あなたの「マイホーム計画」のお役に立つために…今日のお話は…

 

 「潜熱(せんねつ)」とは…簡単にいえば各素材が持つ熱の量で、周囲の熱の量に左右されます…

 

「対流熱」と「伝導熱」を使い分けるといいましたが、この他にも「潜熱」というのがあります…

例えば、コンクリートや鉄、アルミや木材、壁紙やフローリング、内部ドアなどの非木材などそれぞれの素材が持っている「熱」がそれです…

 

 手を添えてみてください…それぞれにヒヤッと感じるはずです…「潜熱」の違いです…これらが入り混じって、匂いや熱を拡散します…高断熱・高気密の家ではこれらを家の中で処理することになります…

だって外=外部を遮断しているのだから仕方ありません…

 

 例えば、発泡スチロール…触るとじわじわと暖かくなりませんか?

これは触れた手の温度を発砲スチロールが感じて保温するからです…一方で鉄骨やドアなどの非木材は、手の温度を奪いながら自身の温度を上げようとします…しばらく触っていると温かくなってきませんか?

簡単に言えばこの差が「潜熱」の違いと言えます…両方ともあなたの身体を熱源、または媒体としています…これが「伝導熱」です…!

 

 もういちど思い出して欲しいのですが…熱は常に高いところから低い方に流れます…

言ってみれば、あなたの「暮らしの快適温度」ががここでは標準になります…小屋裏などは屋根の熱を受けて高温になり、空気の温度を上昇させて木材や天井材の温度を上げて天井越しに室温を上げます…当然高い温度に触れた熱は伝導熱で高くなり、これが室内にも「伝導」されます…これらの素材が生活から快適という温度を奪っているわけです…

 

 室温はこれらの潜熱との差異で結露を生みます…その差が大きいほど結露も大きくなります…

窓を想像してください…二重ガラスなら内側に結露は出ませんが、周囲のアルミサッシは潜熱も低く結露を生みます…無垢でない床材や非木材などは、常にこの矛盾を抱えています…

 

 一方でこのアルミを木に変えたサッシが外国にあります(ペラ、アンダーソン、ベイルックスなど)…

メンテナンスは大変ですが、日本の結露対策やデザイン的にも、あるいは木材資源の新たな活用方法を考えれば、もっと我が国なりの進化を遂げてもいいのではないでしようか…

 使われない森林の保守点検に大きな費用がかかります…担い手の次の世代がいなくなるとはいえ…各地にある製材所や大工の若手と手を結んで、工法や施工方法を考えて、あなたたち世代の「家」を開発するきっかけにならないかと願います?…ビジネスには供給だけではなく需要が必要です…開発の投資費用もかかるはずです…でもあなたのような若い人たちの積極的な活用が需要を生んで、この国の「家」の住みやすさを変える力になるはずです…ぜひ検討してみてください…!

 

 

 ところでこの結露は家にもあなた自身にも大きな問題です…発生は一様ではないけれど、おおよその結露発生のメカニズムをあなたも理解したと思います…

結露は窓だけではなく、特に内部に低温の水が通っている配管などに顕著です…快適温度より低温ならあらゆるところに発生します…発生を防ぐにはその箇所の通風をよくして乾燥を進めることです…が!

 

 ここで思い出して欲しいのが「乾燥」の条件です…温度と通風です!

例えば洗濯物を室内に干したとして、エアコンのそばや日射のあるところでは乾燥しやすいでしょう…

最近では洗濯剤もいろいろで、室内干しの匂いも気にならないものもありますが…乾燥機では強制的に乾燥させるのでどうしても衣類は縮み独特な匂いも残ります…でも天然の風がイヤな匂いも消すそうです!

 自然の通風に当てると匂いも除去され、洗濯物は極めて自然な状態で乾きます…自然の通風=換気が重要だということがわかりますか?…

 

 結露対策にもこの条件は必要です…

結露がひどい箇所では水=水滴が垂れます…水分を吸わない壁紙の表面にも水滴はできます…この状況で自然乾燥を待てばそこからカビやシミなどが発生、カビは生き物なので繁殖のために周囲に広がります…あるいは壁紙の下地の石膏ボードを侵食、ボロボロに弱くして=脆弱にしてその痕跡を広げます…!

 

 特に機密性のあるマンションでは、潜熱が低いコンクリートが主役で、しかも窓以外の通気性がなければ結露が当たり前に起きやすくなります…マンションなどのコンクリート造りに結露が多いというのも、マンションの方が機密性が高く通気性も低いからです…

 

 また加湿器ももてはやされています…でもこの加湿力も過ぎれば空気中の湿気を増やします…

一般に湿気が生活に占める割合は40〜60%が良いと言われています…少なければ乾燥で、多すぎると空気中の水分過多でベタベタとまとわりつきます…不快感も一緒についてきますよ!

 

 もともとエアコンやストーブなど電気暖房では湿気のないドライな空気を作ります…この中で24時間呼吸をするのだから、鼻や喉は乾燥して痛くなったりガラガラ声になります…またベタベタすると、あなただけではなく衣服や室内の吸湿性の高いものに付着…どちらも健康的ではありません…

ガス暖房は燃焼の過程で大量の水蒸気を発生します…でも室内で燃焼していればその排気ガスは室内に排気されて空気を汚します…そのための換気が時々必要です…

 

 ただこの湿気、空中に適度にあると生活の温度が「伝導」されて温められます…その効果で室内は温かく=温度も感じるはずです…その温度差がわずかでも温かいと感じることが大事です…なので正しい湿度を保つようにするのがいいでしょう…

 

 マメなスイッチングは電気代にも関わってきます…


  この他にも気化熱や反射熱など「家」の中にはたくさんの熱が存在します…

でもこれらの中心はあくまでもあなたの五感=感受性です…私たちの両親たちはこれらを毎日、毎回発見しながら知恵として来ました…まさに不便さ不自由さは良き先生です…今は器械から与えられるだけのトリセツ的な知恵しかないようです…

 これらの熱の方法や対応を知るのはあなたの経験値です…そのためにも今からたくさんの経験をしてください…「マイホーム計画」中の今こそチャンスです…それこそ、スズメ百まで踊り忘れずの例えどおり一度の体験は決して忘れるものではありません…必ず役に立ちます!

 

 自分で「感じること」「考えること」の大切さこそ「家」が与えてくれます…!

そうやって対話しながら「家」に近づいてください…「家」はそんなあなたを待っています!

 

 ここまで読んでくれてありがとう!

あなたのダンボの耳が少しは大きくなりましたか…!