ウクライナ・クリミア問題に戻ります。
1日目を離したすきに、クリミアの分離独立からロシア編入まで一気に進みました。
今日の報道では、クリミア内のウクライナ軍基地にロシア軍が攻撃を仕掛け、ウクライナ軍に死者が出たとのこと。これに対して、ウクライナ暫定政府も軍に戦闘許可を与えたそうです。(http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014031900053 )
すわっ、第二次クリミア戦争か!?
3/16(日)の住民投票からあっという間の展開。
サイエンス用語でカスケード(Cascade:原意は滝。転じて、一連の化学反応)が発動しちゃってます。ある事象をきっかけに、次々と生じる連鎖反応。行きつくところまで行きつかないと、反応は止まりません。
先日までは、ロシアもウクライナも軍事行動を行わないと言っていたにも関わらず…。
ロシアがクリミアを実行支配するのは規定路線として、今度はクリミアに取り残されたウクライナ勢力の安全確保が喫緊の課題でしょう。
クリミアに関しては、アメリカの制裁提示ぐらいで引き下がれるロシアではありません。ついに局地的軍事衝突まで至った紛争を、どの段階で手打ちにするか。
ロシア軍の基地への撤収と、クリミア領内のウクライナ勢力の安全な撤収。
それにしても、これはプーチン・ロシアの戦略なのでしょうか。クリミア内のウクライナ勢力を追い出すために極地戦まで行い、そこで手を打つ。
とある論評では、ロシアの軍事展開はデモンストレーションで、武力行使するまでの賭けにプーチンは出ない、との読みでした。が、これがおそロシア流なのかもしれません。ファイティングポーズだけでなく、引く前にジャブの一発はかましておく。われわれも肝に銘じておかなければなりませんね。
だがしかし、これがプーチンの戦略ならばまだいいですが、ズルズルでこうなったのならいかんでしょう。双方の軍の撤収でなんとか手を打たないと、大戦化も避けられません。
ロシアがクリミアにこだわる理由の論説がありました。その記事にナイスなロシアンジョークが載っていたのでご紹介します。
(THE PAGE:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140317-00000004-wordleaf-int )
既述の通り、クリミアをウクライナ人が支配していたことはほとんどありません。中世以降はチンギスハン末裔のクリミア・ハン国(オスマン帝国の属国)→ロシア公国で、クリミア戦争でセバストポリが陥落するもののロシアの帰属は守られました。
ロシア人からすれば、オスマン帝国から奪取して以来、クリミアはロシアのものに決まっています。それがいつウクライナ領になったかというと、1954年にウクライナ出身の指導者フルシチョフがロシアからウクライナに配置替えをしたからです。
当時はソ連邦内の移動だったので大きな問題にはならなったのですが、元々ロシアに帰属意識が高いクリミアの人たちは憤慨しました。
ある男が「フルシチョフはバカだ。フルシチョフはバカだ」とつぶやいたところ、捕えられて懲役20年に処せられました。
量刑は最高指導者への侮辱で1年、国家機密漏洩罪で19年。
国家の最高機密を漏らされたフルシチョフの怨念か、クリミアは60年後の今になって世界的戦禍の火種になろうとしています。