根拠法:行政代執行法
行政代執行法1条の「法律」に「条例」は含まれない
⇒代執行には条例も含まれるが、代執行以外の義務確保手段に条例は含まれない
⇒代執行以外の義務確保手段には個別の法律が必要である
⇒代執行は条例、命令、規則によって行う事ができる。
代執行できる義務は「代替的」「作為的」であることが必要
⇒第三者が現実に義務者に代わって履行できる内容であること
⇒Ex.営業の停止、立ち退き義務、明け渡し義務等は含まれない
◆執行罰
他人が替わって履行できない義務を履行しない場合に一定額の「過料」を科すとして心理的強制によって将来へ向けて義務の実現を確保する制度。
⇒将来へ向けて義務履行を促すものであるため、実現まで何度でも科すことができる。
⇒執行罰と行政刑罰は主旨が違う制度なので併用可能
⇒行政刑罰は過去の義務違反に対する罰金(制裁)であり1度だけ科すことが出来る
現存するのは砂防法36条のみ
◆直接強制
義務者の身体・財産に直接強制を加え、義務内容を直接的に実現する手段
⇒特別法で例外的最小限に許される
◆強制徴収
金銭給付義務を履行しない場合に、金銭債権を強制的に実現させる手段である。
個別の法律根拠が必要であるが、国税徴収法の滞納処分の例を準用している場合が多い
⇒ただし、「国税滞納処分の例による」という明文規定が必要
⇒実際には国税徴収法が強制徴収における基本的な役割を果たしている。
◆即時強制
行政機関が①義務を命じる時間的余裕が無い場合、②あらかじめ義務を命じる方法では目的を達成できない場合に、事前に義務を課すこと無く国民の身体や財産に強制力を加え、目的を実現する制度
⇒法律の根拠は当然必要
即時強制は行政上の強制執行でないため代執行法1条の適用を受けない
⇒行政上の強制執行とは、行政上の義務違反に対して義務履行を確保する作用
⇒ex.代執行、執行罰、直接強制、行政上の強制徴収
⇒条例によって規定することができる
問題点:即時強制は法律行為ではなく事実行為なので司法的救済方法が限定される
①即時に完了する場合…行政不服申立や取消訴訟が時間的に不可能
⇒事後的に国家賠償請求訴訟を提起するしかない
②継続的事実行為の場合…現実的に救済が可能であるため行政不服申立や取消訴訟可能
◆行政調査
行政目的実現のために行われる情報収集活動
⇒ex.質問検査や立入検査
任意調査において法律の根拠は不要であるが、間接強制を伴う調査、強制調査においては法律の根拠が必要である。
◆行政罰
行政上の過去の義務違反に対して制裁として科される罰をいう
強制執行と行政罰の違い
強制執行…義務を科すことにより将来に向けて実行を強制
行政罰……過去の義務不履行に対する制裁
⇒制度目的自体が違うから併用可能
行政罰には根拠法が必要である
⇒憲法31条の罪刑法定主義は行政法にも適用される
⇒政令や条例によって科すことも可能である
行政刑罰…重大な義務違反の場合
直接的に行政上の目的を侵害し、社会法益に侵害を加える場合に刑法典の刑を科す
⇒刑罰を科す、刑法総則の適用がある、刑事訴訟法の適用がある
執行罰…軽微な義務違反
間接的に行政上の秩序に侵害を及ぼす危険があるにすぎない場合に過料を科す
⇒刑法適用無し、非訴事件手続法の適用を受ける、地方自治法に基づく過料あり
⇒国の行政活動においては非訴事件手続法が適用され、地方裁判所が主体となる
⇒地方公共団体の行政活動においては地方自治法が適用され、首長が主体となる