これから「家」を持ちたいと思う、または大人になりたい人に、読んで欲しいと思うブログです…

 あなたの「マイホーム計画」のお役に立つために…今日のお話は…「木または樹」のスゴさです…!

 

 「木・樹」がすごいのは、例えば2階の高さ、そんなに高くなくても、踏み台くらいの高さ…に立ってそこから地面のコップの水をストローなんかの細い管で思いっきり吸い上げてみてください…

 どうですか、吸い上げられましたか?…多分ほっぺたが痛くなって、吸い上げることはできないでしょうね…実は「木」は成長に必要な「水」をこうやって地中から吸い上げています…

しかも水と言っても土の湿り気程度のものを集めるんですよ…!

 

「木」は春になると「水」を吸い上げて「幹」を太らせ、枝先のたくさんの「葉」っぱのフレディ君たちを繁らせて「成長」します…いわば「木」「呼吸」です!

この水を吸い上げるのが、詳しく言うと地中のわずかな水滴を集める「根」の先の「毛根」です…

その集まった「水」を根が集めて「幹」を登り各枝先の「葉」に送ります…

 

 「葉」「太陽光」に促されて「葉」から水を「蒸発」させます…これが「光合成」です…

僕たちに不要になった「二酸化炭素」を取り込んで大事な「酸素」へ変えます…つまり大事な「酸素」「木の呼吸」が作っています…

 

 人間だけでなくすべての生きとし生けるものに最も大事な「酸素」が作られるこのメカニズムにまず驚きます…これが僕たち地球のすべての生命の根源だとすれば…この地球は特別な星なのです…

 

 水を吸い上げるのは導管です…正確には針葉樹が導管で、広葉樹は仮導管とそれぞれ使い分けます…以前、春先の水揚げが盛んな時に間伐材を切り出したことがあります…杉の丸太でしたが、皮の間に竹の専用ヘラを入れると面白いように樹皮がめくれます…その時に水はしぶきになって飛び、作業はびしょ濡れになりました…改めてこんなに水を吸い上げているのかとびっくりしたのものです…!

 

 これは蒸発で失った水を補充するために必然的に根が土の中の水を吸い上げている、いわばポンプが働いていることになります…だから土の中を水を探してあちこちに根を張ります…

 

 僕たちの体を考えてみてください…

身体中に血液を送るのは心臓ですが、この心臓は送り出すことは出来ても吸い上げることができません…当然ですが心臓から下の血液はその重みで体の下に溜まります…それを心臓へ押し上げる装置がふくらはぎです…ここがちょうど第2のポンプのように働いて血液を押し上げます…これで身体中を血液がめぐるのです…毛細管のような細い血管までです…自分の身体の精巧さに感動します!

 

 このふくらはぎに相当するのが根と言ってもいいでしょう…

特にクヌギなどの幹に春先に抱きついて耳をつけてみてください…水が送られている音が聞けます…ドクターのような聴診器があればもっと聞けるでしょう…子供時代に体験しておきたいことの一つです…

 

 木の成長は一年のサイクル、寒暖に合わせます…野山が凍結して水の少ない冬には落葉して蒸発を防ぎ眠ります…そして春、水が多くなった季節には眠りから覚めて水揚げが活発になり成長します…この活動の印が年輪というわけです…

 

 また「木=樹木」には大別して、葉っぱが尖った「針葉樹」(ヒノキ、落葉松、杉など)と、葉っぱ全体が広い「広葉樹」(ブナ、樫、カエデなど)に分けられます…これらの木の種類の違いは根の形も違います…一般に針葉樹の苗はまっすぐで、広葉樹はくねくねと曲がっています…実はこの根の形の違いが広葉樹では木や土を抱くように伸びて山崩れを防ぎます…針葉樹の根はこんな作業をしません…

 

 災害のTVを見ることがあります…山崩れでは杉の林がそれこそ根こそぎに崩れてゆくのを見ます…

あるいは山では張り出した岩石が根に抱かれて崩れないのを見かけます…根が地中のあちこちに張り巡らされてこの地盤を守ってるからです…「木・樹」が命を終える時に根も死に、同時に山=土も死にます… 地表に見えるたった一本の木を倒すことは、虫や鳥や土の多くの命を奪うことなのです…

「木」そのものが多くの生命の集まりだということがわかるでしょうか…!

 

 根は木の成長に合わせて地中深くのあちこちで水を探しながら成長します…「根を張る」というこは生命のすべてを受け入れることです…

 

「光合成」…「木」には生存に不可欠な要素があります…

 

 例えば「木」のポンプ装置は、あなたのお部屋の空調にも似ています…エアコンや換気扇で吸い出された空気がプラマイゼロ(外と内の気圧の差)ならいいのですが、締め切った部屋でエアコンや換気扇が勝ってしまえば必然的にどこかから吸入しようとします…ドアや窓の隙間、挙句はコンセントの穴からも吸い上げます…それも壁裏の汚い空気です…そんなところは黒い=汚れのスジが付いているはずです!

エアコンや換気扇の取り付け方も重要だということです…

 

 

 木は…成長に必要なだけの水を得て、余った水は地中に放出されたままです…その水が一滴また一滴と流れ落ちて沢になり、やがて大きなになります…涸れることのない川の流れの物語の始まりです…

 

 よく登山の途中で「涵養林かんようりんという看板に出くわします…こんな山奥に!と驚きますが…

これが水を貯めるための林です…木を切って山が荒れれば、土だけでなく水も失われます…

 

 当然ですが、木は根に近いところが太く先に行くに従って細くなっています…これは木の強度にも影響します…下の方が強度的に強くなりますが、同時に導管も水を吸い上げやすくなっています…

このことは木が伐り出されて製材されて一本の柱になっても変わりません…つまり「木」は生きています…

 

 このため材木屋の店頭では天地を逆さまに立てます…湿気の多い地面から根の方を遠ざけるためです…この状態で木の出所や等級、材木商の屋号などがステンシルされます…この柱は施行現場でまた逆さまに立てられて文字も逆さまになります…こうやって柱は本来の木の強さに戻ります…この根=下の方が「元口=もとくち」で、反対側の木の上の方が「末口=すえくち」です…職人さんはこれを読んで建築に使うわけです…

 

 

 よく言われますが、山の南の木は南に使い、北の木は北に使うというのもこのためです…それぞれの日照=成長が違うからです…最近はこんな利用の仕方もないようですが…

 

 私たち人間が五感を持った自然界の生き物であるように、木もまた自然そのものの生命体です… 

私たちだけではなく、子や孫たちの世代まで木や森と共存する意味の大切さがここにあります…

木を大切にすることは私たちの生命の未来を守ります…

 

 マイホームに必要なだけの木を使い、取った分は植林していく…木の家に住むことはこんな木の物語の上に成り立ちます…その物語を語り繋ぐのは家族の物語を語り継ぐことと同じです…

 

 あなたの「マイホーム」が、木造以外のRCや鋼製であっても「木」の大事さは変わりありません…

 

 

 ここまで読んでくれて、ありがとうございます! 

 

 次は木の「強さ」の話です…! 気の強さのハナシではありまセン…

長々とクドイ話ですが、それだけ「木」を知ってもらいたいからです… 

 

 これがきっかけで「正しいリノベーター」が育つことを願います!…「家」を理解した若い世代が増えることも…!です…

 

 正しい知識さえあれば、設計士にも施工現場にもニラミを効かせられます…情報を共有してください…

もちろんあなたの「マイホーム計画」が成功することを願います…!