続きです。-いよいよ、核心に突入します。
42坪弱の庶民的戸建宅地に設備もそのメ-タ-類も完全に別個の
2軒の家を建てることができれば、それぞれ経済的に自立していますので
これほど、完全分離なことはありません。
宅地は間口約9.73M、奥行き約14.5Mの長方形、2軒分に分割するとして、
間口4.87Mです。できなくはない・・・
ただ、敷地21坪の建売住宅みたいな家になる。
2世帯住宅だからこその魅力を付加できないだろうか?
これでは庭付き一戸建てとは言えない。
1日中、陽が射さない1階の部屋っていうのも考え物だし、
2世帯がそれぞれ庭付き一戸建て感覚でその魅力を享受できる家とは・・・。
いっそ、2戸の庭をまとめて共用の庭にならないか?
室内が共用になるのと比べ、庭とか室外が共用であることは、
さして気兼ねにはならないのではないか?
屋外で会うのなら近所挨拶をすれば良い。プライベ-トが家ならば、
セミプライベ-ト、もしくはセミパブリックなファジ-な空間として
共用の庭が存在する。
ワタシにとって義理でも妻には実の親、
子供にとっては母方のオジイチャンとオバアチャンです。
そして2軒の家は非居室部分のみで接続する。
共用ゾ-ンで、プライバシ-を必要とする居住部分に
緩やかな距離感を生じさせることを目論みたい。
その距離は感覚的に1間半は欲しいと思いました。
問題は家のほうです。敷地間口から
二世帯の居住ゾ-ンに使える間口は1間半ずつしかありません。
奥行きもさほどあるわけではないし・・・
1間半で狭くないか?まるで電車かコンテナのような細長い箱・・・。
マンションなら6畳間がベ-スになります。8帖間はあまりありません。
6畳間が狭いという感覚ならば、大概の家は狭いということになります。
決して広くはありませんが、狭くもありません・・・
二階建てにして両端に居室を持ってくれば、
3面が外気に接する通風の良い明るい部屋ができます。
しかも2軒の家にはさまれた共用の光庭は周辺がどうなろうと
無関係に採光と通風を担保する空間になります。
いくつかのスタディを繰り返し、両家は中途半端な遠慮をして
「義理とはいえ親子なのだから水臭い的な気兼ねするプラン」でなく、
「いっそ薄情なくらいドライに割り切った完全分離」とする
ことで合意しました。
窓を開ければ声を掛け合える、最も近しい近所感覚の家造りです。
…続く