「雪・・・凄くなってきたね」


カーテンを開けて外を見てると翔ちゃんがうしろからちかづいてきた。

そして背中を抱きしめておれの耳にキスをした。


「しょおちゃん・・・」

でもおれはなんか胸んとこがいやなかんじがしていた。


「まー?」

「ちょっとごめん。潤くんにメールする」


「・・・え?」

翔ちゃんの手をふりほどいて俺は携帯を手に取った。





『雅紀は俺のことなんでもわかるんだね!

そう、撮影ができなくなったから雅紀んち行って驚かせようと思ってたんだけど。

渋滞につかまってるけどあと20分くらいで着くよ』


「うわっやっぱり!!」

おれは潤くんの返事を見てあせった。


「翔ちゃんごめん、今から潤くん来るって!」

「えっ、えっ!?」


あわてて翔ちゃんは立ち上がった。


こんな天気だからそうだとおもったんだよ。

おれの撮影もそれで中止になったんだから。


ばたばたとハンガーからコートをはずす翔ちゃんがふと手を止めた。

「てかさ・・・撮影ってことにして松潤断ればいいじゃん」


翔ちゃんがちかづいてくる。


「だーめ。おれ嘘つけないもん」

「よく言うよ!」


翔ちゃんはあきれてるのかよくわかんない表情で

「嘘つけない奴がこんなことしないでしょ」

ってキスをした。


そのキスがやらしくなりそうだったから、おれはわざとらしく翔ちゃんを押しのけた。


「だーーーーめっ。またこんどね!」


翔ちゃんは一瞬かなしそうな顔したけど、すぐぶぅってふくれてコートをはおった。


「今度っていつよ」

「ひゃひゃっ。翔ちゃんおんなのこみたい!」


すねたまま翔ちゃんは玄関に向かう。


「また連絡するね」

「・・・うん」


「ごめんね」

「・・・うん」


翔ちゃんはもう一回、こんどはやさしくキスをした。