閑話休題

 

 僕たちの若い頃に流行った曲です…South Of The Border「国境の南」という曲です…特にF・シナトラの歌は今も耳に残ります…他にもP・コモや楽団の演奏ものも日本でもよく流れました…

 ♪国境の南を越えるとメキシコに繫がる…♪と曲は続きます…

そこは楽園、極彩色のラテンの街が広がり、テキーラが飲まれ、マリアッチ…日本ではトリオ・ロス・パンチョスかな?…が流れる自由と恋の国…そんな国がアメリカのすぐ隣にあります…

 

 アメリカには手軽な「パラダイス」…ちょっと遊びに行くのも、新婚旅行にも…

もちろん脱走先もこの国でした…「ゲッタウエィ」のマックイーンはかっこよかったなぁ!

当時の映画を見ると、まだメキシコ国境は騒々しくなくて整然としています…

アメリカの「豊かさ」とラテンの「貧しさ」が隣り合った国境だったと言えます…

 

 今カミツキガメはこの国境こそが諸悪の根源だと言わんばかりに、南米からの難民を止めるべくここに壁を作るべき予算を政府に要求しています…でもどっこい、下院を多数握る民主党はこの予算に応じません…

 

 その結果、政府機関の一部が閉鎖を余儀なくされ、職員たちは手弁当で急場をしのいでいるそうです…驚くのはたとえ連邦政府職員といえども政府の都合で給料が支払われず、さらにはこんなカミツキガメを支持する層もたくさん存在するという事実です…急場しのぎのマニュアルもウエブ上にあるそうです…しかも政府によるものだそうです…

 

 この壁はカミツキガメの選挙公約、何が何でも実現したいというのがホンネです…いや両方ともホンネだというのが彼の怖いところです…

 

 もともとアメリカは発見以来ヨーロッパの列強の強い領有主張と、宗教的な迫害を逃れた人々の餌食となって、本来のインディアンから奪い取った国です…言ってみれば世界の各国が入り組んだ多様な国であり、カミツキガメの先祖もまたその例にもれません…日本で有名な「大草原の小さな家」ではインディアンは悪者=キリスト教的じゃない印象が強く、ヘイト感から全米の優良図書には選ばれていません…

 

 「♪国境の南」も今はパラダイスではなくなりました…でも今でも「国境の南」から眺めるアメリカは「自由と可能性」に満ちた憧れなのです…

 

 折しもメキシコでは石油パイプラインがその燃料を転売するために破壊され、それらに群がる民衆によって被害はさらに拡大されたそうです…政府がいかに命がけだからやめるように言っても誰も聞かない国…教育の貧困は国を疲弊させます…

 

 そしてそんな危険を承知でなおも壁を通過しようとする人たち…

 

 アメリカには壁を作るよりまずやらなくてはならないことがあります…残念ながらカミツキガメや「自国第一主義」を掲げるその支持者にはわからないようです…

 

 「国境の南」を思いやれることも「燃料」が危険だということも、ともに教育=学ぶということが大事だということです…「思いやること」も室内で振りまくスプレー缶が「危険」(札幌の件)だということは同じ学べる事柄のはずです…

 

 何も学ぼうとはしない政治家たちも、唯々諾々と考えない支持者と同じです…

日本でも同じ考えが広がっています…安易なポピュリズムの台頭です…

僕たちは今まで以上に世界に敏感にならなくてはならないようです…

 

 次でまた「家」に戻ります…

「マイホーム計画」のダンボの耳も今では全世界的に大きくしなくてはならないようです…

 これも「時間軸」…あなた自身の人生がこの時間に生きているのですから…

 ね、ご同輩!