知ってるよ。

あなたが昨日撮影が延びてるって言いながらどこへ行ってたのか。

知ってるよ。

あなたが今、何をしてからここに来たのか。


「どうしたんだよ?」
「今日は、触らないで」
「なんでだよ?」

構わず、智は俺を後ろから抱きしめる。

あいつと、やってるくせに。
あいつと、やってきたくせに。

「せっけんの匂いがしますね」
「そりゃーニノと会うんだもん。シャワー浴びて来るよ」
・・・よく言うよ。
「久しぶりじゃん。しようよ」

伸びたえりあしの間から、赤い鬱血したみたいな跡が見えた。
「愛してるよ。ニノだけしか愛せないよ・・・」

あなたの首筋、ホラ、嘘が見えた。






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