はじめに

 いろいろと勉強して少しずつものにできてきたので、情報共有と勉強の記録のためぼちぼち書いていきます。

 僕の専門は考古学ですが、仕事の関係で保存処理や精密分析も担当しています。

 また、それらとは別で昨年度から3次元計測、GIS、GMMについても勉強しているところです。

 単純に楽しいので、ぜひ他の方も取り入れていただければ幸いです。

 (ラフな書き方なので、詳しく知りたい方はご自分でお調べください)

 

3次元計測

 3Dモデルを作る技術です。レーザーを使ったり写真を使う方法があります。

 最近だと首里城の復元が話題になりました。

 

 みんなの首里城デジタル復元プロジェクト

 

 従来、考古学では実測図や写真で記録・保存をしていましたが、3次元計測はこれらに置き換わる可能性をもつものです。

 

図1 実測図の例

 

 図面が下手なのでお恥ずかしいかぎりですが、このように特徴的な点を「縦に〇cm、横に〇cm…」や、紙の上に置いて外形の真下に点を打ち、それらを線でつなげるなどして、できるだけ正確な形を写し取ろうとします。また、正確な形を写し取ることも非常に大切ですが、実測者が観察し、読み取った特徴をまとめることもより重要です。

 それに対し、3次元計測は3D情報ですから、パソコンやスマホ上でくるくる回してみることができます。断面図もすぐに・何度でも作ることができます。しかも、実測図ではせいぜい50点くらいの測点ですが、3次元計測なら何万点もの測点を自動でとることができます。テクスチャといって、モデルに写真を貼りつけることもできるので、遠くの人に見せるのにはとても有効です。

 もちろん、実測図にも3次元計測にも誤差はあります。大事なのはその誤差が許容範囲内かということです。

 詳しいことはまた書きます。試しに、僕がとったモデルを見てみてください。

 

 モデル例

 

 おすすめの文献は以下のとおりです。

 ・第 1 回考古学・文化財のためのデータサイエンス・サロン予稿集

 ・第 2 回考古学・文化財のためのデータサイエンス・サロン予稿集

 ・デジタル技術による文化財情報の記録と利活用2

GIS

 地理情報システムのことです。地図にいろいろな情報を入れ込んだり重ねたりして活用する技術です。
 行政では林業や防災に使われることが多いようです。
 一般の方になじみがあるのはGoogle mapでしょうか。
 あとは地理院地図もGISです。(地理院地図の説明はコチラ
 
 これを使えば、いろいろなことができます。
 詳しくは奈良文化財研究所(奈文研)の研究報告にまとめられています。(GISや3次元計測についても書かれています)
 ↑これはすごくわかりやすいです
 
 GISについてもぼちぼち書いていきます。
 

GMM

 こんなことができます。
 考古学ではモノを集めて→分けて→順番を考えるという方法をとっていますが、これは「分ける」革命的な方法です。
 もともと生物学や植物学で生まれた方法で、形の特徴による分類をパソコンでやっちゃう方法です。
 これまで、考古学では「ちょっと外側に反っている」とか「底が分厚い」といった見た人の主観が入った分類を使う例もありました。
 しかし、先述した3次元計測とGMMを併用すれば人間の主観を極限まで排除した分類を行うことが可能になります。
 まあ、GMMは「かたち」の分類なので、実際に考古学で行われている色とか混入物による分類は人がやるしかないんですけどね。
 
 これは先日教えてもらったばかりであまり習得できていないので、そのうち書きます。
 おすすめの文献は『文化進化の考古学』です。
 

まとめ

 こんな感じでぼちぼち書いていきます。

 やってみたら意外と簡単なので考古以外の方もやってみて。