「永六輔のお話し供養」に書かれたものです。

近しい人が亡くなったときにどうすればいいか

人の死は一度だけではありません。
最初の死は、
医学的に志望診断書を書かれたとき。
でも、死者を覚えている人がいる限り、その人の心の中で生き続けている。
最後の死は、死者を覚えている人が誰もいなくなったとき。
そう僕は思っています。
志望診断書を書かれた人に僕はよく会っています。
雑踏の街や電車の中、劇場の遠い席などに、その姿を見かけ思い出が蘇って来る。
僕がその人を忘れない限り、その人は存在していて消えることはない。
僕たちは死者と共に生き、自分が死ねば誰かの心に記憶として宿る。
でも、人は歳月の中で、亡くなった人のことを忘れがちです。
だから、ときどき誰かと故人の思い出話をしたり、
街角で出会ったりしましょうよ。
それも供養のひとつだという気がします。

「永六輔のお話し供養」に書かれたものです。