あなたの「マイホーム計画」のお役に立つために…今日のお話は…

 

 洋風建築とは「北米型木材組み壁工法」…簡単に「ツーバイフォー建築」と言う方があなたにも馴染みがありそうですね…

 

 「北米型」とは主に北アメリカで「木材」に北アメリカ産の材木を使用し、それで「壁」を主体に作るという意味です…その木材が「ツーバイフォー」2×4と呼ばれます…あえて北米型と表現するのは、この建築方法が北米で発達したからです…他のスペインやドイツ、イギリスや南フランスなどを真似た建築も日本では洋風と言いますが、素材やモジュールが違います…これについては後述します!

 

 日本では「尺貫法」がメジャーリング=採寸の基本でしたが、「ヤードポンド法」を使用しているアメリカでは1インチ=2,5センチが基本になります…12進法のアメリカでは1インチの12倍が1フイートで、これは30,5センチで、日本の「一尺」に相当します…英語圏のほとんどの国は「ヤードポンド法」を使用しています…昔のレコードではLP盤の25センチを「と=10インチ」一番大きな30センチ盤は「12インチ盤」と呼んでいました…ゴルフでは今も「なんヤード」なんて言っていますが…

 

 その基本になる材木の断面が2インチ×4インチなので「ツーバイフォー」と呼ばれます…

でも製材された材木の正確な断面は38センチ×88センチで、強制的な乾燥処理を経て材木は収縮してこの寸法になります…これが基本材のメジャーになります…

 

 使用する木は生育の早いタモやツガです…この材は38センチ(2インチ)は変わらず、以下6インチ、8、10、12まであります…ツーバイシックスなどと呼びます…つまり材木の基本モジュールが決まっています…このモジュール化でどこの製材所も決まったサイズの材木を搬出でき、どこでも規格の同じ「家」が建ちます…アメリカの合理性が産んだ建築モジュールと言えます…

 

 実はこのサイズの単純化が、日本の材木のサイズと木質の多種多様性と大きく違います…「在来」では使う場所ごとの呼び名もサイズも違います…

 

 先回アメリカの民族の多様性を書きましたが、急速に増える西部や内陸部へと向かう多民族移動の住宅は、鉄道や道路のインフラ開発と並んで、大陸開発に連動する大きな問題でした…そんな広大な土地に家の規格化とスピードを求めた問題の答えがこれです…「ツーバイフォー住宅」は急速に広まります…工法も確立されます…その合理性が日本にも伝わったというわけです…

 

 もちろん洋風に憧れる日本人の心をつかんだとも言えます…例えば比較的大きな部屋割りが可能です…憧れの家具を置くことも可能です…

とは言っても「住まい方=暮らし方」が違う日本では部屋の大きさなどあちこちを手直しする必要があります…例えば日本では家に上がるには靴を脱ぎます…ドアの開き方も違います…部屋割りももっと細かくします…こうして結局はとても日本的なサイズの家をツーバイフォーで作ることになります…その出来上がりが「洋風」に見えるということです…


 ツーバイフォーの大きく違う特徴のひとつが「壁」です…それは壁の全面に凹凸のない「大壁」(おお壁)です…その表面は壁紙で一様に覆われます…柱や鴨居が見える在来の「真壁」(しん壁)と違います…

 

 その建築方法は、はじめに基礎を作りますがここは在来と同じです…そこにまず「床」を作りますが、ここから在来と違います…その「床」に「壁」の実寸図を描きそれに従ってまず壁を作ります…次にこの「壁」を立てて床に固定…こうやって上の階の床を作り、同様にして壁や屋根を作って行きます…

 

 

 つまりツーバイフォーでは壁をはじめに作るわけです…「〜壁工法」の意味です…「軸組」とは全く違います…この作りが広い間取りを可能にします…現場の図面にはどこにどのサイズの木材をどのように使い、釘の長さや打ち方の方法などがびっしりと書き込まれています…この図を基に現場作業が進められます…この図面の指示や施工の精度が「家」の構造上の強度に関わってくる大事なものです…

 

 ちなみに、ツーバイフォーに使用する釘は本来の釘よりも太い「太め釘」を使用します…太め釘の各長さは色分けされ一目でわかります…また、太め釘の打ち方や間隔も図示されています…

 

 日本の大工がツーバイフォーを見て釘でできているというのを聞いたことがあります…先輩の技を盗んで身につけろと教える日本の大工仕事、かたや誰にでも出来て教えられるシンプルさ…これもアメリカの合理性であり、この建築独特の手法です…

 

 またこの建築でできた家は商品化することも容易で、住宅ローンなどが出来たことで発達します…

「家」を持つことの可能性がより身近になり大きくなったということです…!

 

 日本に上陸した2×4建築はその合理性と施工スピードで、若い世代の支持を得てまたたく間に日本中に広がります…もはや日本的な「家」と言ってもいいでしょう…特に女性の家作りへの積極的な参加を促したということでも大きな意味があります…

 

 2×4は彼女たちの参加意識で建築の常識を変えてゆきます…彼女たちは間取りや動線の主役になっただけでなく、日照や子供の教育環境など、より広角な視野を持っています…さらにより身近になったホームセンターの家具やインテリア小物などを飾ったりすることで彼女たちは「家」を作ります…

 

 その陰で失われてゆく日本の「家の文化」もあります…これまで家に付随してきた父家長制度、世代交代はともかく…行事や料理方法、礼式などは消えて新しい価値観が生まれつつあります…それでもあなたは家から学ぶべきですです…

 

 「新しき酒を新しき革袋に」とは言っても「温故知新」(古きをたずねて新しきを知る)という言葉もあります…世界がますます身近になりグローバリズムを叫べば叫ぶほど、個人のアイデンテティーが大事です…あなたの「マイホーム計画」とは、とりもなおさず「家=文化」を学ぶことです…

暮らし方が大事になる所以です…

 

 「暮らし方」を知るのにお金はかかりません…でも「家」を持つことはお金がかかることです…その両方を考え、それに未来という「時間軸」を加えることは、あなたの人生を考えることにもなります…

 

 あなたの「マイホーム計画」はまだ発進したばかり…時間も人生の若さもあります…それに情熱も!

 

 

 ここまで読んでくれてありがとう!あなたのダンボの耳に届いたでしょうか…?

 次は「暮らし方」についてお話します…