こんにちは

 

 三寒四温、日々春めいているこの時季…

桜狂奏曲も始まっています…

「ほんにお前は 吉野の桜 香りよけれど き(樹=気)も多し」…吉野は昔から桜の名所

 

 西洋占星術はその春の始まりで「魚座」が一巡して終わります…


 2月19日〜3月20日生まれは「魚座」の人です…英名は Pisces で、二匹の魚が描かれています…他の星座は単体(双子座は二人ですが、双子を一人と見る人はいないですから、これは単体)が多いのですが、この星座は複数で描かれます…

 

 

 ただしこの星座には明るい星はなく、全体に暗い印象なのでどんな経緯で発見されたのかわかりませんが…あるいは古代バビロニアの時代には今より明るかったのかもしれません…何しろ星も年取って明るさも位置も変わりますから…

 

夢見がちなロマンチスト…これが「魚座」の本質です!

 

 「魚座」を考えた古代バビロニアの伝承では…

二匹の魚はそれぞれチグリス川とユーフラティス川を表し、これから流れ出た水が肥沃なこの土地を作ったそうです…チグリス・ユーフラティスは古代文明の発祥の地として今もその名が上がります…二つの川の流れは不可欠で、そこに人類の文明が興ったということです…

 

 そんな文明が生まれた大地…そこの農耕に欠かせない水…

暗い冬が終わり、生命が一斉に芽吹く明るい春の始まりです…水を大切に考えた古代バビロニア人たちが考えたのが、二匹の魚の並ぶ「魚座」なのかもしれません…

この星座には春を告げる「春分点」があるのもイミがあることなのでしょう…

 

 時代は下がり、ギリシャ神話ではあの美の女神のアフロデティとエロスが川べりで突然怪物に襲われます…その時に助けたのが二匹の魚です…この魚が天に上がって「魚座」になったと言います…

 

「魚座」だからというわけではないのですが…

 

 でも個人的には古代バビロニア人の話を信じたいです…

先月の「水瓶座」Aquarius から流れた「水」が「魚座」を潤し、それが春の芽生えになる…こうして一年は巡る…つまりは水が語る「命の再生」の物語です…「魚座」が大事だと思えることです…農耕の民が農作物に見つけた天の理(ことわり)だったのかもしれません…!

 

 東洋の占いは人生に年を重ねます…ぐるっと一回りは12年で、12回の干支(えと)ごとに動物があてがわれています…

ちなみに今年はこれも最後の干支で「イノシシ」です…

 

 

 この「魚座」の人はこんな物語を体現しているようです…

つまり、あんまりぱっと見が良くないので普段は目立ちません…真面目で、恥ずかしがり屋さんです…みんなを引っ張るリーダー型ではなく、引っ張られる方です…でもこの人がいれば実務が進みます…いなくては妙に困ります…

 

リードを持って待っている従順さが「魚座」のワンコ…!

 

 でも感情が優先して勘も感受性も強いので時にヒステリックになります…霊感に強いのもこの星座の特徴です…だから隠し事やウソが通用しませんのでご用心です…

 

 自分の考えが正しいと思ったら曲げません…それに垢抜けない印象ですが、センスが良くなると意外に美人でハッとします…それも恋する人がいるほど、輝きます…

 

 こんなところのすべてが「水」に似ていませんか?

いなくては困り、影の立役者で、いつの間にか全体が潤って回っている…

「魚座」にはそんな「水」のような変容の自在さがあるのかもしれません…

 

 

 そう考えると、西洋星座12宮は妙に人間の本質を突いているようです…

水清ければ魚住まず、とか…清濁併せ呑むとは東洋の言い伝えです…かつてのギリシャ人たちはその「悲喜劇」で人間を喝破します…あるいは数学的に哲学的に解いてみせます…

星座の物語もその一環だとすれば…改めて人間のすべてを受け入れたいものです…

 

どんなところでも大胆に振る舞うのが「しし座」なら、「魚座」はあくまでも密やかです…やってることは同じなんですが!


 

 そして季節はめぐり、来月はまた新しく「牡羊座」から始まります…

人間はいくつもの失敗から、より良いものを見つけます…イチローは、三千のヒットには六千の悔しさがあると言います…僕たちも失敗しながら次の新しい星座に向かいます…!

 

 

 ね、ご同輩!

 人生なんて悔しいため息ばかり…だから面白い!