10/17
(水曜日)
おねさん通院日

抗がん剤治療が始まり5日目から食欲が一切無くなり、愛情給餌をしていました。昨晩1度吐いてしまったおねさん。

水曜日は院長が休みで、ジェントルマンのI先生がいらっしゃる。経験豊富で的確な処置と穏やかなお人柄で人気のある先生です。

おねさん、今日は抗がん剤打つのかな?

I先生の触診で、「う〜ん、通常もっと効果があっても良いんですけどね…ちょっとだけ腫瘍が小さくなったくらいだな」体重を測ると2.6kgで先週より100g減っていました。
腎臓の数値は先週よりちょっと良くなっていました。
BUN: 41.9(10/10) → BUN: 41.1(10/17)
CRE: 2.0(10/10) → CRE: 1.7(10/17)


ジェモセラピーのコモンジュニパー、良い仕事するなぁ。おねさんには、バッチレメディよりジェモの方がヒットするようです。

白血球は10/10は10400から6200に減っていましたが、この数値は抗がん剤の副作用が骨髄までいってないとの事(白血球が3000以下になっていると、骨髄まで副作用が出ていると判断するそうです。)。

とにかくまったく食欲がないのでI先生は「抗がん剤打つのは止めましょう」と判断しました。
そこで私は丸山ワクチンについて聞いてみました。I先生の意見は「動物医学はアメリカが最先端なのですが、論文には丸山ワクチンについて一切触れているのがないんですよ。」と仰っていました。なので、個体により合う合わないはあるかもしれませんね。

続けてI先生は「おねちゃんは腎臓も悪いから、慎重に治療を進めないといけないです」とも言っていました。

私は、おねさんの状態はステージで言ったらどこにあたりますか?と質問すると「……。かなり悪いです」と答えました。
先生の顔つきで「あぁ、もう末期なんだな」と分かりました。腫瘍の大きさは約1.2cm×4.5cmくらいだそうです。かなり大きい…。


「飲み薬も処方するか迷う所ですが、1週間分処方します」


私は先生の抗がん剤投与中止に賛成でしたので、心の中でホッとしました。
もうおねさんの好きなものを食べさせてあげたい、副作用でグッタリする姿は見たくありませんでした。

お会計をしている時に、看護師さんが彼女のシニア猫の癌について話してくださいました。

「うちの子は14歳で喉に腫瘍が発覚して、1回目の抗がん剤を打ったら効果が出た。だけど2回目の抗がん剤で、おねちゃんの様に食欲が無くなり可哀想なので、抗がん剤治療は止めて飲み薬だけにした。今のところ1年経っているが腫瘍も特に大きくなってないんですよ」と教えて下さいました。


帰りは車から嬉しそうに外を眺めるおねさん。


大きな腫瘍を抱え、どれだけ苦しいのを我慢していたのだろう?

猫の悪性リンパ腫を調べていたら、初期症状に猫風邪のような症状が出ると書いてありました。

先月からおねさんは目やに鼻水が出ていて、抗生剤を処方されたのに、全く良くならなかった事を思い出しました。いつものおねさんなら、抗生剤を飲めば1発で治るのに、2週間分のお薬を処方されていたのだ。この頃から、癌が既に発症し今に至る…


おねさんは小さい身体で
精一杯私の前では
いつものおねさんを
演じていたのでした。

この女性は…ハンパなく強い。

早く抗がん剤が身体から抜けて、食欲が戻るのを待ちます…早く身体から抜けろ!!!


おねさんを家に戻し、予約していた本があったので本屋へ行きました。
会計を済ませ、下りエスカレーターへ向かう途中に猫カレンダー特集の棚が目に入りました。
岩合さんの猫の写真を眺めていたら、いとちゃんを思い出し、涙が出てきました。悲しい涙ではなくいとちゃんに包まれている暖かさと安堵感。いとちゃんが側にいてくれたようです。


いとちゃんが亡くなったあと、私に何故いとちゃんの死に際は苦しんだのか…その理由を教えてくれました。


この先、貴方は
8匹の猫を見送らなくては
いけないの。
だから、敢えて貴方に
この様な死に方もあると
教えたかった。



私はおねさんのこの先を
しっかり支え、見送らなくてはいけない。

おねさんと私の時間を大切に過ごす
覚悟ができました。





いとちゃん、有難う。