何年かぶりにログインしましたが、意外にも毎日何人かの方々が覗いてくれていたんですね


正直言うといつまでもこのような恥ずかしいブログを野ざらしにしておくのも…
なんて思い、退会を考えつつログインしたのですけれど…(苦笑)


お礼と言うわけではありませんが、近況をお話しますね


ズバリ…その後を知りたいですよね?


こうした不倫のブログを数々見てきましたが、だいたいが自然に淘汰されるものです


大抵は『別れちゃったんだろうな』とか、『ブログが面倒くさくなったのかな』などと、アタシ達読み手は勝手に想像するしかないわけです


その点、早めに完結しておいて良かったとアタシは思っています


自然に途絶えるよりはマシでしょ?(笑)


で……彼とは続いてますよ

なんせ、20年以上の腐れ縁ですから…


今やちょっとした熟年夫婦並みですかね


そうそう、去年とうとう彼のオ○ラが解禁になり、アタシはショックでした


1度許してしまうともう駄目ですね(泣)


でも、アタシも考えなしにニラいっぱいのキムチ鍋を食べた翌日に彼とのデートってことがありました


ちょっと怒られましたが
おあいこですよね?(笑)


でもアタシは彼のことが大好きなのは変わりません


皆さんもイイ恋愛してくださいね


ユウキ

アンフェアな関係が

許されるものではないのは分かっています。



でも・・・

結婚したら

家族以外の誰かのことを想っては

そして・・・・想われてはイケナイのでしょうか?




一時の過ちではなく、

アタシは彼と四半世紀の長い間、

つかず離れず続いてきました。



それは・・・・

不倫とか婚外恋愛とか

オトコとかオンナなどと安易にひとくくり出来るものではなく、

そこには確かに人同士の縁の深さがあるんだっていうことを

誰かに聞いて欲しく、綴って参りました。





彼とはこの先、相変わらずのつかず離れずで

平穏に続いていくだろうということで

このたび、最終回で締めくくらせて頂きました。




簡単に言えば・・・曖昧だった関係が

曖昧では無くなったと確信が持てたから。





こちらのブログでは彼との久々の再会シーンより

綴らせて頂きましたが

それよりも以前から自らのHPにて平行して

更新してまいりました。


そちらでは 彼との出会い・・・・別れ・・・結婚・・・・出産・・・

そして7年目の彼との再会・・・・別の男性との恋愛なども綴っています。


もし、お時間があれば こちら から覗いてみてください。





最後に

本来なら罵倒されても仕方の無い内容なのですが

一度もそのようなことが無かったことに

安堵しております。


長岐に渡り、このような拙い文章にお付き合いくださったこと

感謝致します。



ありがとうございました。



ユウキ



「若い頃は 強がって

精一杯、アナタに合わせようと

背伸びをしてた。


あの頃・・・アタシは辛くても笑って

いつも平気なフリをしてた。


フラフラしたのは

寂しい気持ちをアナタに

言えなかったから・・・・


心の拠り所を探して

他の人に抱かれた事もあったけれど・・・」




溜まっていたものを

ここまでハッキリ言わないまでも

そんなアタシの気持ちを彼が察してくれて以来、

ふたりの関係は

以前にも増して、固く強くなった気さえする。



もっと早くハッキリ胸のうちを言っておけば・・・・

なんて思わない。



このタイミングだからこそ

言えた一言で


この年齢になったからこそ

素直に受け入れられたのだと思うから・・・。




彼はあまり歯の浮くような台詞を言う人では無い。



けれど・・・・

ここ最近では



「ユウキ、俺のこと スキ?」


「うん・・・ダイスキよ」


「なんだか それだけで俺・・・嬉しいよ」








そんな 今までじゃありえない甘い話をする傍らでも

シビアに株の意見交換をし、

はたまた・・・その株で儲けが出たら「旅行」という目標を掲げながら

ひとつの夢をふたりで共有出来ることがとても嬉しい。








思えば

アタシが19歳

彼が31歳のときに このアンフェアな関係が始まった。



当時、アタシは既にバージンではなく、

それまでに片手ほどの経験人数はあったものの、

それは若気の至りに 程近いものがあり、

どの相手もどんなに記憶を手繰り寄せても

名前さえ、うろ覚え程度だったりする。



そう考えれば

彼って人はアタシにとって

最初で最後のオトコになると言っても過言では無い。





アタシにとって彼が最後のオトコ・・・

彼にとってアタシが最後のオンナでも良いじゃない?



ダメ?



いくら、若い頃、モテたアナタでも

さすがに大台に上ってしまったんじゃ

アタシしか相手にする人居ないわよ(笑)





四半世紀続いてきたんだから

半世紀もすぐそこよ。






「3つのing」がアタシたちの関係に取り巻く限り、

ずっと・・・・ずっと続いていくんだろうね





END






「いやいや・・・・北海道に住む 愛人が送ってくれたものです・・・

って書くかな」



え?



愛人・・・・



アタシって彼にとって

愛人という位置付けだったの?



例え、それがふざけた動画のタイトルごときだとしても

アタシは その’愛人’と言うニュアンスに

あまり良い響きを感じ取れなかった。



「アタシって 愛人だったんだ?(苦笑)」

彼にそう返信すると

少し慌てふためいたようにすぐに返信がある。



「イヤ・・・だってさ

その方がやらしくて良いじゃん(笑)

第一、ユウキはやらしいんだし」



そう・・・



アタシが「彼女って書いてね」って言っているのに

それを却下してまで’愛人’と直した彼の気持ちが

イマイチ 理解できなかった。



たぶん、彼にとっては

なんとなく言った一言だったのだろうけど

アタシは その古臭いニュアンスがイヤで

他の人の意見を聞かずには要られなかった。




「ねぇねぇ・・・・彼女と愛人の違いって何?」


まずこの質問を投げかけた相手は

数年前にアタシが踊らされたことのある異性ではあるんだけれども

愛妻家の彼とその奥様の間に割り込める余地は

アタシにはほんの少ししかなかったみたい・・・・(苦笑)


でも、今でもふと連絡を取り合い、お互いの相談をしたりする

イイ関係の異性だ。




「彼女ってのはお付き合いしている人で

愛人さんは契約者ってイメージかな。

なんか 愛人って裏の奥さんって感じ。


立場的には愛人さんが上じゃないの?」



「アタシ、愛人って言われたのよ。

それは やらしいからって言われたんだけど・・・」



「あぁ・・・・彼女は恋愛で愛人は愛欲って感じ?

なんとなく 理解できるかも」



へぇ・・・そんなものなんだ。

こんなときの異性の意見って

かなり貴重だと思うし、少しだけ安堵が浮かんだりして・・・・




では・・・同性ならばなんて言うだろう。


アタシは今までのすべての経緯を理解してくれている

親友2人に聞いてみた。



「よく考えてごらん?

第一、貴方達は普通じゃ考えられないくらい

長いこと付き合ってきて

’彼女’なんていう軽いニュアンスでは片付けられないわけ。

ましてや、彼のお金預かって

ユウキは株までやっているんだから

愛人で結構でしょ?」



「あぁ・・・そういうもの?

なんだか’愛人’て響きが古臭いし、

耐え忍ぶ雰囲気がアタシはイヤだったのよ」



親友達は少し呆れたような顔をして

’愛人’のほうが重い立場だと言うことを

アタシに問いただした。




友人たちのおかげで

モヤモヤしていたものは一気に吹き飛んだ。




確かにアタシは

彼に一番に愛されたいなどと願っているわけではない。


子供、家族、親兄弟・・・・

その次で良いから

彼の大切な人でありたいと想っているだけだ。


血が繋がった人より

上になりうる筈は無いのだから

せめて・・・・彼の周りを囲む

他人の中では大事だと想われたいと。







アタシがこんなにも色々と想いを巡らせている等

彼は知る由も無いのだけれど。

他の男の影をちらつかせるのは

別にわざとでは無かった。


寂しいのを彼に言えず、

我慢してきた結果だった。


でも 隠し事はイヤだから

素直に全て白状してきた20年。


それがかえって彼に火を点ける結果になるとは

思ってもみなかったし、

アタシとしては 無意識のうちにやっていることだった。



「俺だけ・・・」と彼の口から放たれた以上、

アタシはきっとフラフラすることなく

このまま 今のまま 彼と歳を重ねていくのだろう。



でも、平坦なままだと

何か物足りなさも感じていくのも事実だろうし・・・・・



そこで考えたのがちょっとした刺激を

与えることだった。



普段、彼の欲求に拒むことのほうが多いアタシが

その欲求に不意に応えたとしたら

彼はどんな風に思うだろう・・・・


「案外、ヤルな」などと思うのだろうか?

それとも・・・・

「ヤレばデキるじゃん」かな?




*******************************************



「ユウキは良いよなぁ・・・・・

俺の代行機君があるからさ(笑)

あ!そうだ!携帯でエッチな写真送ってよ」



「えー?イヤよ(苦笑)

アタシがそういうの趣味じゃないって知ってるでしょ?」


「分かってるけどさ・・・・ちょっとくらい良いじゃん」

ふて腐れたような声を出す彼に


「うーん・・・・・ちょっと考えさせて」




いつも拒んでばかりの女では

つまらないのではないか・・・

時には大胆さも必要なのではないかとふと思った。





彼は腰痛持ちで

この日は朝からマッサージに行く日。



アタシは東向きの窓から朝の光が差し込む寝室で

例のオモチャを取り出し、

彼の要求する写メでは無く、

その上をいく、動画の撮影を試みた(苦笑)



どうやらアタシの携帯では

1度で30秒ほどの動画しか撮影できないことを

初めて知る。



両膝を大胆に広げる格好はかなり滑稽だ。



自分では目を伏せたくなるような代物だけれど

マッサージを終えた彼が携帯に目をやった時、

どんな反応をするかを考えると少しだけワクワクした。



30秒の動画を2本撮影。

そして・・・彼の携帯に送信。




マッサージを終えると

よく電話をかけてくれる彼なのだが

その日はいつにも増して早い時間に携帯が鳴った。




「び・・・・・びっくりした!

写真じゃなくて動画だ!?

いや・・・まだゆっくり見てないんだけど

とにかく ちょっとだけ見て

連絡しなきゃと思って慌てたよ」



アタシはとにかく笑うばかりだった。



「って言うか・・・・既にギンギンなんですけど。

って言うか・・・・ゆっくり見ても良い?

で・・・・・抜いても良い?」

なにやら しどろもどろの彼に



「どうぞ(笑) じゃぁ・・・またあとで電話ください」

と少しだけ上から目線で応えるアタシだった。




30分ほど経ったあとで

携帯が鳴る。




「抜かせて頂きました(笑)

いや~マジ、動画ですか?みたいな感じですよ」



「敬語だし(笑)

アタシも意外にやるときゃやるでしょ?」



「ほんとだよ!って言うか・・・・また 毛剃りました?

妙に綺麗ですけど」



「剃ってないよ、元々、薄いし、携帯の動画じゃ、

そんな毛の1本1本は写らないでしょ?

まぁ・・・・とにかく、すぐにその画像は消去してね(笑)」



「ヤダ!また 新しいの送ってくれるまで持ってる」



「ほら!また調子に乗るんだから!

動画はこれっきりよ」



「これっきりとか絶対ヤダからね!」


まるでダダをこねる子供のように

なっていた彼が可笑しかった。





まぁ・・・でも

今回は喜んでくれたからヨシとしよう・・・・(苦笑)






しかし、その夜、ふと思った。


以前、彼が暇なときに

とある投稿サイトをひらいて見ているのを

見せてもらったことがあったのだけれど

まさか、それに投稿しやしないかとハラハラした。


もちろん、顔など映っていないのだけれど

とにかく彼にメールした。




「ねぇ・・・・まさか、あのエロサイトに

投稿しないよね?(笑)」



「あ! そんな手があったか!?(激興奮)」




「え? 思いついて無かったんだ?シマッタ・・・・」

どうやら アタシは墓穴を掘ってしまったようである。



「それも良いよなぁ・・・・・(ニヤリ)」



「イヤに決まってるでしょ?バカ!」



「顔も映ってないんだしさ」



「そういう問題じゃないでしょ?

って言うか・・・アナタは見られても平気なの?」



「うーん・・・・・だって他の人の反応気にならない?

あれって、他の人のコメント付くんだよ」



「イヤ!全然気にならないし!(汗)」



「綺麗に撮れてるし、皆様のオカズにどうぞ・・・みたいな」



「バカじゃないの?」





しかし、ここでアタシは思い出していた。




その投稿サイトでは

その写真や動画1枚づつに

題名が記載されており、

「うちの40歳の嫁です」とか

「僕の彼女です 25歳です」とか

「ただのセフレです」などと書いてあったことを・・・・・・




仮に彼なら

どういう題名にするのかが妙に気になった。

もちろん、そんな題名など、ふざけたお遊びなのだけれど

とにかく無性に気になった。





「ねぇ・・・・・もし 仮によ?

投稿するとしたら どんな題名にするの?

ちゃんと 彼女ですって 書いてね」










すると彼からの返信には

こう書いてあった。

上手く伝えられた訳では無いし、

ハッキリ言った訳でも無い。


でも、アタシが言おうとすることを

なんとなく理解してくれたのかしら・・・・



お互い、別の家路へと帰ったあとから少しづつ、

今までの曖昧な関係とは

変わってきた気がする。



彼の言葉の端々に

アタシを寂しくさせないようとする気遣いが見られたり

少しばかり拘束するようなことを言ったり。



「アタシね・・・アナタが

俺だけにしとけ って言ってくれて

実はすごく嬉しかったの」


なんて・・・アタシまで

ヤケにしおらしい発言が出来たりして・・・・・






「彼氏、作って良いんだからな」

「遊んでも良いんだぞ」


数ヶ月前までアタシに度々言っていたこの言葉を

一切、口にしない代わりに


「逢いたいと思っているのはユウキだけじゃないから」

なんて・・・らしくない言葉を電話の先で囁くようになった彼。



そんな時、アタシは細い声で

「うん・・・」と一言だけ応えたりする。




「もう・・・俺のだけ、突っ込んどけ(笑)」


「うん・・・・(笑)」






平凡を好まない二人は

時に刺激を求め合い、

波を立てたり立たせたりしあってきたし、

それはこれからも変わらないだろう。





先日、テレビで男性司会者が言っていた。


「男は安心させちゃ駄目!

遠くに住んでいてたまにしか逢えないなら、なおさらのこと。

信用はしているんだけど

ふと、目を離した隙に誰かに言い寄られて無いだろうか?と

少しばかりドキドキさせられたい」



この話を聞いていたゲスト陣は

「え~?」などと返していた人も居たけれど

アタシは その男性司会者と彼をだぶらせ、

納得せずには 居られなかった。

彼がまさしく、そういう男だから。



だからってアタシも

今までわざとにそういう風に仕掛けてきたわけでは無い。


でも結果、彼にとっては

それが引き金となり、その度に奮い立たせてきた訳だから・・・・







しかし刺激ねぇ・・・・

今は、他の男の影をちらつかせるのはタブーよね。




うーん・・・もっと別の刺激を・・・・・



考え抜いた末、

以前から彼に頼まれては却下していたエグいことに

取り組んでみようと思った。







それも彼が思っている以上の出来栄えで差し出そうと・・・・(苦笑)




「アタシね・・・・」





もう 時効よね?


言えなかったことを、

この20年ずっと言いたかったことを

この異国の地で

このタイミングで彼に伝えたかった。



19で出会ったとき

彼には既に奥さんが居た。


どうせ 一度きりなんだからとデートに応じ、

最初で最後になるだろうベッドを共にした。



しかし・・・・節目節目で

この関係を終わらせないタイミングが度々訪れ、

一度きりになるはずが 腐れ縁の四半世紀・・・・・




きっと・・・ここまで続いたのは


アタシが都合の良い女のフリをしてあげたから。

重い女じゃなかったから。

弱音を吐かなかったから。

地雷を踏まなかったから。




でも・・・・本当は・・・・・




「うん・・・・なんだよ?」

彼が興味津々な顔つきでソファーから身を乗り出して聞く。





「アナタと出会った頃・・・

アタシが19歳のときね?

ほら・・・・歳の差がひとまわりもあるじゃない?

だから アタシ、めいっぱい大人になろうと背伸びしたの」





そこまで言いかけたところで

ここ数年で感じたことの無いような感覚に陥った。


まるで今から愛の告白をするみたいな

ありえないくらいの胸のドキドキで自分自身が戸惑う。




手を軽くグーにして

アタシは自分の胸をトントンと叩きながら

話を続けようとするのだけれど



「あぁぁ・・・・・・もぅ ダメ!(笑)

アタシ、なんでこんなにドキドキしてんのよ!?」

思わず言うと



「ん?どうしたんだよ?

まぁ・・・急かさないから追々聞くよ」

・・・と 彼が笑った。



「うん・・・・」


ずっと・・・言っちゃいけないと封印してきた言葉だから

こんなにドキドキしちゃうのかしら。





その後、お酒を呑みながら

話題の方向性を変えたアタシ達は

何気ない昔話に華を咲かせていた。





「でもさ・・・ユウキは なんだかんだ言って

色々な男と付き合ってきたじゃん」



それを言われた瞬間にさっきのドキドキが

また押し寄せてくる。



言うべきか・・・・・言わざるべきか 迷った挙句

アタシはその言葉に向けて反論するように応えた。



「そう・・・・さっき言おうとしたのは それよ!


寂しかったの・・・・


でもそれをアナタには言えないと思ったわ。

言ったって困らせるだけと思ったの。


アナタはそういうウザい女が

イヤなんじゃないかと思ってたし・・・・・


だからアタシはずっと強い女を気取ってたの。


で・・・・その寂しいやり場の矛先は

アナタもご存知のとおり、

アタシを必要としてくれて

優しい言葉をかけてくれる男性へ・・・・って感じで・・・・・」






すると彼は

なんとも言えないような

でも、納得したような表情をして


「なるほどね

寂しいから他の男のところにフラフラとね・・・・」



アタシはドキドキしながら小さく頷きつつ、

彼に対してまだこんなにもドキドキできる自分に

驚いていた。







「今までもこれからも大好き」


・・・・・などという半ば告白めいた言葉も

付け加えたかったところだったけれど

異国の地パワーをもってしても

これがイッパイイッパイだったらしい。

いつもと違う風景・・・

いつもと違うシチュエーション・・・



いつにも増して高揚した気持ち・・・



やはり 知らない土地で逢うと言うのは

ひどく開放的になってしまうものなのね。





結婚式を終えた彼と合流したのは夕方・・・




初っ端からちょっとしたハプニングがあったことが

余計にお互いの気持ちを昂らせる。



駅前から 地元の人しか乗車しないような

普通の路線バスに乗り込み、

予約していた温泉町へ向かう。



いつもなら・・・ 

キョロキョロするところだけれど今回は違う。



誰も知る人が居ない その土地で

そこがバスの中であろうと

何処だろうと躊躇することなく

彼を受け入れることが出来る。



例え・・・・エッチな手がスカートの中に

滑り込もうとも彼に身を委ねてみたり・・・・




バスを降りると

そこからタクシーに乗り換え

目的の旅館へ・・・



細い路地、そして坂道を上っていく風景が

昔、行った熱海の雰囲気を思い出させた。



アタシが地元でよく行くような

大きな温泉ホテルとは一味違い、

暖かな雰囲気の旅館だ。



フロントの人が丁寧に

あれこれ説明してくれる。


あぁ・・・アタシ 本当に東北に来ているんだな・・・と

思わざるを得ないほど

言葉のイントネーションの違いに

彼と顔を見合わせ、

笑みを浮かべながら応答した。



お部屋に通されると

ツインのベッドと畳がある二人では勿体ないほどの

大きなお部屋・・・



今回、この旅館を選んだ一番の理由は

食事が朝夕共に

部屋出しだったから。



彼とはこの20年で何度か温泉に行っているけれど

お酒を飲む彼にとって

食事が違う場所でというのは

落ち着かないみたい。



「今夜はベッドにする?それともお布団敷いてもらう?」

などとアタシが聞いているのに

畳に押し倒してくるところがなんとも彼らしい。




「なぁ・・・さっきのバスで・・・・ユウキ すげーやらしい顔してたわ

頬なんか高潮しまくってて」



「ふふ・・・アタシにしては珍しいでしょ?

ちゃんと応じるところが」



「だよなぁ・・・いつもなら お預け食らうもんな」



「なんたって 異国の地パワーですから(笑)」





お互い、バスの中の余韻が冷め遣らぬ状況の中、

アタシは服を着たまま畳の上で彼に抱かれた。




「アタシね、

今日ここに来たら

アナタに話したいことがあったの」






いつもと違う風景・・・

いつもと違うシチュエーションが

今まで彼の前で虚勢を張ってきたアタシを

素直にさせようとしていた。







「アタシね・・・・・・・」

「逢いたいのは やまやまだけど

今月はなぁ・・・忙しくて。


○日は仕事だろ・・・?

翌週はうちの子供の運動会だろ?

その次の週は結婚式で東北だろ?・・・・・


ん・・・・?

そっか・・・俺 結婚式で東北行くんだっけな


あ・・・・!そうか!

来るか?

ユウキ 東北まで来れるか?!」




アタシは考える間もなく

「行く!自腹でも行きたい!」と即答していた。



何の用事も無く、

彼だけのために自分から動くのは

18年ぶりかも・・・・



待っていたら そのうち来てくれるって

ずっと彼に甘えてきた。



でも 今回は自分から飛んで行ってでも

逢いたいと思った。



20年近く時が経っても

未だにこんな気持ちで居られることを

自分で不思議に思う。




それは今までの曖昧な関係に

終止符を打つような

アタシを拘束するひとことが聞けたから。



「遊んでも良いんだぞ」


「彼氏、作っても良いんだからな」

などと 散々言われ続けて

その度に笑って切り替えしてきたけれど

実際はイヤだった。





寂しくて

自分を必要としてくれる誰かを探して

優しい言葉を誰かに言われたくて

散々寄り道を繰り返してきたアタシ・・・・・



でも・・・

ずっと言われたいと密かに願ったそのひとことで

アタシの中から何かが溢れ出るくらいに高揚した。






更に・・・・


「逢いたい」

「好きだよ」

という言葉は聴けても

一度も交わされなかったその上の一等級の言葉


「愛してる・・・」


これを彼の口から聞けたとき、

アンフェアな関係とか

不貞とか

不倫とか

ビジネスパートナーなんてことじゃなく

確かにアタシたちに流れてきた

20年の時の重みを感じたんだ・・・・




もう・・・

他の誰も要らないって思えた。


やっぱり・・・

この人がNO,1だって

今更気づかされた。











いつもと違うテリトリーで逢うってことは

気持ちも開放されるだろうなぁ・・・




なんて異国の地に思いを馳せながら

バッグに荷物を詰め込んでいた。