これから「家」を持ちたいと思う、または大人になりたい人に、読んで欲しいと思うブログです…

 あなたの「マイホーム計画」のお役に立つために…今日のお話は…近代建築の四大巨匠のひとり…

 

 

 今では「デザイン」という世界の先駆けになったのがドイツのデッサウ…初めはワイマールにあった「バウハウス」です…その学校の創設者で初代の校長が、ワルター・グロピウスです…

後年彼はナチスを逃れてアメリカに亡命します…デザイナーを目指したものなら誰もが知っている、彼と学校の名前です…

 

 建築の歴史上でその提唱の意味や作品から、一般に三大巨匠と称されているのが前掲に出ている三人ですが、グロピウスも加えて四大巨匠とも言います…ともに建築のモダニズムを築きます…

 

 どちらかというと前掲の三人に比べて、特に後年アメリカに移ってからは際立った作品に恵まれていませんが、建築の教育に大きな足跡を残しています…昔は「パンナムビル」今は名前も変わっていますが、例のテロ事件以前、ツインタワービル(M・ヤマサキ)と並んでNY近代ビル群の中で、最も特徴的なデザインも彼の作品です…

彼の論理=提唱のArt = アート 的な表現は近代建築の一つの形と言えるかもしれません…個人的にもバウハウスのグロピウスが外せないので…!

 

 ドイツ人らしく(ミースもそうでした)無駄肉をそぎ落とすように対象に肉薄して、その本質を探ります…もともと彼が作ったバウハウスですが、その座を退いた後にはカンデンスキーやミースを後任に推挙もしています…ともに「モダニズム」を進めます…

 

 「造形は機能に従うものであり、それが国を超えて世界的に統一された様式をもたらす」

インターナショナル主義は彼の提唱です…1925年、今から95年も前です…

 

 これは前掲のミースの建築論にも通じるものです…

 

 彼の学校はデザインの世界を牽引します…当時はまだ絵画的で、日本でもデザインというと商業美術と言われました…彼のバウハウスは例えば絵画に関してはカンディンスキーやモンドリアンなどの前衛画家など…クリムトが主宰した「ウイーン分離派」の流れを汲みます…もともと保守的なウイーン派から分離したこの一派は、W・モリスの提唱する「アーツ・アンド・クラフト」に似ていますが絵画だけでなく、形のあるものすべてとそれを生み出した職人の手業までを包括したもので、当然建築も含まれます…

 

 グロピウスはこれらを積極的に受け入れて評価します…

彼はドイツ在住中にいくつもの建築を作ります…中でもガラスがほぼ建物の全面を覆う「ファグスの靴工場」1911年は有名で、ここにもミースを先駆けた鉄とガラスの近代建築を見ることができます…

「ワイマールのバウハウスの校長室」バウハウスははじめワイマールに作られ、後にデッサウに移ります

そこの校長室の絵画的な表現も、ある意味モダニズム建築の代表になります…

そのデッサウの「バウハウス校舎」が事実上彼をモダニズム建築の代表にします…!

 

 

 私たちの「マイホーム計画」を考えるとき、彼の建築を俯瞰すると建築の表面に色彩画面として取り入れられていることに気がつきます…モンドリアン的色彩のコンポジションが建物の縦と横の軸に分けられ、居住区の壁にも塗られています…

 

 ここでは BAUHAUS (ドイツ語)の文字さえも建物の飾りとなります…しかもタテ書き…ちなみにNYにあるF・ライトの「グッゲンハイム美術館」の正面に館の名前が大きく入っているのにびっくりしました…書体は縦長のオルタネートゴシック、当時もてはやされた書体です…最近言われる Alternaitive オルタネイティブとは、人間と自然の共生型の社会を目指す生活様式とあります…

 

 

 色彩は建築と不可分な関係です…残念ながら日本の文化には寺社の五行の色彩以外派手な色使いはありません…武家社会の影響が強い社会は、むしろ色数を制限することで権力が庶民を統制します…

その一つには「家」が「木」や「漆喰」を主体にして無彩色だったこと、「わびさび」を良しとする世界観が挙げられます…一方で派手な色彩は、芝居小屋、かぶき者や色街をつくります…反権力です

 

 この色彩感覚のいわば喪失感を引きずるように、未だに色彩を自在に操れる大人がいません…

その反動のように、欧米のインテリアを目指して家に色彩を求めて、最近は壁紙や塗料に目を向ける人がいます…

 

 彼の建築したベルリンの「高層住宅」1926年 では戸建ての界壁に色を使っています…

さらには外部に大きく突き出した壁は装飾的な印象で絵画的にしています…

人間の自由さを共存させる彼の建築の特徴と言えます…!

 

 もちろんコルビジェにも色彩を生かした建築がありますが、いかにもフランス的な瀟酒な色使いです…

例えば同じ「青=ブルー」でも「フレンチブルー」は独特の「ブルー」です…他の色さえもフランスは違うようです…

 

 

 クルマでも日用品でも、はては子供の玩具までも今やデザインはドイツが主導的です…

産業革命以降、世界の技術を自国の文化のように独占した西欧諸国の中で、どんなものでも世界から学んだ、ある意味貪欲なデザイン感がドイツの独特なデザインを生んでいます…「Universal Design !」

 

 

 同時にその学びから得た「 International = 国際 」感覚が世界への視野を広げます…

この感性は大事です!…より開かれた「家=家族」を創るためにもあなたの「マイホーム計画」が大事にすべきことと言っていいでしょう…

 その中心に「ワルター・グロピウス=バウハウス校」以来の伝統があるのなら…「勤勉さ」「合理性」以外に私たちが学ばなければならないことなのでしょう…!

 

 

 

 まとめです!

近代建築の四人の巨匠たちが「建築」に込めた思いはさまざまです…

ここでは彼らの「家」に関する事柄の、「イイトコ摂り」をしてください…!

キーワードは「自然」との共存です…自然の持つ広義な「循環性」を生かすことが、エコに通じます…

 

「マイホーム」を持つとは、同時にあなたの「生き方=家族」も創ることだとわかるはずです…

「家」はそれを表現するカタチです…!

 

 そしてこの国の民家=文化にも、思いを馳せてください…自然と向き合って取り込み共存する、そんな日本的でプリミティブ premitive なことを再発見して下さい…!

 

 「家」を「造る=創る」ことは、先人たちの知恵の中にあります…私たちはそこから学ぶべきです…

職人たちから学ぶ、アーツアンドクラフトの精神の理解こそ正しいリノベーターを育てます…!

そしてこれがあなたの「マイホーム計画」に「個性」と「家族の満足」を与えるはずです…

 

 

 

 ここまで読んでくれて、ありがとうございます! 

 4大建築家の考える「建築=家」と「生き方」を考えてみました…でも考えるのはあなたです…!

 次回からは「家」のあれこれです…「家」の正しい知識さえあれば、設計士にも施工現場にもニラミを効かせられます…!

 

 もちろん「正しいリノベーター」が育つことを願います!…彼らに頼る若い世代の「家」が増えることも…