48冊目「雪の女王」

原作 ハンス・C・アンデルセン
文 ナオミ・ルイス / 絵 絵ロール・ル・カイン / 訳 内海宜子

ほるぷ出版 1981年 第1刷発行

 

今さらながら、

アナ雪の原案の作品ってどんなんだったかな?と読んでみました。

勉強不足、お恥ずかしいかぎり。

 

アンデルセン童話なので、いろんなバージョンがあるようですが、

今回手に取ったのは、こちらです。

 

あらすじです。

貧しいふたりの子、男の子のカイと、女の子のゲルダ。

ふたりは兄妹ではないけれど、お隣に住んでいて、とても仲良し。

 

冬のある日、カイはそり遊びをしていて、ある大きな白いそりに自分のそりをつないで遊ぼうとしましたが、

外すタイミングを失っているうちに、町の外へ出て、遠くまできてしまいました。

 

その馭者こそ、雪の女王だったのです。

カイは、雪の女王の力で、ゲルダのことも何もかもすっかり忘れてしまいました。

 

ゲルダは、カイが帰ってこないことをなげき、心配し、

春になってカイを探し始めました。

 

川でボートに乗り、夏の帽子をかぶった魔女に出会います。

魔女は、ゲルダが気に入り、自分の手元におきたいと魔法をかけますが、

バラの花たちに指南され、カイのことを思い出し、旅を続けます。

 

秋。一羽の大きなカラスから「どこからともなく現れた男の子が、その国の王女様と結婚した」という話を聞き、そのお城に連れていってもらいました。

しかし、そこにいた男の子は、カイではありませんでした。

王子と王女は、ゲルダの話を聞き、服や旅行用のブーツやマフをくれた上、

食べ物をたくさん積んだ二頭立ての馬車にゲルダを乗せてくれました。

 

キラキラ輝く馬車に、山賊がよって来てとらえようとしましたが、山賊の娘に助けられました。

そこで、娘のペットのハトから、カイのことを見たことがある、雪の女王と一緒だった、きっとラップランドに行くところだったんだろう、という話を聞きます。

 

山賊の娘はその話を聞き、トナカイにゲルダを雪の女王の宮殿まで連れていくように言います。

 

やっとラップランドにたどりつくと、そこのおばあさんから、フィンランドのおばさんのほうが詳しいはずだ、と紹介されます。

 

フィンランドのおばさんから、カイは雪の女王に魔法をかけられている、ゲルダのまごころだけがカイを連れ戻せる、と聞き出発しました。

 

ゲルダはとうとうカイのもとにたどり着きました。

ゲルダの涙がカイの凍えた心を溶かし、ゲルダの歌で正気にもどりました。

 

再会したふたりは、また遠い道のりを帰路につき、とうとう自分たちの住む町までもどることができました。

 

 

 

絵本とはいえ、まあまあのボリューム。

その分、内容も描写もしっかりでした。

 

カイを思う、ゲルダの行動力。

途中のフィンランドのおばさんの言動の中にある、

ゲルダがこれまで持ちこたえてきた力の大きさ、あらゆる場所で人や生き物に助けられてきたこと、

たった一人で世界中を歩いてきたこと、それ以上の力なんてない、

という主旨の言葉。とても沁みました。

 

最近「やるかやらないか」でしかない、みたいなことが時々目や耳に入るんですが、

まさにゲルダはやり遂げた人、ですね。

 

アナ雪、全然違ってて。

逆に、この原作からあの物語を発想するイマジネーション。それもすごいかも、と思いました。

 

今日はこの辺で。