こんにちは…もうすぐ二月です…一年でもっとも寒いとか、お気をつけください!

 

 ところで日本でも人気のあるTVドラマ…「大草原の小さな家」のハナシです…

僕たち世代では父親を演じるマイケル・ランドンが人気があるのですが…もともとは西部劇ドラマの「ボナンザ」の末っ子だったのが彼です…

 

 というのは置いておいて…「大草原の小さな家」は主人公インガソルの書いた半自伝的なアメリカのベストセラーです…前回書いたように全米の優良図書に選ばれないのは、原作にネイティブ・インディアンや黒人に敵対するような表現があり、これがアメリカの総意に合わないということです…

 

 僕たち世代は西部劇を見て大人になりました…その西部劇のほとんどの白人=いい人で、インディアン=攻撃的な悪い人という図式がありました…未だにカスター将軍や黄色いリボンの大佐はヒーローです…

 そこには「悪いインディアン」をやっつけた「白人が正しい」と描かれているからです…でも近年のアメリカ史では「白人=開拓者たち」がいかに彼らの権利を奪い、彼ら白人に「有利」な国作りが行われたのかを知ることができます…アカデミー賞でインディアンの権利を主張したのはあのマーロン・ブランドが初めてと記憶しています…今日のアメリカは世界規模の異人種や宗教感の違いを受け入れた先進国の一つです…

 インディアンをネイテブ・アメリカン、奴隷の末裔のルーツから黒人をアフリカン・アメリカと呼び、ヘイト(もちろん白人至上主義も含めて)を嫌うのも世界の盟主という自負によるものです…

 

 ところでローラ・インガルス・ワイルダーの「大きな森の小さな家」原題 Little House In The Big Wood はTVシリーズは日本では「大草原の小さな家」として人気があります…後の彼女の詳しい伝記では、どうやらパパ、インガソルには農家としての才能はなく、一家は生涯を貧しく過ごしたようです…

ウィスコンシン州で生まれたローラもカンザス州、ミネソタ州を移動、そこのウォールナットグローブという架空の街での出来事がTVの舞台になっています…

 

 劇中インガソル一家は次々と養子をもらいますが、実際のインガソル一家には養子は一人もいなかったようです…それでもここでは彼らが養子をもらわざるをえなかった当時の社会的な事情や貧しいけれど勤勉で宗教的には敬虔であったこと、一家を取り巻く街の人々の情と連帯=手助けなどが、当時のアメリカ開拓時代の建国精神だと持てはやされたのです…

 

 多分インガソル一家も土地の収奪やそれに関する襲撃事件などでインディアンには苦しめられたのかもしれません…その時点でインディアンは開拓者にとっては悪者になっていたのですから…開拓者のインガソル一家にはインディアンの襲撃はさぞ悪事だったのでしょうが、ドラマではこのあたりは描かれていません…

 

 今日アメリカ人が日本のお正月のように家族が集まり、一緒に食卓を囲むのを最も楽しみにしているのが「感謝祭」です…もともとは初めてアメリカに上陸したヨーロッパ人はその年の過酷な状況に初めて遭遇します…飢えと寒さが彼らを襲います…その時に手を差し伸べたのが土地の先住民のインディアンでした…食事と暖を与え現地に即した「家」の造り方を教えます…彼らは異民族に寛容でした…

 

 いわばこうした家族の温もりを伝えたのが「感謝祭」の起源だと言います…年にいちど家族の温もりを求めて集まる「感謝祭」…日本の「お正月」には「家」はあっても、今ではこの「家族」の視点がなくなったようです…

 

 多分に彼らにはキリスト教的な宗教観があったのでしょう…この宗教観がインディアン=神を持たない野蛮人という図式をつくったのも事実です…野蛮人=駆逐しても構わないということです…

 

 ところで、このTVドラマを見た世の中の大半のお父さんたちは、こんな風に「家」を造るぞって思い…お母さんたちはこんな風に「家族」を支えるぞって思ったはずです…でも「家」は造れても、インガソル一家のように次々と養子を迎えて、なお愛する家族を増やしてゆくようなことができるようなお父さんやお母さんがいるとは思えません…TVと現実世界は違うとはいっても、「家」を造ることは「家族」も造るということなのです…

 

 いわば「家」の遠心性の中心にあなたがいます…

ドラマとはいえ、ここに描かれている勤勉であること、正直であること、足るを知ること、隣人を思いやることなどは…あなたの「マイホーム計画」には欠かせないことです…もう一度そういう目でこのドラマを見てはどうでしょう…

 

「家」の主人公はあくまでも「家族」です…

あなたの計画を理解してくれる素敵な家族も必要だという事です…あなたがご自分の「家」と一緒に創るべきものです…

 

 今のアメリカには他の世界やその未来を慮る気概はありません…この先の家族や社会の変貌も一様ではありません…それだけに「家族」に必要なのは個人の多様性を認めることであり、自分で判断を下すという信念だと言えます…そのためにも親になる責任は大切です…

 

 カンザスを舞台にした有名な「オズの魔法使い」の最後に主人公の少女ドロシーは言います…

「友達と愛する家族に囲まれて、(世界中で)お家ほどいいものはないわ!」

目覚めたドロシーを家族や友達が囲みます…おばさんにおじさん、カカシやライオン、ブリキの人形に似た友達たち…

そしてあの愛犬トトも…

 

 ありがとう

あなたの「マイホーム計画」ゆっくり進行中です…これでいいんですよね…ね、ご同輩!