arasip×5kamikaze 妄想ブログ

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2008年放送の

『魔王』 から。


主演:大野智・生田斗真




しおりさん…

アナタは…

たくさんの愛を、僕にくれたアナタは…

この百合のように、いつか儚く

散ってしまうのだろうか。



ファイル0491.jpg

~~~

夜、帰り道。

領としおりは、何もしゃべらぬまま、ただただ歩いていた。

しおりと同じスピードで歩く領だが、異様なほど悲しそうな表情をしている。

それはしおりにも、耐えられないほど気まずく、自分も悲しみが降り注ぐように胸が痛かった。

「聞きましたよ」

わざと話を膨らませるしおり。

「お姉さん、いるんですね」

領「……」

「事務長さんが、すごく仲良いって。」

しおりはまだ何も分かっていない。
領と姉の事情を…。

「…きっと自慢の弟何だろうな」

「天使の弁護士ですもんね。」

そう言ったしおりは、気付いたら先を歩いていた。
領は、その場で立ち止まっている。

領「…僕は…天使なんかじゃありませんよ…」

領は、その場で初めて、声を出した。
だけどそれは、苦しくなるほど消えそうで、悲しい声。

しおりは、領の近くまで歩み寄る。

領「…じゃあ」

立ち去ろうとする領。
その腕をしおりは、行かせないように掴んだ。

領「……」

「何を悩んでいるのかわからないですけど、力になれることがあったら、言って下さい。」

領「…っ」


ファイル2003.jpg
領はしおりを見ている。しおりは話し出す。

「神父様から聞いたことがあるんです。天使とは、美しい花を与えるものではなく、悩んでいる人のために務めるもののことだって。」

領「…っ」

「…私じゃ…
成瀬さんの天使にはなれませんか?」

しおりの目は領を見つめている。この揺るぎないしおりの想いに、領は惹かれていっているのだ。

「…!…すいません、なんか私…」

自分が言ったことに今気がつき、しおりは、思わず掴んでしまっていた領の腕を離す。



感極まった領は、

涙を流し…


ファイル2006.jpg

しおりを抱き締めた。

きっと領の、迷いに迷った行動だっただろう。

そんな領が、しおりへの想いがより一層強くなった瞬間だった。


魔王 終