2018 FIVB Volleyball World Championship - Men -
各国のリーグもプレーオフを終え、国際シーズンを迎えています。ヨーロッパでは、5月23日から28日まで2018年世界選手権の予選がプールAからFまで6チームごと6か所に分かれて第2ラウンドが繰り広げられています。試合開始は日本時間-7~8時間なので、夜10時から3試合を、6サイト分を追いかけるのはかなり難しいです。現地時間で見ることが出来るのは快適です。ヨーロッパからの出場枠は39か国。第1ラウンドから勝ち上がったチームと第2ラウンドから出場のチームの中から、世界選手権に出場出来るのは7か国。開催国のイタリアとブルガリアと、前回優勝のポーランドを合わせた3か国はすでに出場権確定。今回の世界選手権にはヨーロッパからは10か国。アジアAsia4アフリカAfrica3ヨーロッパEuropeItaly&Bulgaria (hosts) + 8南アメリカSouth America2北中アメリカNorth, Carribean and Central America5第2ラウンドは、オランダ、フランス、スロヴェニア、エストニア、クロアチア、チェコに分かれて開催されていますが、ロンドン五輪金メダルのロシアや前回欧州選手権優勝のフランス、去年のワールドリーグ優勝国、セルビアでも予選に出場して、勝ち抜かなくてはならない世界大会に出られないヨーロッパのレベルをどう思いますか? 第2ラウンド6チーム総当たりで1位のチームは本戦出場権、2位のチーム6チームで第3ラウンドで1位が出場権を得られます。これがヨーロッパ選手権であれば、更にファイナルラウンドがあって、全体の1位を決めますが、今回は世界選手権の予選という位置づけです。ちなみにアジアバレーボール連盟の加盟国が現在最も多く65か国。ヨーロッパは55か国です。コソボが出場しているのが感慨深いものがあります。 チャンピオンズリーグ、CEVカップ、CEVチャレンジカップ、そして各国のリーグ、カップ戦を経て、この5月の大会に挑む選手たちのタフさ。 日本のプレミアリーグを制した東レアローズのジョルジェフ選手のマケドニアは予選にすら出場していないのです。日本の各チームがそのマケドニア出身の彼に散々苦しめられたのに、世界選手権には出場するチャンスすらないという。 ポーランドはヨーロッパ以外の国々と親善試合をして強化に努めています。5月29日よりイタリアのナポリでアルゼンチン、イタリア、そして日本でヴェスヴィオ・カップがあります。これはワールドリーグ前の強化の一環になりますね。2か国による共同開催 日本の場合、男子はアジア予選がありますが、女子は開催国ということで予選はありません。ワールドカップといいながら日本恒久開催、世界選手権もそのような感じ 世界では各カテゴリー大会も行われています。U21パンアメリカ(ブラジル優勝) タイで行われたU23女子アジア選手権。日本が優勝。カザフスタンでアジア女子クラブ選手権も開催中です。日本は久光製薬が出場。東アジア地区選手権では日本男子が優勝。 中国では第13回全国運動会が行われています。日本の国体のようなものと考えてくださっていいのですが、4年に1度の開催ということで各省、直轄都市別で全競技を競い合うので非常に重視されています。 特筆すべきは、河北省の朱婷でしょう。トルコのヴァクフバンクでエースとして君臨し、チャンピオンズリーグ、国内リーグを制し、先日の神戸で行われた世界クラブ選手権でも優勝。そして、今、中国の全国大会を戦っています。 余りに負荷が大きくて潰れるのではないか?と心配するかもしれませんが、バレーをすることが仕事なので、日本の選手たちとはメンタリティが若干違っています。 世界一線級の選手たちは、オフが必要であれば、申し出たりしますが、クラブシーズンが終わって代表に招集されて、それを辞退したり拒否するというのは、次に自分が戻りたいと思ってももうチャンスもないことを表してもいます。 クラブの監督は監督で勝つことを追求しますが、代表監督もそこで結果を残すことに貪欲ですから、トップレベルの選手は当然試合数が多くなります。 どのレベルでも、怪我はつきものですし、どの選手も必ず引退の時期を迎えます。日本ではレギュラーラウンド21試合、ファイナル6で3とファイナルを合わせてマックスで、29試合。天皇杯や黒鷲を合わせても、1年に真剣勝負の試合は40試合程度。勝ちあがらなければ、もっと少ないわけです。 長期休暇と呼べる程長くもない休みの後に長いオフシーズンを練習を中心に過ごす日本のチーム。 40試合を多いと考えるか少ないと考えるかはそれぞれですが、4か月のシーズンを戦った後、若くて怪我もないまだまだできるような選手が、あっけなく辞めることは珍しくありません。辞めたくなくても、大きな怪我を背負いリハビリに費やす現実もあります。 日本の選手の中で辞めたい辞めたいと言いながらやっている選手は、ほんとに辞めてしまえばいいと思います。世界を見渡せば、人生を賭けてバレーボールに取り組んでいるプレーヤーはたくさんいます。 また、辞めると言って、周りを困らせておいて、慰留されて結局そこから何年もやる選手もたくさんいます。引き止めてもらえることを知っていて、辞めると言い出す選手もほんとに一切競技から足を洗えばいいと思います。私はノルウェーでストレングスコーチも、セラピストも、ドクターもアナリストも、マネージャーもいない中で、それでも選手の有志で大会に出場してきた8年を思うと、日本の企業チームがどれだけ恵まれているか、泣けるほどわかります。観客が数人しかいない会場でリーグ戦を戦ったこともありますし、高校生に車を運転させて試合会場に向かったこともあります。今回クロアチアで戦っている教え子たちも、勝てないとしてもバカにすることはできないどころか、この予選にこぎ着けた大変さを想像するだけでも頭が下がります。 ブラジル、セルビア、ロシア、中国などには家族を養うためであったり、貧困から抜け出すためにプレーしている選手もいます。アメリカなど国内リーグがない国で、代表にプライドを持ち、オリンピックというものを目標にする選手もいれば、代表には縁はなくても、出来るだけ長く現役を続けたい選手もいます。トルコやアゼルバイジャン、または中東のチームに移籍し、リッチになるためにやっている選手もいるでしょう。 目的はそれぞれ違っていても、バレーボールという競技に対する思いは、身長が高いということで中学高校とレールに乗せられて続けている選手や、辞めても社業をする会社員日本人の選手には伝わらない部分もあるのも確かです。 今回、ノルウェーも第2ラウンドのプールE、クロアチアのザグレブで戦っています。ノルウェーは、相変わらず試合や合宿の経費は自己負担、私がいた時から状況は好転しているとはいえません。優秀な選手はビーチに転向、経験のある選手は家族優先、何とかTVNの卒業生の頑張りで保てています。 今回のメンバーは、2011年のユニバに出場した選手が3名、それに2014年のU20ヨーロッパ選手権に出場した選手が6名に、TVNに在学中の高校生が2人と、国外リーグを経験している選手はメンバー入りしていないなど、ヨーロッパを勝ち抜くには、まだまだ実力不足は否めません。それでもクロアチアともベラルーシにもセットを取るなど些かの健闘は見せています。つくづく、2011年から継続的に強化を続けていれば、もう少し上を望めたのではないかと思うと、悔やまれるところです。イタリアでプレーするJonas Kvalenは、ポーランド→ベルギーとキャリアを積み重ねているドイツのFriedrichshafenでプレーしているAndreas Takvam(#4)身長201cmで最高到達点365cm、ドイツの前はポーランドのKielceでポーランド代表ビエニエクと対角を組んだ。JonasとAndreasでビーチのヨーロッパ選手権も出場したことがある。 ベルギーのNoliko MaaseikでプレーしたAnders Molハワイ大学でNCAA1でベスト4に入ったHendrik MolMol兄弟は二人ともビーチバレーでヨーロッパチャンピオンビーチバレーワールドツアー横浜グランドスラム大会でも来日。その他にビーチで世界選手権銀、ヨーロッパ選手権金のChristian Sorum、堺ブレイザーズで修業したSigurdvan Festoyも加えて徹底的に鍛えていけば、もう少し可能性が拡がるはずでした。 せっかく小さな一歩を踏み出し、将来への可能性を感じながらも、2014年にノルウェーを後にした私です。そこから丸3年が経ちました。強化に関しては逆行していることが歯痒いところです。体格や身体能力では優れた人材がおり、ジュニアレベルでは何とか世界と張り合っていながら、シニアでは中々勝ちきれない・・・・というのはどこかの国でもよく聞く台詞。 ノルウェーの場合は国をあげて強化をしていないので、ウインタースポーツに比べて予算が割かれず、バレー選手は費用を自己負担を強いられる環境。国際試合を毎年開催し、ナショナルチームの動向をメディアが伝え、国外遠征もでき、各国際大会にも派遣され、豊富なスタッフもいる日本とは状況が違います。 今度は母国のバレー、そしてクラブのバレーを世界に向けて胸を張って発信していくべきでしょうが、色々な意味で、閉塞感は感じています。東京オリンピック。開催国として出場が約束された状況の代表チームのあり方、野球や、Jリーグ、Bリーグに匹敵するような魅力的なリーグへ向かえるのかどうかも、微妙なところです。 私の立場でこういっては始まりませんが、タラフレックスのコートでもなく、地上波で放送されるでもなく、また、チャレンジシステムが導入されたといえども、ビデオモニターがないなど、不備な点も多く、観客動員数も採算をとれるほどではありません。各国のプロリーグに比べて魅力的かといわれると自信を持って言えない。 最も大事なこととして、どんなバレーボールを作っているかだと思います。頂点を目指して、切磋琢磨していく方向が、今世界でトップをとっているチームの概念ものとかけ離れていないでしょうか。従来のやり方にこだわって、それに盲目的に従っていても、本当に行きたい場所にたどり着けるか、誰もわからないのです。分からないのに、新しいと思われること、違っているという部分を受け入れられずに、変われないでいる。本当は守らなければならないものなんてないのかもしれないのに。 頑張っている気持になってしまう。辛い所です。何事も結果を出す為には、一朝一夕ではありえないのです。気が遠くなるような長い道のりを、計画的に進んでいくこと。良い結果を出すまでの時間を待ちきれない社会です。たくさんの失敗をしながら、信念を貫いて、粘り強くやり抜くことでたどり着ける境地があるのではないでしょうか。