ARATA's Fuck'n on -4ページ目

ARATA's Fuck'n on

猊下の秘密手帳

涙もろくなったのは、それだけ人に愛されてきたからではないだろうか。
愛されなければ、人の気持ちは分からない。
いろんな人の感情が分かるから涙は出るのだと思う。
だから、年を重ねるごとに涙もろくなるのだ。

父方の祖母から手紙が届いた。
先日、私が父のお墓参りに行ったことへのお礼が綴られていた。

お墓に缶コーヒーが供えてあったので、私が来たとピンときたという。
少しでも会いたかったと書かれていた。

祖母にとっては息子がすべてで、その息子が、自ら命を断ったことはまだ現実ではないのである。
その現実を受け入れるにどれだけ時間がかかるか、私には計り知れない。
私にも、自分のすべてだと思える人が出来るだろうか。

年のせいで、字もあまり分からなくなったので読みづらかったらごめん、と最後に書かれてあった。

便箋は全部で4枚あったが、3枚目と4枚目の間に1万円札が挟んであった。
「少しだけど、これでおいしいものでも食べてください」と。

涙が出た。