体調崩した時、ここぞとばかりに積み本を消化したので。

病院の待合室とか、バスとかで。



ハルモニア (文春文庫)/篠田 節子
¥720
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ハルモニア/篠田節子


何気なく図書館で手に取ってみて。

読み進める内にこれ何か知ってる…?既視感?とか思ってたらば、昔ドラマ化されたんを見てた!


これ↓

ハルモニア この愛の涯て


堂本光一さん主演で。

…て言うかもう…15年も前か…。


当時普通の女の子らしく光一君ファンで、毎週嬉々として見てたのを思い出した…。…雑誌の切抜きとか集めたり、ポスター買って飾ったりしてたなあ…。あの頃の私どこへ行った…。何をどう進んで来たらこんな酒飲みで黒い服ばっか着るような場所に辿り着いてしまったのじゃろうかとかそんな若かりし頃を思い出したりしつつ。


ぼんやりとした記憶なれど、やっぱりドラマ化するに当たってあれこれ設定は変わってる様子。

まず主人公の年齢。原作はもう「良くも悪くも完成させれた大人」って感じ。

芸術に携わる人なんでそこまで肯定概念がちがちな方ではないにせよ「ここまで」、って枠が出来上がってて「それを中々壊せない人」な、イメージ。普通に成長した大人って大体そんなんよな。

ドラマはもっと情熱的と言うか、年齢設定19歳ってのに相応しい若さ溢れるキャラで。

光一ボイスでの「有希…!」って切な叫び声だけ何となく覚えてる。


内容は、脳に障害を持ちつつも半面天才的な音感力を持つ浅羽有希と、彼女にチェロを教える事になった東野秀行のお話。

丁寧な書き方をしはる作者さんのようで、ドラマでは簡略化されてた部分が生々しいくらいに人の心理描写とか含めて表現されてるので人によっては疲れるかもしれん。個人的には好き。


こつこつ長年の努力で培ってきた技術をぽんぽんと習得してく有希に嫉妬したり落ち込んだりしつつ、結局は抗いようのない勢いで惹かれてどうしようもなくなって一切合財投げ打ってしまう東野さんも。

身体を酷使する事によって最後どないなるかを本能的に理解してたであろうにも関わらず、東野に応えるべく弾き続けた有希も。


実に愚かで、純粋。


普通に常識内で考えると周囲にかける負担も迷惑も半端ないから決して「良い事」ではないけど決して「悪くない」とは思わせられる感じの。

(球磨川先輩風に言うと「嫌いじゃないぜ」)


劇的な変化も求めず平凡に穏やかに生きて行きたい身としては、命やら全て投げ打って何かに傾倒すると言うのは踏み込めない領域なので。

憧れ、ではないにせよいいなあとは思ったり。

愛で身を滅ぼすのは馬鹿だなあと思う反面羨ましい。そう言うのやってみたい。浮いた話?ねえよ。



もういっこドラマとの相違点。

東野さんの弟。原作では既に故人なれどドラマでは入院中になってて。

そこら辺はドラマのが印象深かった感じ。

人間関係も仕事も何もかもを東野さんが失って行く過程の一つとして描かれた「弟の自殺」

オセロで勝ったら許してあげる、と言って、有希のところへ向かう兄を送り出して。

兄を縛り付ける自分から開放してあげる、と手紙を残して飛び降りて。病室に残ったオセロ板は全て白にひっくり返されていたってシーンは、幼いながらああああ…ってなった…。


調べたら流石にDVD化はされてなかった。

ヤフオクとかでビデオ買えるかなー。原作読破したしもう一回ドラマ見たくなってきた。



黒いドレスの女 (角川文庫)/北方 謙三
¥530
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黒いドレスの女/北方健三


北方さんの名前自体は存じていたものの。

長らく何者かを知らんかったので喜多方ラーメンの社長かなんかやとちょっと前まで思ってたっていう誠にすいません。

嵐にしやがれを見て初めて作家さんと知った…。
しかもハードボイルド物。あんなけ外見と作風がマッチングしてる人も珍しかろう…(笑)


タイトルに惹かれて借りてみて。

ハードボイルドは初めて手を出すジャンル。

わくわくしながら読み進めてみたものの、正直な所感想らしい感想は沸かなかった感じ。


けど「読める」


中々不思議な感覚。

乱読する方なれど読んでてつまらんなーとか、面白くないなーと思うとさくっと読むのやめたりする事も多い。

この本も読んでて「すっごい面白い!!」ってのは無いけど、「読んでしまう」って感じ。

けど「読ませる」って程ではない。どうちゃうねん。

いやハリーポッターの1巻~3巻とか「とにかくこれどないなんの…!?」って言うのを押さえられん、と言うのかな。寝る間を惜しんでも読みたい衝動。

あと3巻発売された時は部活も休んだ勢い。

(当時陸上部。真面目に打ち込んでて休みことなんでほぼなかったのに部活の子に「ごめん…今日休んでいい…?」って伝えると只事ではないと思った相手に「ええけど…どうしたん…?何があったん…?」とすげぇ心配されたので包み隠す事無く「ハリーポッター新刊出たから帰って読みたいねん」と伝えたら学年一優等生でおしとやか、人に突っ込んだりなんかせん彼女から初めて「何でやねん」を頂いた思い出。元気かな)(まあそれはええとして)


しかし、そこまでじゃない。

何かあったら全然中断するし、続きが気になってしゃーない、ってのではない。

特別面白いとは思ってないのに「読む」と言う、今までにない新感覚。

ほおー、そうなのか。ってくらい。手に汗握らない、はらはらもせん。

気軽に読めるハードボイルド。他のも読みたくなったんでまた今度借りてこよ。


ただ例子ちゃんの「わからないわ」には共感するかな。

男のこだわる男の世界とルール。おなごには理解できない領域。ただ別に憧れはしない。あなたは、それを貫くのか、そうか。って感じ。

格好付けやがって、と思いつつ、これまた「悪くない」と思ってしまうのけども。


ちなみにハリポタは4巻で飽きた…んー、何がツボから外れたんかなー。

江戸川乱歩も最初うきうきわくわくしながら読んでたけどこれまた飽きたし。あれは犯人のパターンが一定すぎて何か。こう。


単純にあれか。同時期に同じ作者さんをひたすら読むのがいかんのかな。