が下がるほど湿気や水に弱くなる、ということです… 「 II類 」 は主に内装材など、普段からあなたの身体の触れるところに使われています…!
つまり「構造用合板」と「内装用合板」に分類されます…くれぐれも現場では使い分けに注視してください!
また「ベニヤ」の耐水性は「 T 」で表します…
「 T 1 」 は耐水性の高い耐水合板=耐水ベニヤで、「T 2 」 はその反対で耐水性がなく、「家」なら洗面所や浴室などの水や湿気のあるところでは使えません…これも現場の使い分けに注視してください!
「ベニヤ」は強度=剛性をどうやって与えるかが問題です…
一番強いのが「構造合板」で、家の構造部分に使われます…基本的に家の芯になる大事な部材なので水や湿気を嫌います…構造的な強度と耐水性が高いのが特徴です…
「家」の外側や内壁の強度保持に使います…2×4建築で多用されていますね…!
これは「構造用合板」のスタンプです…イラストが下手ですが(ご愛嬌!)…
左が「類」で、ここでは「特類」を、右がこの合板の厚さ12ミリを表示します…一番下が等級です…
「構造合板」は断裂に強い針葉樹などが多用されます…サイズは2種類です…
よく使用されるのは…ヨコが910ミリ、タテが1820ミリ=三尺×六尺…もう一つがヨコが1200ミリ、タテが2400ミリ=四尺×八尺…です…現場では尺貫法で…それぞれ「サブロク」「シハチ」と呼んでいます…!
厚さはよく使われる 9ミリ、12ミリ、15ミリ、18ミリ、21ミリなどがありますが、やはり接着剤と工法の進歩で、3ミリなどの薄いものまであります…基本的な層の厚さは同じで、完成ベニヤの厚さで層が増減します…この数字から、3ミリ単位の増減だというのがわかりますか…? 30ミリ=3センチが約1寸です…
つまり「3」あるいはその「倍数」が「家」のモジュールというわけです…
なお施工現場では材木はじめ寸法はミリ単位(センチではない)で呼ばれるのが通例です…この方が材木の長さや図面を正確に表現できるからです…この呼び方が当たり前に口から出るのが本職と素人の差です…
ついでにタテがヨコの二倍になっているのもわかりますか…?
針葉樹の他に使用されるのが熱帯雨林などの「ラワン材」です…全体が赤みがかっています…強度や耐水性に劣るために構造用には使いません…
「コンパネ」とは「コンクリート・パネル」の略ではありません…!
名前から誤解をしている人がいますが、Composit=複合・合成されたパネル、コンポジットパネルの略が「コンパネ」です…決してコンクリートのように強いと考えてはいけません…
サイズもヨコは900ミリでタテは1200ミリしかありません…「家」の部材と寸法的な取り合いが違ってきます…注意してください!
ホームセンターなどで安価で強そうだからと買う人がいますが要注意です…「木」は適所に使われてこそその役目を果たします…木の性質を理解してください…!
はたして、流入する安価なベニヤの「☆」の判断が正しいのかどうか?
あなた自身が判断する方法のないのが現状です…製造現場まで日本の役所の管理の目は届きません…
最近はハウスメーカーの手抜き工事やら、あなたの「生活」感への配慮の欠如も横行します…
マメ=面倒をものともしない、施工現場と図面の点検は大事です…その情熱が良い「マイホーム」を造り、持続させます…! ましてあなたに出来ることは?
あなたとご家族に寄り添う良いリノベーターが現れることを願います…
これからの時代、若い諸君の素晴らしさを期待しています…!
ここまで読んでくれて、ありがとうございます!
次回の旅の続きは「その他の集成材は?」というオハナシです…!
「家」の基本は材料の本質を知ることです…「暮らし方」はそのあとにお話しします…もう少しお付き合いください・!
正しい知識さえあれば、設計士にも施工現場にもニラミを効かせられます…情報を共有してください…
この情報をもとに「マイホーム計画」が成功することを願います…!
以下は再掲です…誰かの目に留まることを願って…しつこく載せます!…ご勘弁です…
ところで、この業界では建てる人を「お施主さん(おせしゅさん)」と呼びます…
イミも含めてもともとは仏教用語です…僕のブログではあえてこの表現は使いません…今までもこれからもです…!
同時に今までの「リフォーム」は英語のフォームを変えることを意味します…スポーツのフォーム(形)とか、書式のことです…「Renovation(リノベーション)」が正しい言葉です…教育の英語化が叫ばれているのに変な使い方がまかり通っているのもこの業界です…
Renovationには修理や修繕の他に刷新や元気回復という意味もあります…
「家」を新しい力で元気にさせる…「リノベーター」に応しい言葉ではありませんか…!