また「マイホーム計画」のお話です…

 

 ブログの最初に書いた「時間軸」ということですが…この「時間軸」は「家」だけではなく、あなたのこれからにも関わってきます…この二つの「時間軸」が縄のように密接に絡みあって、あなたの「マイホーム計画」が進んで行くことになりますから、忘れてはいけない大事なことです…

 

 というのも「マイホーム・ローン」と「家」の時間的な長さと一緒にあなたの人生も変化してゆくことも考えなくてはなりません…この「時間軸」の変化の設定または考え方が必要だということです…

 

 このブログで先に述べたのは、年をとることが早くそのための備えを今から「家」に仕込んでおくというような、いわばあなたの「老人化」への対応を述べたものですが…これはあなたの働き方を中心にした、言って見れば「社会的環境」の変化についても「時間軸」が必要だということです…

 

 「少年老いやすく…」とはよく言われることですが、確かにあなたが年をとるのにそんなに時間は必要ありません…でもあなたの働き方をめぐる「社会的環境」はもっと「早く…」変化しそうです…

 

 かつてのような「終身雇用」は崩れこれからはアメリカ的な合理的な生産性が一番とされるようです…クビは当たり前になり、コストカッターがCEO=最高経営責任者と呼ばれ、より安い生産拠点を求めて海外に「工場」を作り、労働組合は個人ではなく全体の総意を大切にするようになります…

 

 発達する個人や各種のローン、コトバは機械的な言語に変わり「便利」と思えたことは人から言葉を奪い、ますます「持てる人と持てざる人」の格差が広がります…

 

 このことはあなたにも関わってきます…あなたの、それもあなただけの才能に「IT」や「ロボット」が取って代わり、あなた「固有の個性」が失われるかもしれません…

 

 結果としてあなたの「インカム=収入」の目減り感はますます強くなるかもしれません…

 

 追い打ちをかけるように各種の「税金」も増えてきます…例えばあなたのご両親の遺産を相続する資産税、空き家や空き地の固定資産税、墓所の改葬、それらを兄弟で分ける「相続税」などです…さらには子供たちの「学資」だって増えてきます…

その間に不慮の事故、入院、通院などに介護などがあれば…関わる「保険料」もバカになりません…

それよりもあなた自身の知覚が他人になってしまうという恐ろしい状況になるかもしれません…

 

「家」を持つことが上流階級なのではなく、漂流する中流階級には当たり前のことになります…ここで漂流と感じるかどうかは「家」の内的な充足度に左右されます…

 

 つまりいい「時間軸」を手に入れたければ「家」や「社会的環境」と同時に友人や家族に恵まれることのほうがうんと大事なことなのです…

想像してみてください…話すべきことがなく、家族もいなく、友人もいないひとりぼっちの老人になったときのことを…明日への希望も期待もない日々のことを…若いときの思い出も、心に恋する人もいない日々の残酷さが続くのです…

 

 こんな未来のためににあなたは「家」を作りますか?

「家」の本質はこの屋根の下に暮らすあなたの内的な充足だということです…あなただけでなく家族みんなが思い出を持ち、趣味を持ち、何よりも言葉や笑いを持った「家」を作ることこそ大事なのです…

 

 「家」を作るということはそういうことです!

 

 ちなみに、日本でも人気のあるフランスの女流詩人・画家のマリー・ローランサンの詩にこういうのがあります…彼女の絵を見たという人も多いはずです…またあのアポリネールは彼女に失恋して「ミラボー橋」を作りました…

「鎮静剤」と題された詩を堀口大学の訳はこうはじめます…

 

 … 退屈な女より もっと哀れなのは 悲しい女です

   悲しい女より もっと哀れなのは 不幸な女です

   不幸な女より もっと哀れなのは 病気の女です

   病気の女より もっと哀れなのは 捨てられた女です

   捨てられた女より もっと哀れなのは よるべない女です

   よるべない女より もっと哀れなのは 追われた女です

   追われた女より もっと哀れなのは 死んだ女です

   死んだ女より もっと哀れなのは 忘れられた女です 

 

        …と詩は結びます…

 

 女性の地位がまだ低かった20世紀の初頭にローランサンは、こんな風に女性を詩いました…

でもこの詩の「女」を「老人」に置き変えてみてください…

「老人=経験値」と考えずに、ただ老人だからといって「忘れられてゆく」だけの存在になるとしたら…

これも終生の友を持たなかった人生の寂しさだとしたら…

 「家」を造ることがあなたの「時間軸」になるということがわかりますね…

 

 ありがとう

楽しい年寄りになりたいですね…ね、ご同輩!