リリスは寝ることが大好きです。何をしている時が1番好き?なんて聞かれたら食い気味に「寝ている時です。」と答えます。



温かいお布団にくるまって、うとうとと微睡んでいるのが好きという人は多いですが、リリスはぐっすり眠っているのも好きなのです。(意識はないため楽しい、と表現するには無理がありますが、この時リリスは間違いなく幸せを感じています。)





夢だってたくさん見ています。マリオになってブロックにヘディングしたり、イギリス魔法界の英雄、ハリー・ポッターと一緒にデスイーターを倒したり、落下する夢を見てジャーキング現象を起こしたこともありました。


そして、これらは全て授業中にみた夢なのです。リリスは学校の授業中もよく眠ります。毎日6限中4限以上寝ていた時期もあったくらいです。(リリスが毎日徹夜していた訳ではありません。)



そんなリリスですが、不思議なことに授業開始と同時に寝始めようと、30分後に寝始めようと、チャイムのなる5〜10秒前には目が覚めるのです。




世の中には時計を見ずとも時間をほぼ正確に当てられる人が存在しますが、リリスもその内の1人です。とはいってもこの能力によって授業終了直前に目覚めることができているのかどうかはわからない、と言わざるを得ません。彼らの大多数は時間を当てる際、少し考える時間を必要とします。リリスもそうです。


しかし、睡眠中で考えることができず、周囲の環境もその時々によって変化する状況下で、一体何によって自分が時間を把握しているのかリリスにもわからないのです。






ところで年齢と共に睡眠時間が変化する、ということは自明のことと思いますが、大抵の場合歳を取るにつれて睡眠時間は短くなるものです。ですが、リリスは明らかに小学生の頃より最近の方が長い時間眠っています。



何せ、小学生の頃は夜な夜な兄と死闘を繰り広げていたからです。リリスは交戦的な性格ではありますが、血を分けた兄弟と殺し合いをするほど猟奇的な人間ではありません。


手塩にかけて育てた「ポ」から始まって「ン」で終わる生物を戦地に送るあのゲームです。リリスは兄に勝ったことが一度もありません。リリスの1番好きなキュレムをもってしても勝てないのです。(余談ですが愛らしさからメスだと思っていたマナフィがオスだと知った時のあの衝撃は一生忘れられない、とリリスは思っています。)


愛しい我が子を傷つけるばかりでリリスはとても悲しく、毎晩泣きたくなりました。兄には幼い妹を傷つけることに対する罪悪感はなかったのです。




(おっとっと)
いつの間にか話が逸れてしまったことにリリスは気がつきました。つまり、リリスは寝ることが本当に大好きなのです。リリスは1日に17時間寝ていたこともありました。



アルベルト・アインシュタインだって10時間寝ていましたし、リリスはたくさん寝れば彼のように天才になれるかもしれない、と思いました。そして野比のび太は12時間寝るのだったな、と思い出し、紙一重と言えど馬鹿にはなりたくないな、とも思ったのです。


しかし、リリスは今の自分はアインシュタインよりものび太に近いのではないか、と考えてがっかりしました。


最近のリリスは夜中の3時に寝ます。朝の10時にモーニングコールがかかってくるので、起きたくなかった、と思いつつ、やっぱり寝足りないので10時から11時まで二度寝をします。


これ以上眠っていると怒られてしまうので仕方なく起きてお昼ごはんを食べます。そうしてお腹が満たされたらやっぱり眠くなるので2時から5時まではお昼寝をするのです。リリスはわかっています。問題が発生するのはいつもこの時なのだということを。






寝起きの電話は親からと相場が決まってきます。なのでリリスはわざわざ発信者を確認したりしません。(寝起きでそこまで意識が回らない訳ではありません。)



📞〜〜♫
学校の担任「○○学校の□□です。」
(おっと。明らかに寝起きとバレる声をあげてしまいました。)


リリスは去年も同じようなことがあったのを思い出しました。リリスはテンション高めでノリノリで電話を受けてしまったのです。



また別の寝起き電話では、


📞〜〜♫
バイト先の店長「△△です。(採用の連絡)」
(おっと。親や友達に対するようなノリで受けてしまいました。)


これはもしや、やっぱり不採用にします、と言われるのでは、とリリスは頭を抱えましたがきっと大丈夫だろうと思い直しました。


リリスは楽観的なのです。


リリスのモットーは「なんとかするしなんとかなる」ですから。



とはいえ、こうも電話での失敗が続くと流石のリリスも反省します。しかし、喉元すぎてあっさり熱さを忘れる、それがリリスです。


驚くほどあっさり忘れてしまっても、リリスは自分が再び同じ失敗をすることはないとわかっています。リリスは既に対策をしているのです。




リリスはこれでぐっすり心置きなく眠ることができると考えました。リリスには昼寝をしないという選択肢はありません。


そんなリリスですが、そろそろ瞼が重くなってきました。それでは皆さま、おやすみなさい。いい夢を。