寒かった冬ももうすぐ終わります…春がやってきます…

 

 今まで「寒さ対策」を述べてきたので…その反対の「温かさ=暖かさ」についても述べます…!

 

 前回までのブログではあなたの「マイホーム計画」の「家の寒い場所」をいくつかあげました…

今度はどうやって寒さから逃れるか?…今回は「家の温かさ」の確保について考えます…

 

 温かさの確保は「家」が守ってくれるものです…新規の建築に関しては「エネルギー化」が法令化=義務化され、同時にそれが数値化され徹底されてきました…自治体によっては300㎡=約91坪以下の「家」ではこの規制も変わるので…その内容や税制については専門家に必ず相談してください…

 

 簡単に言うと「家」そのものの「断熱化」が数値化されるということですが、この施工の有無が「家」の資産価値を左右します…つまりあなたの「家」の将来の価値観=資産価値を握るということです…

 

 ひとくちに「家の断熱」と言っても、これまで述べた箇所をなくしたり、外壁やそれに接する…例えば土間や屋根とその裏などを断熱材ですっぽりと覆いますが…言い方を考えれば、外気から「家」を遮断するということにもなります…

 

 この方法なら寒さだけでなく、暑さからも「家」を守れます…つまり断熱とは外気からの「熱=寒さと暑さ」の侵入を防ぎますが、同時に中で暮らすあなたを外の世界と遮断することも意味します…

こうすればあなたは、寒さや暑さから「家」に守られるということになります…

 

 ここで温かさとは実は「熱」と同義語だということがわかると思います…

温かさも寒さも同じ「熱」だということです…断熱というのはあくまでも室内にいるあなたの生活の快適性を表現しているにすぎません…暑いのが苦手な人もいればその反対に寒いのは嫌という人もいます…

大抵は南国育ちか北国育ちかで分かれそうですが、老人や病気でも違います…人の感じ方も様々です…

 

 もちろんこの寒暖の感じ方は年齢とともに変わってゆき、若い頃は平気だった寒さも年とってからは体の負担になります…年取ってから温かな土地へ移住する話はよく聞きます…

 

 ちなみに、古来東洋医学では身体の冷えが病気の根源と言われて、野菜類はその身体を冷やすからと敬遠されます…でも地中で育つ根菜類、ごぼうや人参、ニンニクなどは身体を温めるからと重用されます…

野菜を温めて食べる温野菜という方法は理に適っているのかもしれません…また北国で地中に野菜を埋めてその冬の保存食に冷凍をしますが、その間に熟成をして甘みも増すそうです…

 

 というようなワケもあって「冷=冷える家」は、どうやら暮らしに不向きなようです…

 

 断熱性が上がればエアコンの「効果=効き」も良くなります…外の騒音も空気の汚れも気にする心配がありません…でもその結果、実は向き合うべき敵の「寒さや暑さ=熱」の問題は家の中にあることになります…俗っぽく言えば「獅子身中の虫」ということで…敵は身内=室内にあるということです…

 

 「寒さ対策」は「暑さ対策」でもあるのです…とかく人間の快適な生活を守るのは厄介ですね…!

 

 あんまり「家」に守られるとあなた自身の体は「熱=寒暖」に弱くなって鈍感になりかねません…

本来持っている豊かな五感や感受性は退行してストレス、病気への対抗性が低くなりかねません…

 

 夏の暑さにわずかに吹く風を探して涼を探す風鈴の音も雑音になり、ひょっとするともうクーラーなしでは過ごせない体になっているかもしれません…エアコンをガンガン効かせて、カフェイン過多のエネルギードリンクをガンガン飲んでゴロゴロするような不健康な体が自然に出来ます…その先は「家」にも無関心ですべては業者任せ…「疲れてる」が口癖…ゴロゴロ

 

 つまり、どんなに「家」を断熱しても、あくまでもあなたが主役であるということを知ってください…あなたの五感こそ大事だということです…そのためにも熱の本質を理解してください…夏の暑さをこの冬の寒さでも知るということです…

 

 1°Cの違い=感じる大きさがわかったと思います!

 

 あの吉田兼好は「徒然草」でこう述べています…「家」の作りようは、夏をむねとすべし…と!

さらに続けて「天井が高いのは冬には寒く、明かりも暗くなってしまう」…

 

 いわば夏を基準とした加算式の建築方法ですが…冬は重ね着すれば寒さは防げるけれど、夏は裸になっても、もうこれ以上は暑さは防げない…ということです!だから…ということです!

高い天井も今ならシーリングファンで…これは対流熱を利用します…当時のしみ戸や壁はほとんどが板戸や御簾(みす)…

これを断熱材に変えて伝導熱を高めれば?…明かりも間接灯があります…「家」つくりのヒントです!

 

 最近は家も立て込みマンションやビルが立ち並び、道路も舗装されてそこからの輻射熱や反射熱に加えて自動車や室外機の放出する熱で外はどんどん暑くなります…それを避けるようにますます「家」に逃げ込んだ人間で家の「個」の性格も強くなります…それだけ人は「家」に依存し、守られようとします…

 

 断熱性の中心になるのが「断熱材の性能」です…それらの「施工法」や「施工箇所」も重要です…

でもそれ以上に大事なのが、あなたの感性です…寒さや暑さを感じながら、逆にそれらを感じ楽しむ心も持ちたいものです…

 

 「頭寒足熱」を良しとされます…この機会にあなたの身体と向き合い、どうやれば=どこをどういう風に温める=保温すればいいのか? 確かめて、室内着などを決めるようにするといいでしょう…

 

 「家」はただの建築物です…例えば隣接する家や空き地、平地や丘陵地など周囲の環境で日射光や風向きなどは変わります…住んでみれば「家」にもいろいろな不都合が見つかります…早い時間に日陰をつくったり風が通らなかったり…考えた以上の騒音に直面したり…いろいろあります…

 

 あんなに時間をかけて設計して、シュミレーションしたはずなのに…とあなたは考えるはずです!

それでもあちらこちらにミスがあるのが「家」です…そのミスを少しずつ自分の手で「より快適な生活」へと手直しするのが家族の長としてやるべきことです…こうやってあなたは「家」と向き合い付き合うことで自分のものにすることができます…

 

 

 「徒然草」はこうも述べます…「見るからに使い道のなさそうなところを作っておけば、いろいろと使うこともできる…それに面白いではないか」とも…(以上は意訳です)

 そう、一見無駄な空間もあったらと言います…これも「家」造りのヒントになりそうです!

 

 

「家」は生き物で人格を持っています…その中心に人=あなたや家族がいます…

 大事な「マイホーム計画」が忘れれてはいけないことです…!