あの日みたく、涙が勝手に溢れてくる。

好きな人に好きだと伝えるだけでこんな気持ちになるんだ。

寂しいわけじゃない。
何かに感動してるわけでもない。

ただただ感情が溢れて涙になって。


「…自惚れるな」
「自惚れるよ」

智くんの綺麗な手が頬を包んで親指が涙を拭う。

「じゃあなんでそんな話、俺にしてくれたの?」

そんなに優しく触れてくれるの?

「なんでだろうな」
「…俺は特別なんでしょ?」

それでもどんどん涙が溢れるから智くんがいつまで経っても滲んでる。

「特別と好きは同じ意味か?」
…無表情なのはわかるけど。

「つまんないこと言うね」

ね。
俺自惚れていいよね?

「じゃあ…特別ってのは認めるってこと?」
だってそういうことじゃん?
そこはそう言ったよね?


「お前さ、前から思ってたけどそうやって大人に突っかかってくるのやめろ」
「智くんは人を子供扱いするのやめた方がいいよ」
「………可愛くないわほんと」

むにっとほっぺたをつねられる。
ほらまた子供扱いして。

「…ねぇ、嫌いにならないから続きしてよ」

智くんは一瞬眉をひそめて…
「駄目だよ、俺教師だもん」
「ちげぇよあんたはただの智だよ」
「…いきなり凡人?」
「ははっ」

もう片方の手が頭にまわされて、智くんの胸に抱き寄せられた。

ほら。
俺のこと絶対好きじゃん。

智くんも…ドキドキしてくれてる?

「卒業したらな」
「卒業しても未成年だけど」
「じゃハタチの誕生日」
「…なげぇ」

智くんのTシャツに涙が滲んでく。

「…お前がどうでもよくないから我慢するんだよ。気付けよ」

あぁそっか。
智くんは『そいつ』とは違うんだ。
ちゃんと大人で、ちゃんと俺のこと考えてくれてるんだ。

「だろ?」

でも俺我慢できるかな?
だって俺まだ子供じゃん。
物わかりのいい大人になんてなれるかな。

「だから人を我慢させといて大学デビューとかするなよ」
「はははっ」

いつの間にか涙は乾いていて。

「じゃあ高校卒業したら毎日ここに来るから見張っててよ」

見上げると智くんは俺の好きな、あの笑顔をしてた。

「毎日毎日、餌ちょうだい」

一生あんたに懐いて離れないから。






☆昨日の息子の写真にちらりと写るうちわは5×10の潤くんです(・∀・)
本日よりカウコンの嵐さんになりました。
ちなみに車にはぽぷこんの潤くんが常備してあります(*´∀`)

以上、我が家のうちわ情報でした(いらんわ)