容疑者あらら | 認知症ケアについて徒然と書いていく、あららさんのブログ

認知症ケアについて徒然と書いていく、あららさんのブログ

このブログを通して、あ、認知症って怖いだけじゃないかもしんない。への一歩につながることを密かに期待して徒然と書いていきます。

最近はヘルパーとしても働く私。三ヶ月前から独居の貴さんのヘルパーをしている。貴さんはとても変わり者で近所でも有名。ゴミ屋敷で人付き合いも下手で好き嫌いが激しい。
そんな貴さんから私は唯一気に入られるヘルパー。他の人はことごとく拒否。最近は近所の人もことごとく拒否で、実際、貴さんちを尋ねるのは私か悪質商法の人。掃除もなかなかさせてもらえず。初めて台所に入った日なんて、二ヶ月前の刺身やら、一年前の牛乳やら。まあ、モザイクものですな(笑)

で、本日。ケアマネから電話かかってきた。今、警察と一緒に貴さんちに来ていると。どうやら財布や保険証、手帳や印鑑、全て盗まれたと言っている、で、それがー…ヘルパーさんがやったって。。。ごめんね~いつも一生懸命やってもらっているのに…。

…容疑者あらら、確定。


認知症で取られ妄想が出現すると、その犯人は大概一番身近な人になる。はい、テキスト通り~!ちょっと内心喜ぶ私(笑)

てことで、容疑者あららは貴さんちに向かう。はい、疑いの目の貴さん。なんか、ないんですか~?というと、灰皿がないんだよ、と嘘をつく(笑)そんなこんなで一緒に部屋中探していたら、容疑者は晴れてシロに。しかし、見つからない。間違いなく一昨日に見かけたバックがない。


結局、ケアマネと警察署へ。認知症だから、と片付けている警察。でも、お金持ちで有名な貴さん。もしかしたら…もあるかもしれないかな、と。

警察官「こちらもね、昨晩から110番の度に何回も行っているんですよ、でも、こうも毎回言ってることが違うとですね~何処かになおしとんなはるとでしょ?部屋もすごい状態ですしね」(明らかにふてぶてしく呆れている態度)
あらら「確かに部屋は雑然としているし、認知面の低下で直しこんだ場所もわからなくなっているかもしれませんが、、、」
警察官「行くたんびに言ってることが違う。支離滅裂ですもん」
あらら「じゃあ、こういったケースの場合はどうされているんですか?」
警察官「110番があったら、行くだけです。でも、それからのことは行政です。じゃあ、私達にパトロールば、しろていうんですか」

プチン(-_-#)←あららさんの脳内の音

あらら「分かりました、そうですか。管轄が違うんですね」
警察官「盗難っていうのはなくなった日時場所がはっきりしていない限りはなかなかですね」
あらら「確かにそうですよね。認知症の場合はなかなか難しいですもんね。ただ、私達は、認知症で、しまいこんで場所が分からなくなったっていう判断だけにしてほしくないんです。確かに今は支離滅裂ですが、貴さんの基本的な性格としてはいつもの物の場所を、移動するという事だけで嫌う人です。しかも、貴さんは現金で常に財布の中に30万以上持つ方です。もしかしたら、狙われたかもしれないとおもいます。お金持ちの一人暮らしですから、そういうターゲットになった可能性もある、という事だけ伝えにきました。」
警察官「あー、そうなんですか。」
あらら「独居で、認知症がある場合、本当に狙いやすい家のはずです。」
警察官「一応気をつけている家もあります。」
あらら「じゃあ、そこに貴さんもいれておいてくださいね。あと、ちなみに、認知症だとしても残されている機能は沢山あるし、覚えていらっしゃる事もたくさんあります」
警察官「そうなんですか?」
あらら「そういうケースはこれからどんどん増えてくると思います、今後よろしくお願いします。」

そこからは穏便に話す…警察官も、認知症って事について少しは学んだはず?!


…住民の安全を守るのが警察やろ~!認知症も住民だーー本当に取られているんならどうするんだーーーー(♯`∧´)認知症だから、ってすませていいのかーー!また狙われたらどうすんだー!あーーー確かに難しいけど。この貴さんの取られてしまった、悔しい、っていう、気持ちは無視していいんですか!!!


と、まあ。熱くなった私です。認知症の人の気持ちの代弁者にならなければ、誰がこの辛さを訴えられるのか、と、胸に刻んだケースでした。

貴さんに悔しいね、と言うと、
「あららさん、これが人生よ。どんなに辛い事があって、したに落ちたとしても、這い上がるしかないんだよ、人間は。」



はー書いてすっきり。読んでくれてどうも。(笑)