家族って何だろう?って考える。
幸せなものだって聞いた事がある。
でも、私のいたあの家は例外なんだろうとも思う。
父の顔色を窺って、怒鳴られない様に、機嫌を損ねない様に。
父がいる間はずっと、大人しく言うことを聞いて自分を守っていた。
私が悪い子だと母が悪者にされてしまうから、良い子でいる様に努力した。
「○○さん家の××ちゃんは良い子」
皆がそう言ってくれる様になった。
父は鼻が高い。
いろんな人の顔色を窺って、相手の言葉の裏を読んで…。
遠回しな言葉の裏にある、相手の求めている物を読み取って…。
要望に応えれば、良い子になれる。
真面目な良い子。
模範的な生徒。
友達が全くいないと、問題がある生徒とみなされる。
少しだけ、学生生活に友達は必要。
学校が決めた枠の中で生活していれば良い。
休みの日は、兄弟の面倒を見ていれば良い。
近所の子供の遊び相手を少しすれば、近所での評判もそれなりに上がる。
自分自身の感情は然程必要ない。
周りにとっての良い子である事が重要なだけ。
物心付いた頃には、両親の愚痴を聞いていた。
相手の悪い所を並べて、自分の不満を幼い娘にぶつけて…。
小学校に上がる頃には、温かい家庭なんて諦めていた。
家は食事と寝る場所が提供される場所。
寝る場所といっても、安眠できる場所ではない。
父の機嫌が悪ければ叩き起こされ、気が済むまでお説教される。
逃げたい。
でも、何処へ?
逃げられない。
楽になりたい。
どうすれば楽になれる?
死んだら、楽になれるのかな?
でも、私が死んだら、私の役目が他に移る。
誰に移る?
…妹。
弟妹にはこんな嫌な思いさせたくない。
だったら、我慢しなくちゃ。
今は我慢しよう。
早く大人になって、あの子達を守るんだ。
こんな嫌な所に我慢して住まなくても、逃げられる場所を用意してあげるんだ。
早く、大人になりたい。
6年生の時に、母から言われた。
「中学校は転校してもらうからね。おじいちゃんの家へ行くから」
あぁ、父から解放される。
今より不便な場所だけど、今より幸せに暮らせる。
大好きなおじいちゃんと一緒に住めるんだ。
不安と期待で迎えた春。
相変わらず、父と過ごしていた。
中学1年、2年、3年…
母からは「離婚するから、大学には行けない。出来れば、中学校卒業したら就職して」
父からは「大学まで行かせてやるから、しっかり勉強しろ」
毎月の様に言われていた。
どっちなんだろう。
大学に行きたい。
勉強したい。
でも、お母さんと行くなら勉強できない。
自分は諦めよう。
その代わり、弟妹には好きな進路を選ばせてあげたい。
高校に行けた。
選んだのは、県内で5本の指に入る高校。
レベルを落としての受験だったので、父に叱られた。
「田舎のお嬢様校」と言われる、のんびりとした校風の学校。
進学率、就職率ともに100%を誇る高校。
入学が決まってからその事を知った父は、嫌味を言うのを止めた。
父の指示で、資格を取れる部活に入った。
相変わらず、両親の意見は変わらない。
母は「中退」
父は「進学」
もう、どうでも良い。
弟妹が進路を自由に選べる様に、就職かお給料が貰える学校に行こう。
身だしなみは規定通りに。
成績は、真ん中くらいで。
良くも悪くも目立たない様に。
大学には行かずに、就職する道を選んだ。
家から徒歩15分の工場の就職試験を受けた。
2人の募集に、20人が応募していた。
結果は不採用。
直ぐに進路指導室へ行って、結果を伝えた。
担当の先生が、どこかへ電話をかけた。
「あ、○○さん?もう一人お願いできる?」
電話を切った先生が、履歴書を書いて直ぐに持ってくる様に指示を出した。
資料室へ行って募集要項のコピーを取り、父に見せた。
勝手に受ける企業を決めた事に対して文句を言っていた父が、態度を変えた。
2社目は、某マンモス企業。
本人が呆気に取られるほど、あっさりと採用決定。
家を出なければならないが、将来に対する不安は無くなった。
気紛れで書いたので、続きは書かないかもしれません。
続きが知りたい方がいらっしゃいましたら、コメントをお願いします。