これから「家」を持ちたいと思う、または大人になりたい人に、読んで欲しいと思うブログです…

 あなたの「マイホーム計画」のお役に立つために…今日のお話は…「家」の屋根形状のアレコレです…!

 

 

 「在来」とは、以前のブログに書きましたが、正確には「在来型軸組建築工法」のことです…

普段見かける日本式の建築方法です…マッチ棒みたいだというのは、建てた柱の連なりが似ているので、僕が勝手に名付けたものです…正確な名前とは何の関係もありません…悪しからず!

 以下当ブログでは「在来」と書きます…

 

 この「在来」では、屋根の形が家の形状の表現に使われます…

が、これは「在来」だけではなく、通称ツーバイフォー…以下このブログでは「2×4」と書きますが…

その「2×4」建築もこの屋根の形状で呼ばれますから、覚えておきましょう

 

 まずはじめに覚えて欲しいのが、単純な家の形です…

図 1…「切妻(きりづま)」

 

 図1がそうです…                                      

この図で「妻=つま」側と「平=ひら」側を表します…

この「妻」側をスパッとを切り落としたのが「切妻」で、この側の入り口が「妻入り」です…

横の面は「平」側といい、この側から入るのが「平入り」です…

これがよく耳にする「切妻」ここに乗る屋根を「切妻屋根」あるいは単に「妻屋根」と呼びます…

 

 この単純な屋根は、妻側から通風=換気を呼び込めます…

また形が簡単なので、工法や材料費、メンテナンスも経済的にできます…

 

 

図2…「寄棟(よせむね)」

 図2は「寄棟」です…

切妻側に屋根が合体したようなのが「寄棟」です…この屋根の特徴は「家」の四面が「平」になり、どこにでも出入口が作れます…欠点は屋根の下の小屋裏の通風=換気が閉ざされることです…

 このためどうしても小屋裏の気温変動が大きく、夏暑くて冬は寒くなります…

 

 

 

図3…「入母屋(いりもや)」

 図3は「入母屋」です…

この寄棟屋根が、妻側の屋根の高さの途中から張り出されているのが「入母屋造り」です…

全体は切妻に別の棟が合体したように見えることからこの名があります…当然この屋根の上部には切妻の上部が見えることになります…

 この屋根の特徴は切妻の上部を使って通風=換気は行えますが、下部屋根の通風は難しくなります…

また四隅の小屋裏の構造がどうしても複雑になります…

 

 母屋=もやというのは、それ自体が単体の棟を指し、それが切妻に食い込んだように見えますが、平側に大きく食い込んだ城郭や神社仏閣、かつての銭湯の玄関などを備えたものも入母屋作りと言います…

 

 日本の多くの家は以上三つの屋根形状に大別できます…いわば代表格です!

 

 

図4…「方形(ほうぎょう)」

 図4は「方形」です…

屋根の四辺の長さが同じで、上から見ると正方形の形になるので「方形=ほうぎょう」と言います…

つまり屋根のてっぺんは棟という線ではなく、点に集約されます…これも切妻に同じく単純な形ですが、通風が確保できません…

 

 

図5…「越屋根(こしやね)」

 図 5「越屋根」です…

見る通り屋根のてっぺんにもうひとつ小さな屋根を持ちます…これが小屋裏に直結していればかなり通風=換気が確保できます…でも大抵は上階の明かり取りや天井高の確保に使われます…また上階部分の屋根形状がこれなら両方を確保できることになります…

 

 

図6…「陸屋根(りく又はろくやね)」

 図6は「陸屋根」です…

現場では「陸」ではなく「ろく屋根」とも言っています…

文字通り、真っ平らな屋根です…ビル型の家で多く見られます…妻屋根ではないので建物全体に屋根の圧迫感がありません…屋根材の重量を気にすることもありません…

欠点は雨水と音の処理です…降った雨を速やかに流す樋が必要です…また全体が平らなので降雨どきの音も気になります…家のてっぺんの周りはパラペットなどを設けるので全体の見栄えは近代的です…

 

 

図7…「片流れ(かたながれ)」

 図7は「片流れ」です…

大きな屋根が一方だけに流れます…横から見ると大きな三角形に見えます…雨水は一つの屋根で受けます…家の設置の方位にもよりますが、この大きな屋根を利用して太陽光の発電パネルの設置も可能です…

 

 

 この他にも…

外国の納屋のように、切妻屋根の途中が二段に急角度に折れる「ギャンブレル」…

反対に緩い角度に折れる、「マンサード」

半円形に見える、その名も「かまぼこ」…などがあります…

それぞれに「北側斜線」などの問題をクリアするのにも使われます…

 

 複雑な敷地の形状や、隣り合う近隣との法的問題など、家を取り巻く社会環境は厳しくなっています…当然ですがあなたの「マイホーム」はこれらの諸問題がデザインを左右します…

それでも最近の材料、特に鉄鋼屋根材の発達や工法の進歩は様々な屋根形状のデザインを可能にしています…あなたがどんな屋根を望んでも実現してくれると考えてもいいでしょう…

 

 

 これら在来型の屋根の呼び方は2×4(洋風)にも通用して使われます…‼︎

 

 

 ここまで読んでくれて、ありがとうございます! 

 

 今回から「家」のあれこれ、特に「まぁ、や〜ね!」という「屋根」の話です…!

屋根は普段は見えませんが、「や〜ね!」は大事です…あなたの「家=家族」を守るところだからです…!

かなりクドイ話になりますが、お付き合いください…

 

 正しい知識さえあれば、設計士にも施工現場にもニラミを効かせられます…

もちろん「正しいリノベーター」が育つことを願います!…彼らに頼る若い世代の「家」が増えることも…!