最近仕事が忙しくて、手紙かけてなかったんですが

母から、返信の手紙がきたこともあり

やっぱりちゃんと書く時間作らなきゃ、と思いました。

 

母からの手紙には、抗がん剤投与の準備のために

鎖骨下に薬を投入するポートを埋める手術をしたこととか

最近生まれた甥っ子のことや、僕を心配していることが

書かれてあって、

 

本当に子供が好きなんだなー、と

 

治療で辛いときにも、子供のことを想っていると思うと

涙が止まらなくて、やばかった。

 

 

・・・たぶんこの手紙は、僕が死ぬまで捨てることはないだろうなぁ。

兄弟はみんな、メールとか電話で母親と連絡を取っているんだけど

 

手紙にしてよかったな、と思いました。

 

 

そんなこんなで、以下4通目の手紙。

 

 

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お母さん
(僕の本名)やで。
お母さんからの手紙届いたで。ありがとう。
K君(甥っ子2号)、すくすく大きくなってるようで何よりやな!
確かに、S(甥っ子1号)が乳児のころから大きかったの覚えてるけど
それ以上とはスゴイな!

僕も今、順調に90kgをキープしてるけど負けてられへんな(笑)
(在宅勤務やとな、仕事の合間にすぐ冷蔵庫開けて
プリンとかゼリーとかアイスとか食べるからな
全然痩せへんで、困ってるわ。)

K君とは、まだ一回も会ってないし
次、大阪帰るの楽しみやわ。


僕の仕事な、パソコンとネットだけあればいいから
外出禁止でも全然影響ないくらい、普通に在宅で勤務できてるんやけどな

平日仕事してると、パパとかお母さんとかおばあちゃんが
ずーっと、いつまでも見守ってくれてると思ってしまってな

連絡取ることを疎かにしてしまってるな、って
最近思うねん。金銭の救済依頼の電話は別にしてな(笑)

なんやろ、皆がいてくれて当たり前っていうかさ。

パパもお母さんも病気になってな、ちょっとづつ考えてることがあって
いつになるかは、まだ決めてないけど
実家に戻って、そこでしばらく仕事しようかな
って思ってんねん。勤務先は今のままでな。

コロナとかお母さんの治療がひと段落した時期にあわせて
(たぶん今年の夏、秋ごろかな。)

そういう風な働き方をしたい、って
上司に相談してみたら、理解してくれて
会社の使えそうな制度を探してくれたりしてんねん。

僕今年で、東京に出て10年経ったからな
ここらで一旦、家族と居る時間増やそう、と思ってんねん。

まぁそんなこと言ったら、はよ結婚相手見つけてくれ、って言われそうやけど
今は、お母さんたちとしばらく一緒にいたい
っていう気持ちが大きいから、堪忍やで。


そうそう、最近のニュースで
お母さんが気にしそうなものがあってんけど、

北朝鮮の金正恩がどうやら、やばいことになってるらしいで!
前から健康状態が悪くて、最近心臓の手術をしたらしくてな、それが影響して危険な状態やって。
4月15日は、金日成の誕生日やから、宮殿に礼拝に行くのが決まりらしいねんけど
今年は、その姿を誰も見てないらしいねん。
ネット上では、後継者が妹しかおらんし、無茶しそうな妹やから大変、って言われてて
金正男やっつけたことが今になって響いてるってさ。

まあ、それだけやねんけど
お母さん情報通やから、好きかなーって思って(笑


今頃は、抗がん剤の一回目の投与が終わって
ちょっとづつ変化してるころかな。
いろんな副作用が出てショック受けてるかもしれんけど、
投与が落ち着いたら、また復活するらしいし
あまり深く考えすぎんようにな。

ほな、また手紙するで!
大好きなお母さんへ。
(僕の本名)より。
2020/04/21(火)

=====

昨日の夜中、これから抗がん剤治療に臨むおかんのことを考えると

なかなか寝付けず、

 

ほかにいい治療がないか、末期ガンの治療に関することを調べていたんですが

食事療法や緩和ケアというものがあるようです。

 

それらを行っても完治することはなく、あくまで延命治療のひとつという

認識は、ちゃんと持っています。

 

抗がん剤を無理に続けると、痛み止めの医療麻薬も効かなくなったり

逆に寿命を縮めたりすることがあるそうで(もちろん、人それぞれ個人差はあります)

 

そのリスクがある治療より、たとえ死期が早まったとしても

おかんが、穏やかに天寿を全うできるようにしたいと思いました。

 

そして、そのことを家族に伝えると、偶然みんな同じ考え方をしていました。

僕は本当にこの家族が好きです。この家族に生まれてよかった、と胸を張って言えます。

 

 

----以下、3通目の手紙の内容です。(唐突w

 

 

 

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お母さん
(僕の本名)やで。
たぶんこの手紙が届くころには、治療が始まってて
僕では想像できひんくらい、しんどくなってるかもしれんから
少し落ち着いた時にでも読んでな。

今日仕事でな、去年の10月から今年の3月までの半年間の
評価面談があったんやけど
すこぶる良い評価で、来月から給料上がるらしい!
まあTVで、会社のCMが打てるようになったのも、僕のおかげでもあるしな(笑)

それに、前の会社は小さい会社やったから、上がり幅も小さかったけど
今は上場企業やから、結構な上がり幅やねん!

これで少しは貯金も捗るから、よかったわ。


とまぁ、僕の仕事の話はそれくらいにして

今、お母さんの治療のことで、お姉ちゃんとめっちゃ連絡取り合ってねんけどな
抗がん剤治療以外で、良くなる方法を模索してんねん。

ネットで調べてるとな、抗がん剤治療は、治療開始初期の頃が
一番効果てきめんらしいねんやけど

それ以降は、食事療法とか緩和ケアっていう、ゆっくり過ごしながら
できる治療のほうがいいらしいねん。

お母さん、手術とか薬とか、絶対嫌いやと思うから
それがいいな、っていう話をお姉ちゃんとしてるからさ

最初の抗がん剤治療、しんどいと思うけど
ある程度時間経ったら、ゆっくりできるようになるから
あきらめんと前向いていこうな。

でもあきらめそうになったら、正直に話してな。
僕にでも、近くの看護師さんにでも、お姉ちゃんにでも!
お母さんは、ひとりじゃないから、みんな頼ってな。

少しでも、お母さんの身体が落ち着いて
少しでも、穏やかに過ごせる時間が増えることを
遠くから願ってるで。

ほな、また手紙するわ。
大好きなお母さんへ。
(僕の本名)より。

2020年4月13日(月)

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がんと闘うより、がんと共に余生を過ごすことに焦点をおいたら

悲しい感情より、前向きな感情が大きくなってきました。

 

 

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お母さん

(僕の本名)やで。僕からお母さんに電話した日の夜に書いてるで。

1,2週間ぶりにお母さんの声聞けてよかった!

また、月曜日からの仕事がんばれるわ。

 

今な、僕、仕事で開発リーダーになってて、若い子とか

一回り上のおじさんとかと一緒に仕事してるんやけど

「(僕の本名)さんは面倒見がよくて、色んな方のサポートしてくれるから

頼りになる」って評価されてんねんで、すごいやろ(笑)

 

僕自身、他人のお世話をするのが好きでな。

仕事してて、ここはみんな苦労するやろうな、ってところは

先回りして教えたり

 

あの人、最近しんどそうやな、ちょっと話聞いたろ、って思って

悩み相談みたいなことしたりしてんねん。

 

それでな、最近改めて気づいてんけど

なんか僕、お母さんみたいやな!って思ってん(笑)

 

まあお母さんは、世話焼き過ぎなくらい世話焼くから全然かなわんけど、

僕も、他人の世話をするの嫌に思ったことは

ほとんどなくってな。

 

そうやって仕事してるとな、

お母さんからもらったものが、仕事に役立ってる感じがして

嬉しくなってん。

 

ま、親子ってよぅできてるな

っていう話で、それが今回の手紙の主旨や(笑)

 

ほなまた手紙するで!

大好きなお母さんへ。

(僕の本名)より。

=====

 

母親の病気が発覚して、すごく落ち込んで

わけもわからないくらい、一日中泣いてしまっているんですが

 

こうして手紙を書いていると

帰省したときに親と話している、本当の自分モードになれるから

すごく心が落ち着きますね。


この手紙が届くころには、抗がん剤治療が始まっていて

精神的にも辛い状況かもしれないですが

 

少しでも母親を元気付けられることを願って

投函しにいきます。