誰もいない真夜中の道路を2人で歩く…
わたしの冷たい手を相葉くんは暖かい手でキュッと握ってくれる。
それだけで、わたしの鼓動は止まらなくて…
彼の顔さえも見れずに俯いていた。
いくら真夜中でも、いくらキャップをかぶってても…
アイドルの彼とこんな道中で手を繫いで歩くなんて…
いつもなら絶対しないのに…
そんな簡単なことさえもわかんないくらいに…
相葉くんでいっぱいだった。
時間にしたらほんの数分のことだったのに、わたしには時間が止まったみたいに感じられた。
「ここだよ…」
彼が連れてきてくれたのはこの辺りでは一番高級なデザイナーズマンション
「ここって…」
「…オレの家だよ。」
ドクンって心臓が鳴る。
相葉くんはそれ以上なにも言わず、オートロックを外した。
真っ暗なエントランスを抜けて、エレベーターを上がる。
思考が停止したわたしは、ただ彼に引っ張られるだけだった。
「ここだよ!」
そういってドアを開けたら…
冷たい冬の風が吹き抜けてきた…
目の前には、芝生が一面に敷きつめられた庭が広がっていた。
真っ暗だけど…小さな灯りに照らされたそこは、とても幻想的だった。
「…綺麗………」
「でしょ?!
オレ、真夜中のココがすっごく好きなんだ!
この庭があるからここに引っ越したくらいだもん(笑)」
2人で並んでベンチに座った。
肩が触れるくらいの距離に意識が集中しちゃう…
「…ビックリした。」
「……よね?…いきなり部屋に連れてかれるとか思った?(笑)」
太陽みたいな満面の笑顔でそう言う彼を見て…
顔から湯気が出るかと思うくらい、熱くなった。
わたし…顔、真っ赤だ…///
恥ずかしくて、俯いたわたしの頬に相葉くんの暖かい手がそっと触れた。
「…かわいー。茗センセー…」
彼の顔を見上げると…
すごく愛しいものを見るような優しい目でわたしを見ていた。
…どうして……そんな目をするの?
「オレね…幸せなのに、たまにすげーさみしくなる時があるの。
そんな時…ここでさ、空を見上げるんだ…」
「空…?」
「…うん。
見て!こんな都会でもさ。結構見えるんだよ…?」
彼に言われて見上げた空には、うっすらだけど、思った以上に星が煌めいていた。
「…すごいね………東京の空でもこんなに星が見えるんだね。」
「オレにはさ。大好きなメンバーに、たくさんのファン、家族。
大切なもの、たくさんあるよ?
でも、それでもさみしくて不安になることがあった。そんな時はここで、たくさんの星を見てたら落ち着くんだ。
オレにはここで見えるたくさんの星くらい、大切なものがある…って安心できた。」
この顔…初めて相葉くんに会った時に見た、、、儚くて切ない笑顔…
「でも……見つけたんだ、オレ。
たった一つだけの星を。」
そう言って、わたしを見る顔は…
さっきとはまるで違う優しくて暖かい笑顔…
「それはセンセーだよ…?
センセーに出逢ってから、オレは前みたいにさみしくなくなったんだ。
センセーに会うだけで、元気になれた。
無理して作んなくても…勝手に笑顔になれたんだ。」
「…あい…ばくん…。。」
相葉くんの笑顔が滲んで見える…
涙が溢れて止まらない…
「茗センセーがいるだけで、見えない星がちゃんと見えるようになったんだよ……?
オレ、センセーがいないとダメなんだ…
だから、、ずっとオレのそばにいて?
一番近くで、センセーの笑顔を見せて?」
相葉くんの言葉が嬉しくて…
わたしも相葉くんがいないとダメなの…って伝えたいのに、涙がジャマして言葉にならなくて。
そんな私の涙を、彼の指がすくう。
彼の体温が涙に伝わる。
ただそれさえも愛しくてたらまないの…
「あい…ば…くん、、すきっ…」
やっと、伝えられた言葉はそれだけ。
「オレは…きっと、もっと好きだよ…」
そう言って…彼は優しいキスをくれた…
