小さなシステム開発会社では、プログラマが、直接ユーザーと話をしたり、文書をやりとりすることがある。そういうときに、「プログラマの言葉」を使ってしまう人がいるのだ。
例えば、
「この画面の商品名ラベルには、商品IDをキーにして商品テーブルを検索し、発見したレコードから商品名を取得して表示しています。」
といった具合である。
いわゆるエンドユーザー(つまり、普通の人)には、このようなプログラマの言葉は理解できないだろう。
「商品テーブル」がデータベースの「表」のひとつであることは、プログラマであれば容易に察しがつく。しかし、普通の人にとって、「テーブル」といえば、「食卓」だ。
「商品ID」のような言葉も、画面などに全く表示されないのであれば、ユーザーには通じないと考えるべきだろう(※)。
ユーザーがシステムについて、見たり触ったりするのは、画面や印刷物である。エンドユーザーに語るときは、そうしたシステムの外面(外部設計)に現れる言葉だけを使うようにしたい。
例えば、上記の文章は、
「この画面の商品名の欄には、商品管理画面で登録しておいた商品名が表示されます。」
のような表現になるだろう(もちろん、ここでは、「商品テーブル」が「商品管理画面」でメンテナンスされるという前提である)。
当たり前のことではあるが、ユーザーと話をする時は、ユーザーが理解できる言葉で語るようにしよう。
※「商品ID」が、システムを作る前から業務で使われていた言葉なのであれば、ユーザーにも理解できる。しかし、それがシステム化のために便宜的に作った「内部的な」コードである場合は、ユーザーには理解できない。
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