これは、近未来の日本。だけどちょっと違う魔法がある世界のお話。


孝汰:「なぁ、りんね。今日の昼休み、一緒にお茶でもしないかい?僕、良い店を知ってるからさ。」

りんね:「そうなの。このシェイクスピアの小説を読んでから行こうかしら。なかなかこのお話がやめられなくて・・・」

孝汰:「何読んでいるんだ?」

りんね:「テンペスト。戯曲(ぎきょく)よ。」

孝汰:「なんかすげーもの読んでいるんだけど!!」

りんね:「こいつの名前は 浅間 孝汰(あさま こうた)私の幼馴染(おさななじみ)。結構衝突することがあるけど、なんか憎めないのよね」

孝汰:「おい!なんか言ったか?」

りんね:「な・・・なんでもないわよ。」

孝汰:「こいつは、群青りんね(ぐんじょう りんね)僕のマブダチ。物静かだけど僕のことをひそかに好きだとにらんでる」

りんね:「ん?何か言ったかしら?」

孝汰:「なんでもねえよ。それにほら、昼休みになるし行こうぜ!」

りんね:「仕方ないわね・・・。行くわ。じゃんけんで負けたら孝汰のおごりね」

孝汰:「いいぜ!やってやろうじゃないの!!最初はグーはなしな。行くぞ!じゃんけん!」

孝汰:「ぽん!!」

りんね:「ぽん!!」

りんね:「わたしの勝ちね。」

孝汰:「・・・まじかよ。まっまぁ、任しとけ!お前のためだ。おごってやる。」



0:ー喫茶店内ー

孝汰:「ここが、僕一押しの喫茶店 ダンデライオンだ。ここのコーヒーは至高のブレンドだからうまいんだよなー!」

りんね:「わたしは、パンケーキが好きよ。奥久慈(おくくじ)しゃもの卵と栃木名物レモン牛乳を含ませた至高の一品だね」

孝汰:「さっ、入るぞー!お邪魔しまーす!」

店員(ことり兼役):「いらっしゃいませー。何名様ですか?2名様ですね。こちらのカウンターへどうぞ。ご注文はいかがですか?」

りんね:「わたしは、イチゴのパンケーキをお願いします。」

孝汰:「僕は、いつものコーヒーで。ブラックです。」

店員(ことり兼役):「かしこまりました。少々お待ちくださいませ。」

りんね:「あっ、あそこにいるのは・・・」

孝汰:「ことりじゃねーか!!なんでさぼってんだよ!」

ことり:「高校でメイク禁止になっちゃったからこっちに来たの。そういうカップルさんたちは?」

りんね:「お昼休みで、食堂が開いてなかったから孝汰におごってもらうのよ」

孝汰:「この可愛げがあるがズバッと言ってくる奴は、群雀 ことり(むれすずめ ことり)鈴掛(すずかけ)大学付属の高校一年生。大の田楽(でんがく)好きだ。」

ことり:「群馬産のこんにゃくであまーいみそを絡めるとサイコーなのよねー!うん!おいしい!!」

孝汰:「あのさぁ・・・ここにいるのはわかるが、単位落とすぞ・・・」

ことり:「いいじゃないのよー!あたしだってここの田楽(でんがく)おいしいし。」

りんね:「はいはい。小競り合い(こぜりあい)はそこまで。料理が来るよ。」

店員(ことり兼役):「お待たせいたしました。ブラックコーヒーとイチゴのパンケーキになります。あとこちら店長からお試しにガトーショコラをおもちいたしました。」

孝汰:「おっ、来た来た!!食べようぜ、りんね。」

りんね:「そうね。いただきましょう。」

ことり:「ちょっと!あたしを無視するのー!?ぴえん。」

孝汰:「んー・・・コクのある香りとさわやかな渋みがのどを癒すなー・・・。やっぱこのコーヒーが一番だな。」

りんね:「ふわふわした触感と濃厚なメープルシロップとイチゴが混ざり合ってレモンのさわやかさが引き立つわ・・・孝汰、ごちそうさまです。」

ことり:「あれ!隣の席にいるおじさんがこっち見てる・・・まさか!」

正二郎:「いや。そんな目で見てないから。ただ、君たちを見てるとね、昔のことを思い出すんだ。」

ことり:「昔って?」

正二郎:「君たちの制服、鈴掛(すずかけ)大学系列のね。俺、大先輩なんだよ。」

孝汰:「うぇー!?大先輩!?・・・そのくまがあってですか?」

正二郎:「いやいや、うちのチビが小学生でな。テレビとか壁を破壊しまくって弁償代がはんぱないのよ・・・」

りんね:「おつかれさまです。」

正二郎:「子供を持つパパはつらいよな・・・とほほ・・・」

孝汰:「社会って深いっすね・・・」

正二郎:「申し遅れたね。俺の名前は、館内 正二郎(かんな しょうじろう)。隣にある株式会社 ゼラニウムの係長をやっているんだ。就職に困ったら来てくれないかい?」

りんね:「ブラック企業では無ければいいんですけど・・・」

正二郎:「うちはホワイトだからいつでもウェルカムだよ。」

ことり:「あたしには早いからいっか。」

孝汰:「いやいや・・・お前は早く学校行けよ。五時限目あるんだろ?」

ことり:「しょうがない・・いくかぁ・・って何か視線を感じるんだけど・・・」

正二郎:「どうした?なにかあったか?」

ことり:「ううん。なんでもないよ・・・」

正二郎:「おっと、仕事に戻らなくては・・・お勘定(かんじょう)願おうか。」

店員(ことり兼役):「ありがとうございました。またお越しくださいませ。」

孝汰:「ゲっ!!僕たちも講義があった!!金はらうから行くぞ!りんね!」

りんね:「ええ。わかりました。」

店員(ことり兼役):「ありがとうございましたー」


正二郎N:「こうして俺たちは邂逅(かいこう)を果たした。あの日が来ることを知らずに・・・。そして、ある組織と闘わなくてはならないことを知らなかったのだ・・・」

0:ーエピソード1へ続く・・・