9月18日、建築塾第21回目
です。
さて、第2課題も終わり最終課題の第3課題スタートです
おやおや
いつもより塾生が少ないですね
第4期が始まったときは14人もいたのですが・・・
この時期にもなれば、自然と淘汰されて、いつも半分くらいの人数になってしまいます
共に励ましあいながら切磋琢磨し、戦ってきた仲間が辞めていくのは残念ですが、建築塾はただの仲良しクラブではありません
建築塾は、面白くて楽しい面もありますが、同時に厳しい面もあります。
実際の建築の世界はもっと厳しい世界ですし、人生においても同じです。
建築塾も務まらない人は、社会に出ても務まりません
しかし、ここまで残った4名の塾生は立派です
第1課題の「住宅」、
第2課題の「アーティスト イン レジデンス」に続き、
建築塾最後の課題は・・・
「自然を受信する庭」
「庭」
「庭」と聞いて侮ってはいけません。
建築塾の課題の中で一番シンプルで、且つ奥が深い課題です。
「庭」と言っても、敷地に家を建てて余った部分に付随している庭ではありません
普通の庭のように、木や花を植えるのではなく、「自然」と呼ばれる沢山のものの中から、受信するものを選び、それを装置(=庭)を通して出力(=視覚化、聴覚化、触覚化、臭覚化)する、というのが今回の課題です。
前田は、
「庭こそ建築の最も原初的なものだ」と言います。
だからこそ、この最後の課題(庭)こそが、最も大切なものなのです
建築とは、何かが入力(自然、住まい手の感情)されたら、いつでもそれに応答し出力する「装置」でなければならない、という意味です。
それで、下が最初に渡される課題説明です
なんだか難しいですね~
しかし、僕たちの意外と身近ところにも、自然を受信する装置があるのです
その一つが、日本の夏の風物詩でもある「風鈴」です
風鈴は、ガラスなどの鐘の中に「舌(ぜつ)」と呼ばれる部品がついており、舌は糸を通して短冊などがつけられます。
その短冊が風を受けると舌が鐘に当たり。チリーンと涼しげな音が鳴る仕組みになっており、まさに「風」を受信し、それを音として出力(聴覚化)
する「装置」なのです。
同じように「ししおどし」も、水の重さで竹が石にぶつかり音を発し(聴覚化)、その音を聞いて初めて石と竹というものを感じることができる装置です。
まずは、どのような自然を受信するかを明快にしなければなりません。
「自然」といっても、沢山のものがあります。
光、風、雨、雲、雪、水、夕焼け、雷、虹・・・・・
捉え方によっては、都市の交通やネオンも「自然」と呼べます
まずは「自然」と呼ばれるものを、どう捉え直すかということから始めます
そこでこの日は、何を受信して、どう出力するかを考えて、「自然を受信する装置」の模型を作ってきました
■菅野正太郎
光を受信し、それを沢山の壁が立てられた装置を通すことで、グラデーションとして可視化する装置を考えました。
■八田直樹
吹いてくる風を受けて、敷地に建てられた壁がくるくる回るという装置を考えました。
■佐道大倫
北欧では極夜と呼ばれる、太陽が全く昇らない期間が2ヶ月あるそうで、その地域で、わずかな光を集める装置を考えました。
前田塾長も気になるその中は・・・
このようになっています
皆 ある程度、的を射ているのですが、ここからが大切です。
実際にその現象が起こる様を、言葉ではなく、動画やCGなどのビジュアルとして見せなければなりません
そのため、今回の課題ではプレゼンテーションに相当の重きが置かれています
第1、2課題とプレゼンテーションで失敗してきた4期生にとってリベンジのチャンスです
何度も言いますが、第3課題が建築塾 最後の課題です
そして、これが最も建築的であり創造的である、ということです
皆が納得のいく結果となるよう、期待しましょう
今週はこれで終わりです
次回もお楽しみに
前田紀貞アトリエ 尾茂田太