シャワーも浴びないで潤くんは俺を抱きしめながら寝ちゃってる。

安心したのかほんとにぐっすり。


「潤くん・・・」

見上げて、手の甲でほっぺたをなでる。


ほんとにおれのことすきでたまんないんだから。

潤くんはかわいいね。


潤くんはかわいくて、すなおで、まっすぐで・・・



―――単純だね。



おれは背中にまわされた腕をそっとどかして、起こさないようにベッドから出た。



バッグから携帯を出して電源を入れる。


―――受信メール1件。


おれはそれを表示させた。



『夜中にごめんね。

来週まーくんがうちに来るって思ったら眠れなくなっちゃって。

楽しみにしてるね。

このメールで起こしちゃったらごめんね。寝るね。』



・・・へたに返信して電話でもきたらこまるからなぁ。

きづかなかったことにして明日メールしよ。


おれはまた電源をきった。



ふふっと思わず笑みがこぼれる。


なんでみんなおれのこと全部知りたがるんだろう?

知らない方がいいことなんかいっぱいあるのに。


ひとのきもちってふしぎ。


よくばりなのはおれだけじゃないよ。


みんなよくばりで、あれもこれも知りたくなってあれもこれも自分のものにしたくなっちゃう。



でもさ、あなたはそうじゃないからだいじょうぶっておもってるよ。

おれとの関係は「ないしょ」だからね?


ね?智くん。