2019/07/09(火)


火曜日は私と彼の定休日


週に1回のデートをする日です。



4年も付き合っているので
東京のデートスポットは行き尽くしました。




最近は、行きたいところも特になく、



昼まで寝て、


ご飯を食べて、


映画にいく。



もしくは、昼まで寝て



そのままゴロゴロして



えっちして



夕方ぐらいにご飯を食べに行く。




それの繰り返しでした。




いつものように夕方映画のチケットを予約して



おおきな怪獣がいる映画館に



お互いだいすきなシリーズの、



蜘蛛男の映画を観に行きました。




映画が始まる前のみんながザワザワしている時間




彼はメガネを準備しながら
携帯を見ていました。




私は、ななめがけしていたバッグを



はずしながら、



ちらっと覗き見









「ねむいね」








Yumiという女からのメッセージ






心臓が



「だれ?だれなの?」と



大きく揺れました。





そうしている間に映画は始まり、




映画の世界に入り込み、




直前に見たものは無かったかのように。









エンドロールが流れる頃には






現実世界に戻って来て





Yumiの存在を思い出し、








また、心臓が動く。








嫌な予感がしました。








嫌な予感はほんの数週間前にもあったのにな










いつものようにデート中






メッセージをいそいそと返す彼






覗き見ると、女の名前

 




Chiakiだったかな



まあ、名前なんてどうでもよくて。




彼女が目の前にいるのに




すぐに返信をしたくなるぐらいの人って




だれだろう。どんなひとだろう。






その時は、内容が見えなかったから




都合よく仕事の人だろうと



動き出す心臓をゆっくりと撫で



落ち着かせました。




「ねむいね」




この4文字の情報量はとてつもない。




まだ「あいたい」の方が



ゴールにボールが入ってる状態なのに



「ねむいね」だと



ドリブルをしてボールと仲良く走っている



それぐらいの状態。




浮気か浮気じゃないかの判断が難しい。




ただ、「ねむいね」なんて日常会話




普通の友達とするだろうか




よほど会話をし尽くして




もう話すことも特になく、



今なにしているかの報告をするだけのような



つまり、私(彼女)のような



親密な関係じゃないとあり得ない。




そのとき、



あ、今日家に帰ったら彼の携帯を見よう



そう決意しました。





彼氏の携帯を見てもいいことはない




よく聞く言葉だけど、



いいことがないのは




あの4文字で十分に



察している。




いいことがないだろうけど、



このままじゃいけないから



確認のために



私は見る。



怖くてどうにも勇気がでないけど



目の前にあるモヤモヤが



邪魔でしょうがない。



映画館からでて、



いつものように



私が欲しいと言ってた物を



買いに行ってくれた。



いつものようにふざけ合いながら。



最寄駅に着くと、



夜ご飯の話になりスーパーに寄って




30%引きのお惣菜やお弁当を買って




お家に帰った。



録っていた番組を見ながらご飯を食べて



彼はお腹がいっぱいになって



私の膝に頭を乗せてごろんとしてきた



いつもそんなに甘えてこない彼が



甘えん坊の私のようなことをするもんだから



Yumiがチラついた




少しすると、彼は膝から頭をおとし



床に横になって



本格的に寝る体制になった



寝息をたてだしたぐらいに



無防備に寝転がる携帯を拾い上げ、



別の部屋に移動した。




心臓が激しく動いて、



「ほんとうに見るの?」



と訴えてきたけど、



グッと力をいれてパスワードをうちこむ。



パスワードは私の生年月日



変わっていたらどうしよう



そんなことを考える暇もなく



あっさりホーム画面に切り替わる。



そのときは少し



ほんの少しだけど



私のこと大好きじゃん



そう思った。




緑のメッセージアプリをポンと押して



開くと、Yumiからのメッセージが



未読のまま放置されていた。



何の躊躇もなく、



Yumiとのトーク画面にとんで、



ゆっくり読む余裕はなかったけど、



すぐに目に飛び込んできた



2人だけの世界は、



私が用意していた



きっとこんなメッセージをしているだろう






遥かに超えてきた。




スクロールをして、




すぐ飛び込んできたのは、




私が良く見る



私が触れたこともある



私の中に入っていた



彼の陰部の写真。




そして、すぐ隣に



恥ずかしい部分を全てさらけだした



顔から下の女の写真。



ああ、やっぱり



ああ、やっぱりね



ほら、やっぱりじゃん



つい声に出して
私の推理が当たっていたことを


部屋中に知らせた。



そのままメッセージを



ゆっくりスクロールしていくと、



ずっと、ずっと、下の話。



彼も女もノリノリな様子で、



互いの陰部について、



互いの性癖、



互いの興奮するポイント



どれだけスクロールしても



でてくるのは、



写真や動画。



電話の履歴まで。



もう涙も出てこなかった。



いつからやり取りをしているのかと、



過去に遡り続けてみたが、



スクロールする画面は



止まることはなく、



永遠に過去を見せてくれた。



永遠に。



全部みる余裕なんてないから



途中で諦めて、



指をとめた。




「初めて会ったのは去年の◯月◯日だったよね」



彼のひとことが目に入る。




ご丁寧にどうも。


出会った日にちまで教えてくれた。



もちろんそのひとことを見て



驚かなかった訳がない。



つい最近のことだと思っていたのだから。







全てを知って、



ゆっくりと携帯から目を離すと



私はトイレにいた。











Yumiの身体と私の身体




とてもそっくりな身体がシンクロして



彼とのえっちを思い出し



Yumiと彼のえっちが鮮明に見えた。









便器には、さっき食べた30%オフのお惣菜。









もともと夏風邪で体調を崩していたのもあるが



全てのストレスが



まるで水風船を押しつぶすかのように



胃にひどく攻めてきた。









人間を気持ち悪いと思って



吐くのは人生初めてで、



なにこれ漫画の主人公みたい。と思った




ふと気づくと、胃は空っぽ。



もうでないと言った。








つよがりぱんだ