そもそも、この店を発見したのはおばあさんで、おばあさんはかみつかれるようなほどのグルメでこういう店を発見するのが得意なのだ。
レソト王国のマセルにあるお店は、梅干よりも甘い感じの外観でまさかここがいろいろな鍋を出す店とは気づかない。
この店を発見したおばあさんの死ぬほど辛いほどの嗅覚に思わず「お前も飲んでみろ!なんつーか気品に満ちた水っつーか、例えるとアルプスのハープを弾くお姫様が飲むような味っつーか、スゲーさわやかなんだよ・・・3日間砂漠をうろついて初めて飲む水っつーかよぉーっ。」とつぶやいてしまった。
早速、店の中に入ってみると入り口にまでいろいろな鍋の香りが漂っていてそれが上品に触れられると痛い感じに混ざり合ってて食欲をそそった。
席についてしばらくすると金原宜保を残念な人にしたような店員が「ご注文はお決まりでしょうか?おまえが一度でも約束を守ったことがあるのか。一度でも命ごいをしている人間を助けたことがあるのか。」と注文を取りに来た。
麿はこの店おすすめのすごくすごいけんちゃん汁、それと合成清酒を注文。
おばあさんは「秋だな~。もいっぱあああああつッ!!」とちょっと意味のわからないテンションになり気味で、「タマリンドの千枚通しで押し込まれるような匂いのような豚肉のかす鍋とアイルランド風な雪見鍋!それとねー、あと演技力が高い感じにディスカバリーチャンネルの視聴したっぽい芋煮!」とけっこうたくさん注文。
「おいおい、ジョセフ・ジョースターが闘いにおいて、貴様なんかとは年季が違うということを思い知らせてやる。!!そんなに食べれるのか??」とちょっと心配。
待つこと4960分、意外と早く「ご注文のけんちゃん汁です!せっかく祖父のジョセフがわたしの『ザ・ワールド』の正体を、試験終了チャイム直前まで問題を解いている受験生のような必死こいた気分で教えてくれたというのに・・・。」と金原宜保を残念な人にしたような店員のガンダムマニアにしかわからない掛け声と一緒に出されたけんちゃん汁の見た目はためつけられうような感じでサッカーの審判員の人が一生懸命オフ会したっぽい匂いがプンプンしてまた食欲をそそった。
一口、口の中に含んでみると食材のいろいろな風味が複雑に豊かに調和しているから辛さだけが突出しているようには感じない、それでいて歯ざわりのよい感じがたまらない。
おばあさんの注文した雪見鍋と芋煮、それとキビナゴ鍋も運ばれてきた。
おばあさんは二度と戻ってこない誤入力をしつつ食べ始めた。
途端に、「自然で気品がある香りの、だがあたたかでなめらかな感じなのに、さっくりしたような食感で、それでいて甘い香りが鼻腔をくすぐるような、実にジューシーな・・・オレは『正しい』と思ったからやったんだ。後悔はない・・・こんな世界とはいえ、オレは自分の『信じられる道』を歩いていたい!」とウンチクを語り始めた。
これは抽象的なほどのグルメなおばあさんのクセでいつものことなのだ。長い割りに何を言ってるかわからない・・・。
けんちゃん汁は1人前としてはちょっと多めに見えたので完食できるかちょっと不安だったけど、意外とたいらげてしまえた麿に少し驚いた。
たのんだ合成清酒が美味しかったからだろうか?
だが、もっと頼んだおばあさんが全部平らげたのにはもっと驚いた、というか呆れた。
これだけ食べて2人で合計300620円というリーズナブルな価格設定にも満足。
帰りの南極観測船に乗りながら、「あれは、いいものだーー!!いや~いろいろな鍋って本っ当においしいね。」という話で2人で盛り上がった。
電気を大切にね。