こんにちは

 

 あっという間の年末に突入です…12月です…

今年のドン突きの月…笑っても泣いてもこれが最後の月…

 

 忙しくって先生でさえも走るから「師走=しわす」…今もこの月をこう呼びます…これは旧暦と同じ呼び名です…

 

 え、何が忙しいかって?

昔と言っても江戸時代、この月ばかりは一年の総決算だから…剣などのヤットウから歌舞音曲に俳句や囲碁、イロハの手習い事も今年が最後、中にはイロハ習ってハの字を忘れた奴もいたり…それにスス払いや新しい年へ門松や注連縄の飾りにお餅つき…お仏壇にお経を供えたりと大忙し…で、日頃はうるさい師匠=先生も走るほど…だから「師走」…

 

 しかも…
庶民の買い物はほとんどが現金のない月末払いの「掛売り」…月末にその支払いを回収するのが「掛け取り」…とくにこの月で一年の嫌なことは清算したいからと…掛け取り屋が「掛け取り帳」を持って走り回る…中には酒や博打でせっかくの金を使っちまって懐がスカンピン…そんな連中はこの月さえやり過ごせればと、逃げ回るから町は大騒ぎ…

 そんな様をいうのが「師走」…この表現にはナルホドと感心します…

 

 今ではローンもありコンビニがあって銀行もある…だから今の生活で先生は走らない…なのでこんな活況は消えました…餅が嫌いな世代もいて…お雑煮などはもってのほか、おせち料理すら嫌いという世代もいます…伝統も文化も消えそうです…

 そんな「掛け取り屋」からあれこれ言い募って逃げ回る「言いわけ屋」の面白さは落語ならではのおかしさです…

 

 ♪もういくつ寝ると お正月 お正月には凧あげて コマを回して 歌いましょ…♪

というのが子供の定番だけれど、今は凧やコマなんかより、お年玉の予想が喜び…

夢は現実、大人もお年玉を考えなくてはならない年の瀬です…でもこんなお年玉さえもらえない子供はどうしたらいいのでしょう…

 

 さてここまでの月の流れを早いと感じたら…あなたも、もう十分に年を取ったということです…まぁ、お年玉の心配もあるでしょうね…しかも少し前はクリスマスだから…なにかと出費がかさみます…しかも店も今では正月から開いています…海外脱出組もいて、お正月も遠くなりにけりです…

 おせち料理は面倒だという主婦が増えています…子供には匂いも味もないお正月です…!

 

 このままでは十二月の後は十三月…いつまでたってもどん月(ドン突き)にならず、終わりなき一年になるのかなぁ…!

 十二月にすべて終わらせられるのは現実派…ドン月だと思う人は悲観主義…なぁに、十三月があるさ、と思うのは楽観主義…どうやら江戸は楽観主義者の集まりだったようです!

 

 そう、除夜の鐘がなればすべてが新しくなるのもこの月のいいところ…

そんな月になるのですぞ、おのおのがた、さぁ〜て、ご用意は如何かな?

 

 

 ここまでありがとう

 こちとらも江戸っ子の端くれ…と粋がっても、年寄りの現実はキビしい限りの年の暮れです…ね、ご同輩!