「潤くん誕生日はね、ひとりずつお祝いするからね!」


よくわかんないけど1日空けといてって皆に言われてそうしてたんだけど。
今、朝の7時。
相葉さん来るの早くねぇ?

「おれ昼から仕事なの。だからおれからお祝いするね!」
そう言って袋からいっぱいの食材を出した。

「…手伝おうか?」
まだ寝癖だらけの俺を見て相葉さんは愛おしそうにその髪をぽんぽんと撫でる。

「くふふそうだね、そっちのほうが新婚さんみたいでいいかも!」


白菜切ってニラを切ってひき肉と混ぜて。
「いっしょににぎろうね!」

…やっぱり餃子か。

「潤くんうまいねー!」
「いやさすが相葉さんも上手じゃん」

次々と形のいい餃子が並んでいく。
お皿に乗り切らなくなってもう一枚用意してる間に。

「ちょっと誰焼売作ったのー!」
ってひとつだけ焼売が混ざってる。

「それなんかテレビで観たぞ」
そう言うと楽しそうに笑う相葉さんにつられて俺も笑った。




「さて、じゃあ食べますか!」
テーブルに所狭しと並ぶ中華料理。

絶対こんな食えないって。

「潤くん誕生日おめでとう!」
朝だし麦茶で乾杯して。

「いちばんにお祝いできてうれしいよ」
だって。
照れるじゃん。

「うん、こんな朝っぱらから祝ってもらったの初めてだよ」
「くふふ、初めてって言葉いいね、うん」

よくわかんないけど相葉さんは満足そうに頷いて料理を取り分けてくれた。


━─━─━─━─━─


「じゃあね潤くん、食べ切れなかった分は明日たべてね?」
相葉さんは皿洗いまでちゃんと終わらせてくれた。

「ほんとありがとね。すげぇうまかったよ。仕事頑張って」
靴を履き終わると相葉さんはふと真面目な顔をして。


「!」
―――突然、おでこにキスをされた。


やりすぎたスキンシップなのかなんなのか俺にはわからなくて呆然としてると。

「潤くんだいすき!いい一日をね!」

相葉さんはいつもの太陽みたいな笑顔でバイバイって手を振って出て行った。

…………

……

…な、なに今の!?ドッキリ?カメラある!?いや自宅でそんなわけ…
一人でワタワタしてるとそんなこと考えさせないかのように、リビングから着信音が聞こえてきた。

急いで携帯を見ると。

【着信 リーダー】

今から30分後に迎えに行くから準備しといてね、だって。
…どこに行く気なんだろう?