「寝ちゃったよこの人」


どうしよう。このまま放って帰るわけに行かないしまじ最悪だ。

俺・・・担げないよ絶対。


ゆさゆさと翔さんを揺すってみる。

「ん・・・やめて」

「いやいやとりあえず起きて!タクシーまで乗せてあげるから!」


それでも全然起きない。

「まじかよ・・・翔さん。翔さん?」


「ん・・・ー・・・」

「なに?」


「・・・まー・・・」

「まー?」


すぅすぅと本格的な寝息が聞こえてきていよいよやばい。


「まー?まーって何です?まー・・・だ帰りたくない、とか?」

ただの寝言?

わけわかんねぇよ。



とりあえず店の人にタクシーを呼んでもらう。


「まー・・・ごめ・・・」

「俺まーじゃねぇし」


言った瞬間、俺の中でもしかしてって思ってたことが繋がった。


―――相葉・・・さん。


相葉さん。


まー。


相葉さん。


・・・相葉さんと潤くんが付き合ってるの知ってるのは俺だけだ。


どうしても一つの考えが浮かぶ。



俺はタクシーに翔さんを押し込めると別のタクシーで相葉さんちに向かった。